きつねのはなし (新潮文庫)

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著者 : 森見登美彦
  • 新潮社 (2009年6月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (323ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101290522

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きつねのはなし (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • これは...
    再読せずにはいられない...

    ホラーテイスト苦手なのに...
    再読せずにはいられない...

  • 正直たじろいだ。いままでの森見さんの作風と全然違う。薄ら寒い空気がじっとり澱んでいる。狐、得体の知れないケモノ、惑わされる人間たち。骨董屋は全て知っているのか。黒幕はいるのか。わからない。わからない。京都の奥深い闇に吸い込まれていきそうだ。でもそこに一歩でも足を踏み入れたらもう戻ってこれないんだろうなあ。いつものような阿呆全開の京都とこの闇深い京都とふたつの顔、両方に魅せられ心預けてはじめて京都に受け入れられるのだろうな。奥深く恐ろしい小説だ。次の生け贄は一体誰。謎がはっきり解明される時は訪れるのか。。

  • 森見登美彦といえば「夜は短し歩けよ乙女」のイメージで、コミカルでちょっとファンタジーな京都を舞台にした小説を書く人というイメージだった。本作は得体の知れない存在(きつねや怪物など)に、引きずり込まれるように翻弄される人々の物語になっている。僕たちが薄っすらとその存在を感じる気味の悪いものから、なぜか目を離せず取り憑かれてしまうという話の展開に、怖いもの見たさを刺激されて面白かった。

  • 京都を舞台にした少し不思議な話という印象から始まり、読み進めるうちに闇の中に絡め取られて行くような感覚を覚えてくる作品集。互いに少しずつ関連しながらも独立した幻想譚が四編。特に初めの二編が好み。
    「きつねのはなし」
    表題作。ちょっとしたきっかけで境界を超えてしまい後戻りができなくなるような不安感と、もやがかった妖しい雰囲気がとても好みでした。
    「果実の中の龍」
    主人公と、尊敬する先輩、先輩の彼女の三人の交流。ちょっと不思議で、驚きもあり、不安とほっこり感が同居する見事な作品。先輩の語る魅力的な物語は、いったいどこからもたらされたのか。物語の虚と実の境に意味はあるのか。物語は楽しめればよいのだ。この短編集を貫く要のような作品と思う。

  • ★3.0
    再読。多くの作品で見られる阿呆で破廉恥な森見節は鳴りを潜めた、京都が舞台の不思議を孕んだ“魔”短編集。全4編は別物のようで似通っていて、その陰に見えるのは骨董屋・芳蓮堂とケモノの存在。結局のところ、芳蓮堂のナツメさんが何者なのかは分からないし、ケモノが捕獲されるわけでもない。が、何が起ころうとも受け入れてしまえるのは、舞台が京都だからなのかも。そして、本当に恐ろしいのは“魔”に魅入られた人間。そこに雨や暑さを絡めることで感じる、じっとりとした湿度が不気味。「果実の中の龍」と「魔」がお気に入り。

  • 気味が悪いけど引き込まれる

  • まるで暗闇の中で万華鏡を覗いているような一冊。
    美しいカケラが近づいては歪み、離れていく幻想が味わえるが、振り返るのが怖くなるかもしれない。

  • この手のホラーで薄気味悪い小説は初めて読んだけれど一気にハマった。
    京都が舞台だけあって日本特有のホラーな感じがいい。

  • 短編四作品

    話というかキーワードが微妙にリンクする京都を舞台とした幻想的な話。全ての話にハッキリしない不気味さが残り、このシックリ来ない感じを良いと言う人たちは少なくないと思う。

    ひっそりと這い蹲りながら迫ってくる爬虫類のような気持ち悪さが漂う奇譚集・・・


    読み終わった後に読書仲間と話し合える小説でもある。

  • 阿呆じゃない方のモリミー第一弾。
    綾辻先生はこちらが森見作品との出会いだったそうですが、どれを最初に読むかでその作家さんのイメージって随分違ってきますね。
    初めてがこちらだったら、阿呆の方は吃驚すると想像する。

  • 「ー」

    森見さんのこういう系の本は不思議である。
    体の底から震えがこみ上げる時がある。

  • 四作の短編が入っています。どの話も少しづつ連鎖しておりキーワード何度か登場します。

    どの話も怖さというか気味の悪さがあり、魔物のような生物を感じました。

  • ホラーが全くもってダメな私が何故か借りてしまった( TДT)

    森見ワールドの原点?かもしれませんが、きつねのはなしでその後は怖くて読んでません…というか、読めません((T_T))

    でも森見ワールドのブラックな面白さが垣間見れて楽しかったです!

  • 多分、これ読むの4度目(笑。
    たまに、図書館で借りて読んでます。

  • いつもの森見登美彦と思ってたけど全然違った。
    これはこれで良い。
    幻想怪奇譚っていうのかな?
    全体的に湿度高めの雰囲気の中で
    垂らした墨汁が滲んで広がるような
    じわじわ来る薄気味悪さがとても好みだった。

  • 途中まで再読。ちょっと不気味な不思議な短編集。胴体が長く人のような顔を持った狐に似た獣、骨董屋、狐面の男、龍の彫り物…。京都の暗部に潜む影のような存在と古い記憶がさまざまな現象を引き起こし、人の心に影響しています。こんな不思議が京都では当たり前に起こっているのかも知れない。雅な観光地の裏の姿を描いた作品群は、恐ろし気ながらも癖になる魅力が溢れていました。特に『魔』が良かった。彼らはその後どうなったのだろう。夏尾が獣の呪いを打ち破ったのだろうか。暗く幻想的な森見ワールドも好きです。

  • 森見登美彦ワールドに突入して読んでいたら、
    ガラリと文章が違っていて、これはこれで楽しめました。

    関西圏に住んでいるけど小さい頃から京都が怖くて、その薄気味悪さを思い出す作品でした。
    宵山万華鏡ではお祭りの影がうまく表現されていましたが、この作品は京都の影が、そうそうこういう感じなんだと思い出します。
    未だに京都に行くのには、心の準備がいる。

    好きなのは「魔」です。

  • ねっとり、じめじめした雰囲気漂う四編。怪しさ満載。しかし答え合わせはされず、読了としてはもやもやしたものが残る。なので余計にねっとりとした読了感が味わえる一冊。ちゃんと時系列とかを考えて読んだらいいのかもしれない。読んでいるうちに、部屋が生臭く感じたり、水の音が聞こえるかもしれない。

  •  それは、きつねのはなし。
    どこかにあるような怪奇譚。
    奇妙で不気味で、少し恐ろしい物語。

    まとわりつくように広がる怪しい世界は、きつねに騙された結果なのか、真実なのか、それともだれかの妄想話なのか。

    わからないまま読み進めるも、真実はわからぬまま。
    そのぞっとする感じが、夏の終わりにぴったりで。
    いつもの森見調よりもじっとりと肌に染み付くような印象を受ける。

    気持ち悪くも面白い作品でした。

  • 怪しく不気味なケモノに関する短編連作集。

    それぞれの編で、3/4くらいまでは淡々と情景描写や一見すると関連のない独立した叙述が続いてラストにかけて一気に意味がわかってくるしくみ。これを書く森見登美彦さんは我慢強い人だなあと思う。
    それに最後まで読んでも結局スッキリするような落ち方ではなくて、この煙に巻かれる感じがまた森見登美彦さんらしい。
    ミステリアスな歳上の痩身な女性が好きなんだろうなという印象があるけれど、森見登美彦さん自身も相当ミステリアスだ。

  • 最後の「水神」だけはよく分からなかった。
    今の「果実の中の龍」が森見登美彦のイメージに一番近い作品かな

  • 買ってはあったけど、少し読みかけたままで止まっていた本。四畳半的怪しく魅力的な京都、同じ京都なのに、この作品で描かれる京都は昏くて気味が悪い。湿気がある。何度も現れる、「胴長のケモノ」のようにゾッとする。
    真相が最後まで明かされない怪しげな話の中、「果実の中の龍」だけはお話に終わりがある。もしかして、すべては先輩が作り上げたように、虚構だったのか…とか考えて、そもそもフィクションじゃないか…と自分に呆れた。

    誰かの語る「不思議な体験」の魔力的魅力。
    そんな小説だった。

  • 京都盆地特有の気候や土地、そこに住む人たちの人柄をうまく言い表した作品だと思いました。

    個人的には「きつねのはなし」と「果実の中の龍」が好みです。
    私も伏見稲荷が気味の悪い場所だと肌で感じている一人で、いまだに近付けないでいます。
    私(武藤)が恋人の奈緒子さんを探す吉田神社の節分祭が、私の頭でリアルに動き出し、森見氏の筆力の凄さを改めて思い知ることになった。

    京都生まれの京都育ちでは気付かない、観光客には気付けない、学生時代に京都で暮らした者だけが何となく肌で感じて共感できる、京都の奇妙な物語のような気がします。

  • ホラー、闇、謎、そういった色彩の森見作品。
    きつねのはなし、は京都の日常から不思議な異世界に迷い込むような物語で、個人的に好き。
    果実の中の龍、は森見作品らしい、切ない大学生物語。心を飲み込む闇が一番恐ろしい。
    魔、水神は淡々と、あまり盛り上がりを感じず読み終えた。個人的には合わなかった。

    全体を通して見ると、森見氏は好きな作家だが、この本はそう強く推せるものではない、という感想だ。

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きつねのはなし (新潮文庫)の作品紹介

「知り合いから妙なケモノをもらってね」篭の中で何かが身じろぎする気配がした。古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やがて先代より預かったという"家宝"を持った女が現われて(「水神」)。闇に蟠るもの、おまえの名は?底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。

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