一月物語 (新潮文庫 ひ 18-2)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (181ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101290324

感想・レビュー・書評

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  • 雨月物語を思わせる題名と内容。

    古文体と旧漢字を多用しながら、美麗な文章で綴られているが、面白くなかった。

    現代人が、古文を駆使して幽玄な文学を産み出しました!と主張しているような作品だと思った。
    文章に素直さがないように感じられたので、伝わってこなかった。

  • 美しい物語。

  • 平野はすごい!
    日本人として読んどけ。

  •  情熱的かつプラトニックな愛(しかしそれは自分の命を賭すことでしか成就しえない愛)の物語が、擬古典的な文体で描かれている。主な舞台は明治期の奈良県十津川村の山寺であり、ここで奇妙な出来事が起こる。
     擬古典的な文体が、作品の神秘性を増幅させる役割を果たしている。また、漢字の微妙な使い分けが、細やかな表現の一助となっている。擬古典的ではあるけれども、それほど難解な内容ではないので、文章表現や用いられている漢字から、頭の中にイメージを描きつつ読んでいくとおもしろい。

  • 山奥に時間の流れが異なる異世界があって、普通の人はそこへ入れないようになっているけど、主人公は導かれそこに入ってしまう。
    手塚治虫の火の鳥にも似たような設定の話があったような気がする。物語は全然違うけど。

  • もっと読みにくいかと思ってたが、そうでもない。
    まだ途中だけど、先が楽しみ~。

  • ストーリー的なものではなく「言葉による表現」を味わうことが読書の目的になってきたと思う。

  • 古典風の表現のなかに閉じ込められている、日本人の長らく沈殿し、蓄積している遺伝子にも訴えかける様な、美しい、郷愁の表現。短く区切るその言葉の紡ぎが、いとも簡単に美しい心情描写や風景描写を想起させる。古来の語り部よろしくその任を引き継いだ文章は、短歌や俳句の表現さながら紡ぐ文章いと美し、といった面持ち。その淡麗な美しさから是非音声にその艶を乗せて再読したいものである。もっとも自分の音声がその重厚な艶を、空気に震えに乗せて再現できるかは甚だ訝しげではありますが。端正な文章はその仔細さ、儚げさ、朧な事象を、まるで豆腐の膜で、静かに、しかし、その膜の優しと繊細さとで掬い取ったかのような正確さ。この文章と向かい合う時には一抹の気持ちの断続的な高揚を共にせざるをえないと思う。その心音の強弱と、神妙な心持ちはさながらなにかの儀式に望む心境のように清潔で......(途中)。”

  • なんとなく、もうちょっとすごくてとっつきにくい作家なのかと思っていた。

  • 平野さんが敢えて擬古文に挑んだ作品。
    何故にわざわざ・・・と思わないでもなかったけれど、
    古典的風合いと蝶に誘われ迷い込む夢幻のような世界との調和が
    どことなく「高野聖」を彷彿させとても美しかった。
    蝶やら蜻蛉やら簡単に羽がもげそうな昆虫は苦手だったけど
    平野さんの美しい描写に克服できそうな予感・・・。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『現代作家アーカイヴ1』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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