ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)

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著者 : 川上弘美
  • 新潮社 (2004年11月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292335

ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 川上さんの文章は、エッセイでも柔らかくやさしいのですね。
    ほろ酔いのときや、おふろに入りながらよみたい温度感。
    独特な感性に、共感したり唸ったりできます。

  • わたしは女性の書いたエッセイを読むのが、好きだ。その中でも、好きなもの、そうでないものと、わたしなりの好みがあるから、あらためて、みずからの嗜好にかなうエッセイとはどんなものか、思い巡らしてみた。

    息の長い文章が好きだ、と思う。細かく切れた文章は、なぜか読みの呼吸がうまくあわずに、気持ちよくなれない、心地よいドライブ感がないのだ。おそらくこれは生理的な問題だ、と思う。

    わたしは、「である調」で書かれたものが好きだ、と思う。文末が「である」で綴られていると、リズムが生じて、なんだかとても心地いい。「ある」っていう表音のコロリとした語感が、とてもかわいい。

    またゆる~い、日常の些細なことに一喜一憂しているエッセイが好きだ、と思う。些細なことを一まとまりの文章にすることは、意外に難しい。その出来事やその際のこころの動きは、なにせ忘れやすいし、日常ではそれほど頻繁に心が動いているわけではないから(大きく動いてないから日常なのである)。できれば、みずからをかるく揶揄するゆる~いユーモアが加われば、わたし好みである、ように思う。

    と、いくつか嗜好にかなうエッセイの要素を挙げてみたけど、以上のような考えるきっかけをくれた、川上弘美さんのエッセイに、キリッと頭を垂れる、わけですね。

  • 川や、町並みや、
    友人や酒や、
    そして多くの本と言葉からや、
    目に留まるあらゆるものへ、
    真摯で率直に、思いが広がっていく。

    散歩に行きたくなる。
    酒が飲みたくなる。
    友人に会いたくなる。

    読み終わった後で、
    飲み屋で待ち合わせをしたあゆちゃんにそのままあげた。

  • 極上のエッセイの数々、
    川上弘美さんの目線が感覚が心地好い
    心が揺れる言葉に、何度も読み返す
    エッセイの中に出てくる数々の小説や本
    美味しそうな食べ物
    ずっとこの本の世界にいたかった

  • 本を読むこと、まごまごと日常を送ること。
    そうして過ぎていく時間の中に、在りし日のセイシュンの姿を重ね合わせる。

    「こういうよろこびをいったい何というのだろう。「ささやかな幸せ」というやつだろうか。青春と呼ばれる時代にはあんなにささやかな幸せを忌み嫌ってきたのに、人間変わるものだなあと思いを致した夏でもあった。人間変わるものだ、などという感慨も、そういえば昔は忌み嫌っていたっけ」(P.48)

    教訓を引き出さず、ただ楽しみのために本を読み、幾つもの場面に、逐一日常の面白さを見出すことができるとしたら、、「生きることは歓びなんだよ」(P.150)という、著者がためらって言えなかった言葉も、いつか言えるようになるのだろうか。

  • ・ポジティブで美しいエッセイは好き。
    ・最後が良い。表題作をめくる前のドキドキ感といったらない。
    ・というかまさか、川上弘美が大女とはしらなかった。
    ・紹介されてる本とか、何気なく出てくる本に興味が沸いた。読んでみよう。

  • 今までエッセイをあまり好まなかったのだけど、彼女の紡ぐ日常のひとこまが、彼女の流れるように綺麗な文章で綴られると、一気に引き込まれる。

    どの話も好い。
    本が読みたくなる。
    美味しいものが食べたくなる。

  • 川上弘美は元理科教師。ウニを捕まえるのが得意。喫茶店のナポリタンが好き。恋愛小説が好き。でも恋愛は不幸だと思っている。
    この本は川上弘美の色々な面がわかる。サービス精神が強く、好奇心旺盛で、引きこもり、夢と現実の間は曖昧。
    本が好きですぐ本の話ばかりする。
    彼女の思考の愉快さは「べたべた」を読んで納得。
    好きな句に「人参は赤い大根は白い遠い山」をあげているのがなんだか嬉しい。
    あとがきに連載が終了時のあの跳躍の理由に触れている。「淋しくなる」とてもシンプルな理由だった。
    扉座、横内謙介の芝居中に本を読み終えるのが惜しくてわざとページをゆっくりめくる。物語と別れがたくわざとページをゆっくりとめくる。というのがある。
    物語を愛する故の最後の悪あがきをタイトルの「ゆっくり」にも感じた。

  • やっぱりエッセイは好きになれないかなぁ。
    観点を広げるという点では良いけど、なんせ主張がない。
    世の中の神秘とか超人的な部分への言及は嫌いではないけど。
    やっぱり自分ってロジカル好きかも。
    ただ、好きとは言え、なんでも理屈で解釈しようとするのはだめ。
    ダメというより、それやってたら理不尽なことが多すぎて生きてけない。
    空気感や感覚部分こそ全てを知っているのは確かだから。

    「人知では計り知れないところで、何かと何かがつながりあってる」
    →出会いもそう。人間って作られたものだ。

    「若くても年取っててもみんないろんなことがわかってる。すごいもんだなぁと感心した」
    →子どもを見てれば人間の子となんて大半わかる。小手先の打算的な大人との対人コミュでは見えないものが子どもの正直さの前では全て見える。目を見て話さないと子どもは聞かないし。人が感じる感覚って絶対だ。子どもはその部分が強い。

    「青春と呼ばれる時代にはあんなにささやかな幸せを忌み嫌ってきたというのに、人間変わるもんだなぁと思った。人間変わるものだ、などどという感慨も、そういえば昔は忌み嫌っていたっけ」
    →なんかわかる。たいそうなことを思い描くもんだ。

    「一つの真実を深く語ることはすなわち全ての真実を語ることに繋がる」
    →ひとつを極めれば、各分野のトップと仲良くなれるのはこれが理由。

    「自分の不器用な生をめいいっぱい喜んでいた」
    →幸せは主観。その人が才能を生かしきるのが一番大事。それを探しきれずに人生生きてる人が多すぎるのが悲しい限り。

    「幸福の形はひとつしかないが、不幸の形は幾通りもある。それは恋愛にも通じる。すると恋愛は実は不幸に似通ったものなのかもしれない」
    →でも答えがあるならどんだけ失敗しても掴み取りたい。だいたい正解って一個なんだ世のなか。夫婦の倦怠期って正解の中に含まれてるのかってのも微妙。

    「人を驚かせようという自意識が恥ずかしい」
    →打算は恥ずかしい。

  • 図書館で借りて読んだエッセイで、買って読み直したいと思ったのは、向田邦子とこの人だけ

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