パレード (新潮文庫)

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著者 : 川上弘美
制作 : 吉富 貴子 
  • 新潮社 (2007年9月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (86ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292366

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パレード (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 結局のところ、作者である川上さん自身もツキコさんとセンセイの事が大好きで、また逢いたくなってしまったのだな。。ツキコさんの少女時代の話に耳を傾けている先生の穏やかな横顔やふっくらとした大きな手が全てを包み込むような木漏れ日の初夏の午後。
    『センセイの鞄』もう一つの穏やかな時間。

  • 簡単な言葉で、確かなこころの震えを綴ることができるひとというのは存在していて、川上弘美がそうだということを確信した。雰囲気系の文章を敬遠していたふしがあったけれど、この非常に短いお話のなかに溢れ出る、真実味というか、ほんとうのことをきちんと書くというか、そういう創作にたいする誠意みたいなものがひしひしと感じられて、ああなんてきちんとした小説なんだろうと驚いた。これからはもっと心して川上弘美を読もうと思う。

  • あっという間に終わってしまった。

    手のひらにすっぽり入ってしまいそうなお話
    読んだことを内緒にしておきたいような、不思議なお話。

    センセイが温かくて、優しい。
    またセンセイに会えてよかった。

  • 『センセイの鞄』の番外編。


    センセイとツキコさんにまた会えた。
    ゆるゆる。好き好き。

    素麺が食べたくなる。
    薬味たっぷりで。


    この人の本のごはんは本当に美味しそう。
    いっつもお腹がへって困る。


    センセイみたいに
    食事を「楽しめる」人が大人なんだと思う。

  • 気分転換に、なんでもいいから、薄くて行間が広くて字の大きな本をと思って読みました。

    最初のそうめん食べる描写がとてもすてき。
    センセイに言われてツキコさんが話し出す、おそらく小学生のころの話だと思うけど、私にも記憶にある日常的な描写の中に、見える人にしか見えない非日常な不可思議の存在。
    タイトルのパレードは文中に確かに出てくるんだけど、天狗が何をしたのかまでは描かれない。ただ、天狗の心境は文中のヒントから推し量ることができる。その光を見てツキコさんが悲しい、きれいと表現するのがとても素敵だ。
    ゆう子ちゃんに天狗のことを話すきっかけのシーンが個人的にとても好きだ。ほっとした、というのが、残酷で、とても理解できるのがつらい。

    あと、教室に届く給食のにおいって懐かしいなと思いました。

  • センセイとツキコさんの、とある一日。
    かつての自分の記憶を、ふいに取り戻したかのような読後感。
    懐かしさと、もう戻らない時間への切なさが、広がる。

  • センセイとツキコさんの間に流れていた、生暖かいけれども乾いている風を思い出した。密接しているようで、風を通すくらいは離れている二人の距離。本作でツキコさんは、センセイに頼まれて昔の話をする。心に引っ掛かっている小学生時代のトゲと、それに呼応する不思議生物との話。子供の頃に苛まれた良心というのは大人になっても覚えているものである。それを無かったことにせずに、こうやって話すことが出来るツキコさんは素敵だと思った。そうめんも食べたくなるけど、もう冬間近。夏にもう一度読みたい。

  • 読むのが速い人ならば、おそらくは30分もかけずにさらりと読めてしまう。谷崎潤一郎賞受賞のヒット作『センセイの鞄』のアフターストーリーということらしいが、べつに本編を読んでいなくとも無理なく大体の流れは追える(とはいえ、後書きを見ると作者自身「既に終わった物語」の続きのストーリーという点にかなり思い入れを持って書いているようなので、彼女の思いを尊重するならもちろん前作は読んだ方がいいだろう)(個人的には、この番外編があまりに本編とは異なる雰囲気を帯びていると感じられたために、この作者自身のタイトルに対する愛着をいまいち腑に落ちて理解することができなかったのだけが残念だった。内容如何で言うなら、個人的にはこちらの番外編の方が好きである。が、そうした発言は必ずしも作者を喜ばせるものではないだろう)。
    登場人物は、お馴染みのツキコさんとセンセイ、そしてツキコさんの思い出語りの中にふつふつと浮かび上がってくる、子ども時代のおぼろな精霊たちの姿。

    開いた時は、とにかく「なんて素敵な絵本!」という印象の強い一冊で、文庫でこれだけの空気感を持った作品と出会えたことがとても貴重に感じられて嬉しかった。その点については、吉富貴子さんが手掛けたイラストの力が圧倒的である。
    物語も、あっさりとした口調の中に、いつもの川上的不思議ワールドが展開され、この世のものでない異形の精霊たち(ここでは天狗、あなぐま、砂かけババアなど)(作者は本当に土着の異形というものが好きだ)との交流を通じて、まだ幼かった時代のツキコさんの表象に満ちた世界認識が語られる。まるで神話と現実が呼応し合うような、その境界を越えたところにあるおぼろけなあり方。何が妙だとも定めず、何が正しいとも言わず、ツキコさんはある日突然自分につきまとい始めた二人のちいさな赤天狗たちとの生活を振り返る。
    ここで、自分にもかつてそういう憑き物の類があった、と幼いツキコさんの妄言(?)を退けず、二人の赤天狗たちの存在をさも当然のことのように受け入れる彼女の母に対して、それを「気味が悪い」と感じるか「そういうものなんだな」と納得するかでは、その後の読み方にだいぶ違いが生じてくるような気がする。自分は後者の方だったから、特に何の齟齬も感じずするすると最後まで飲み込めたけれど、こんなあり得ないお伽噺が、しかしいかにもそれらしい趣きで日常の中に埋没している様子を、読者に少しも不安を与えることなく消化させられるのは、やはりこの作者に特有の絶妙なバランス感覚がなしえる技なんだろう。そこで起きる出来事は不思議なことばかりなのに、突然ゆみこちゃんのハバ問題(これは「ハブにする」の方言?)とか、そういう現実の寂しい感傷が要所要所で差し挟まれてくるので、理解不能であるがゆえの不毛さをそこで読者は覚えずに済む。皮一枚、のぎりぎりのところで、この物語と個人的リアリティの間に、確かな関係性を築いてあることができるのだ。

  • センセイの鞄のセンセイにツキコさんが語る物語。
    よくわからなかったのが、解説を読んでますますわからなくなった。哲学的に解説してるんだけど、この解説でいいの?作品の良さを引き出していないような気がする。

  • 2016.5.11

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