椰子・椰子 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.70
  • (143)
  • (139)
  • (266)
  • (12)
  • (8)
本棚登録 : 1194
感想 : 167
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (132ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292311

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 川上氏の夢をもとにした摩訶不思議なお話。「もぐらと一緒に写真をとる。…小学校六年生くらいの背丈で、顔も、どことなく人間じみている。」と、相変わらず初っ端からやんわりと強烈である。何となく通り過ぎたものの、「おやっ、ちょっと待てよ??」と立ち止まり振り返るような感覚。おそろしく自然に、淡々と、おそろしく奇妙な出来事が綴られているのだ。好きな人はかなり好きになるだろう。こういう世界。
    山口マオ氏のいい味出したイラストも合わせて楽しめる。

  • 「十一月二十日
    デートにさそわれる。
    長い間の片思いがついにみのるかもしれないので、できるだけ洒落た恰好をしてでかけることにする。
    (中略)
    何をするかと待ちかまえていたら、町はずれでまだ枯れずに残っている草を摘んで、それでデートはおしまいだった。
    家に帰ってからだんだん腹がたってきたので、地団駄を踏みながら廊下を五往復した。」

    てところがすき。

  • お読みになったら吃度気に入られます。

  • 全くもう川上弘美という作家はなんなんだろう?

    縄文人の街に出かけたり、子どもたちが2倍に膨らんだり、庭がバオバブの木で埋め尽くされたり、恋人の肩の上で「きりつ、れい、ちゃくせき」をしたり。

    挿絵を描いた山口マオさんとの対談(あとがき)を読んで、これは川上さんの夢日記から生まれた物語らしいと知る。
    毎晩、鳥のジャンとルイがいる奇跡実演講座に出掛けたり、ぺたぺた足音を響かせる男と同棲したりする世界にいるのかと思うと、まったくもう、なんなんだろう?

    挿絵も好い。
    ぱらぱらと、適当なページを読んでもとても面白い。

  • さも当たり前のように不思議な世界観を描いてておもしろおかしい

  • 川上弘美さんお得意の「うそばなし」と
    山口マオさんのイラスト・オブジェで綴る
    「私」の春夏秋冬の夢日記。


    奇妙で 不思議で 不気味なのに
    やすらかで おおらかで 和ましい。

    こんなにきれいに嘘をつかれたら
    もう参ってしまうしかないじゃない、と
    憎んでしまうくらいに愛おしい。
    川上さんの本の中で一番好きかもしれない。

  • 何だこれ。と思いつつ、不思議とこの変な世界に入り込める。
    絵もおかしな味わい。
    今夜はこんな夢を見られます様に。

  • 子供を箪笥にしまうというくだりが、とても印象的。摩訶不思議。挿絵もすてき。

  • 不思議な事が次々起こる日常を、淡々と過ごしていく女性の話。
    意味はわからんが中々楽しかった。
    恋人?にローキックをおみまいするくだりが凄く好き。

  • シュールすぎる。

    うそばなしを、自分で消化しきれなくなると、読んだ話を人に話したくなる。

    ぺたぺたさんが衝撃的。

    なのに、最後のあとがきと解説を読んだ後、また読みたくなる。

全167件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

川上弘美の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×