モニカ: 音楽家の夢・小説家の物語 (新潮文庫 さ 37-1)

  • 新潮社
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本棚登録 : 133
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101291215

作品紹介・あらすじ

音楽家・坂本龍一が書きとめた夢の断片。小説家・村上龍はそれをモチーフに、原稿用紙4枚という物語を30編、創り出した。モニカは小説家の創造力を刺激する、象徴としての女性。様々な物体や感覚的なものに姿を変え、物語をリードする。二人のハイパー・アーティストが交流して生まれた奇跡のコラボレーションが、甘美で危険な幻想短編集として結実した。村上龍撮影の写真も満載。

感想・レビュー・書評

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  • 裏表紙に書いてあることを読まずに本を開いたので

    坂本龍一が夢の断片をメモ的に書いて、それをもとに村上龍がきちんとした小説にする、という本の作り方に感動した。
    つい最近、文章をつくるワークショップを受けたので、文章の作り方はたくさんあるなぁ、と思っている

    坂本龍一の夢は夢だから一貫性はもちろんない。だけれども村上龍は「モニカ」という存在を通して描き続ける。

    男性には「ミューズ」や「ファムファタル」的な存在があると思うし本作にもあると書かれている。
    女性にはあまりそういうものは無いと思う。
    わたしは女性なので、興味深いと思った。

    モニカはそういうものの象徴的に描かれている。しかし実態がつかめない。
    光る大きな女の影 姿形がよく見えない 的なものを想像しているわたしは

    村上龍が撮った写真がついていて、お洒落な一冊だと思う。一編ずつが短いし手に取りやすい本。

  • 他人の見た夢のいくつかをネタに小説に仕上げるという試みが面白いと思う。

  • 坂本龍一の夢の断片と村上龍の短編。
    いかにも自分好みな作品だった。
    電子書籍にて読了。
    満足度7

  • リゾート地のプールサイドで読みたい本。
    坂本龍一の夢を記録した断片を村上龍が2ページ半の小説にアレンジするという実験的なもの。
    ときにはエッセーのようでもあり、差し込まれたおしゃれな写真が、本の雰囲気をぐっと上げている。

  • 100805(m 100905)

  • わたしにとってのモニカも
    ずーっと前からわたしの中に存在していたような気がするの

    わたしモニカのこと知ってるわ
    て言いたくなる

  • 私には才能の押し付けに見えた。
    それは才能のない者からの観点なのかも知れないけど。。
    若しくは坂本龍一があまり好きではないからかも知れない。。
    なんにせよ、今をときめく話題の二人をフィーチャーした商業的作品な感じがするのです。

    −p.34 あらゆることに興味を示しその中に喜びを見いだし能動的でいつもその場を快活なものにしてしまう人なのに、左の手首に何本かの傷跡があったり、そしてその矛盾した印象が魅力になっている、そういう種類の特徴である。

    −p.182 マリーンのくだり。

  • モニカ、というコンセプトがすごく好き。
    村上龍が思い浮かべているものと全く同じものかどうかはわからないけど、日々生きていてこういう体内においての刺激はよくある。
    にしても坂本龍一は本当に普段からこんな夢を見ているのだろうか?
    だとしたら自分が普段見てる夢がくだらなすぎてひたすら悔しい。

  • 村上龍と坂本龍一の組み合わせに思わず手に取りました。芸術性にあふれた作品だと思うけど、共感はないかなぁ…

  • 坂本さんはユニークな夢をみるなぁと思った。でも最近見る私の夢もヒケをとらないくらいぶっ飛んでるので(笑)村上さんに調理してもらったらどうなるかなぁなどと思ったりする。
    これに音楽までついてたらよかったのに。「この音楽とともに読んでください」みたいな。笑
    あ、バックミュージック付の夢を見てみたいなぁ。

    物語はさらっとしていて読みやすいので、寝る前10分くらい読んでみるといいかも。したら、不思議な夢を見られるかもしれないよ(^^)

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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