四畳半王国見聞録 (新潮文庫)

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著者 : 森見登美彦
  • 新潮社 (2013年6月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101290539

四畳半王国見聞録 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • も一回くらい読まないと全容が把握できないくらい広大な話。四畳半のくせに。。。

  • 京都大生の四畳半下宿生活を太宰治風に森見が書くとこんな感じになるのだろう。太宰の小説をパロディ化しながら、実は、自己肯定と自己否定の間を行き来する日々を悶々と送る学生の心理を描いている、ような気がする。ただ、太宰のようにまっすぐに書かず、笑いの要素がたくさん入っているため読みにくい。単なるお笑い短編集と思って読めば、それはそれで構わないのだけれども、それだけではもったいないような、もったいなくないような、不思議な小説。

  • 相変わらずのわざとらしく持って回った文体が素敵。個々の動きとしてはそれぞれ独立している"阿呆"どもの話が、"世間は狭い"的な人間関係のつながりによって微妙な距離感でつなぎ合わされている。

    こじつけをあえて乱用した「蝸牛の角」、奇談だけど怪談にはしない「真夏のブリーフ」、登場人物のキャラが立った「大日本凡人會」、藪の中的な手法を活かした「四畳半統括委員会」、痛々しさまみれの「グッド・バイ」。とにかく著者の癖っぽさだけ食いたいんや!というひと向けか?

  • 旅のお供は森美登美彦―と独り決めしてしまって、今回も隣県への小旅行のお供に。
    道中一通り読めてしまうのだけれど、一読しただけだと混乱して終わってしまう。
    結局読み直し、これなら倍の時間かけて読めばよかったのかも、とちょっぴり後悔。

    詭弁論部の芽野、芹名といった、例の人物たちも登場する。
    思いのほかに登場人物が多い。
    大日本凡人會、人間関係研究会、四畳半統括委員会など奇妙奇天烈な団体と、そのメンバーたち。
    個性的なのか、「阿呆」という個性だけが際立って、もはや誰が誰だかわからなくなる(笑)
    二度読んでやっとわかった。

    人間関係で躓いた鈴木くんが四畳半の中へ、中へと「領土」を拡張していき(世間的には引きこもりということになろう)、その先に世界への通路が開けていく、というあたりが救いになっているように思う。

  • 「どうやって僕は自尊心を持てばいいんですか?」

    評価は人からされるもの、という。
    たしかに人は周りに認められることではじめて自尊心を保てるんだと思う。
    人は1人では生きられないんだなぁ。

    個人的に、やっぱり森見さんの魅力は会話。
    この本は会話部分が少ないのがちょっと残念。

  • 独特すぎる言い回しと、個性的すぎる登場人物と、もはや展開しているのかもわからない展開。

    愛すべき阿呆、
    そして非凡。

  • 森見ワールド全開。ああ、いろいろ拗らせてんなぁ、大学生ならではという感じで楽しく読ませてもらいました(笑)面白いのは文体でしょうか。ちょっと明治や昭和な感じのする古めかしい固い文章が個人的にはとても好きです。それが大真面目な感じを出しているのに、内容は……(笑)男子学生の日常会話ってこんな感じかなぁと。度々登場する桃色映像の使い方がおかしくて仕方ありませんでした。

  • カオスでダラダラで、ヘキョメキョ。えーっと、何読んだんだっけとまで思える読後感。

    表紙絵も似合っていて、
    クセが有るのに止まらない味。
    森見ワールド、流石。

  • 連作短篇集。
    『夜は短し歩けよ乙女』の樋口氏や『新釈 走れメロス』の芽野や芹名、図書館警察などのおなじみの面々も登場。
    「蝸牛の角」の森見流にどんどん繋がっていく感じが良かったな~。
    「大日本凡人會」も好き。
    全体的にはムツカシイというかなんというか…。この作品を理解しようとするのが間違ってる?笑

  • 『そんなことを言う分からず屋は、呪われてしかるべきであろう。未来永劫、なんだか気になる吹き出物で苦しむがよい!』

    「性の理論のこと? 何を怖じ気づく。独自路線でいけ」
    「それぞれがそれぞれの性の理論を持つ」
    「つまり性の世界は相対的なんだよ」
    「それが相対性理論というものか。深いな。アインシュタインは言うことが深い」

    「彼は人類全般を馬鹿にしてるところがあるね」
    「やっぱり私を馬鹿にしてるのね。鈴木君ももう少し後輩の教育に力を注いでよ」
    「そのかわり彼は平等だよ。分け隔て無く馬鹿にしてるから」

    「…きゃ! こっち見た。やばいよ、これはやばい」
    「警察に相談したら?」
    「緊迫感のない人ね! 今、目が合っちゃったよ! これで警察呼んだりしたら逆恨みされて、きっと殺されちゃうよ。私がそんな目にあってもいいの?」
    「三浦さん、ブリーフの柄だけで人を判断してはいけない」
    「ブリーフの柄が見えてるのがそもそもの問題だと言ってるの。あ、ほら、いや、また目が合った!」
    「ベランダでじろじろ見てるからだ。窓閉めて、カーテン引いて」
    「だって気になるでしょ? 気にならないの? マンションの裏の空き地に、水玉ブリーフ一丁の男がぽつんと立ってるんだよ? 日傘さして、ちょっと哀しげな瞳で」

    「男女の関係には三種類しかない。恋人か、赤の他人か、奴隷です」

    「水玉ブリーフ一丁の筋肉質な男が、日傘を持って空き地に立っているとします。彼は何をしているんでしょうか?」
    「それは心理テスト?」

    「そんなところで何をしているのですか?」
    「なんでもない一日が終わっていくのを眺めている」
    「仙人様みたい」

    「…でも、あのおじさんは何をしているのかしら。あの空き地には何もないのに。あんなところで日傘をさして、淋しそうに空を見上げて。しかも立派な腹筋」
    「きっと地球温暖化を憂えているのだ」
    「グローバルな人なのね。じゃあ、あのおじさんが猥褻物陳列罪で逮捕されてしまわないように、私、祈るわ」
    「君はとても優しいな」

    『その視線は暖かいものから生暖かいものに冷めていった。』

    「でも色々と話はしたんだろ? ー 幸せのお裾分けをしてよ」
    「デートの最中も、彼女は構図を考えたり、試しに撮影したりしていて、多忙を極めている。次回作のためのロケハンも兼ねているんです。だからあんまり余計はことを喋っている時間はないのだ」
    「それは…正真正銘のロケハンではないの?」

    『私は断固として戦います。私といっしょに四畳半統括委員会に対する浪漫的闘争を戦い抜いてくれる、黒髪の美人からのご連絡をお待ちしています。』

    『人に愛されるために血の滲むような努力をしたわけですよ。野を超え、山越え。喉から血が出るほど挨拶する。死ぬ気になって道行く人に声をかける。毎日鏡を見て、まるで世紀末における伝説の救世主のように「おまえは愛されている」「おまえは愛されている」「おまえは愛されている」「おまえは愛されている」と唱え続ける。それはもう厳しい修行の数々。その成果が今に結実してる。
    今に。
    この淋しい夜に。』

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四畳半王国見聞録 (新潮文庫)の作品紹介

「ついに証明した! 俺にはやはり恋人がいた!」。二年間の悪戦苦闘の末、数学氏はそう叫んだ。果たして運命の女性の実在を数式で導き出せるのか(「大日本凡人會」)。水玉ブリーフ、モザイク先輩、マンドリン辻説法、見渡すかぎり阿呆ばっかり。そして、クリスマスイブ、鴨川で奇跡が起きる――。森見登美彦の真骨頂、京都を舞台に描く、笑いと妄想の連作短編集。

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