ざらざら (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1987
感想 : 176
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292403

感想・レビュー・書評

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  • このひとの、書かれる、ぽんとまるっとそのままにフォローとか常識のオブラードとかなしにほうりだされてる肉欲とか、その反対にすっとしたうすい色気めいたものとか、さらにいっそうつきつめて乾燥しきった修行僧みたいな空気とか、そういう、かわいてるんだか湿ってるんだかよくわからない感じがいりまじってる、のが、すきなんだかそうでないんだかよくわからない感じで、でも、ずっと、読みつづけています。

  • いろんな恋愛関係が丁寧な情景描写によってエモい感じで表現されていた
    すばらしく巧みな文章だが、深みはあまり感じられなかった(理解力の欠如によるものかも)

  • なにげない、さりげない日常の中で、とりわけ大声を上げて叫ぶほどでもないけれど、やり過ごすこともできない.....そんな「ざらざらな気持ち」を集めた短編集です

  • ざらざらって言葉がぴったりの短編集だった。
    なんだが消化しきれず残る、ざらざらがどのお話にも描かれていた。決して、でこぼことか、ガサガサとかじゃない。不快でもないけど、心地よくもない、なんか気になる…。

    「大人な恋愛」って感じのものが多かった。
    他の作家さんの書く大人な恋愛は、私がまだ幼いせいか、少し引いてしまうんだけど、この短編の恋愛は、不思議と嫌悪感を抱くことがなかった。不思議。

    川上弘美さんの作品の登場人物あるあるだけど、みんな、どこか俯瞰的に見ていて、淡々としているのがたまらなく好き。どこか遠いところから自分を見てて、駄目な自分のことも、十分に理解している感じ。

    一番好きなのは『菊ちゃんのおむすび』だった。
    こういう関係性って、いいよね。

  • p.33
    少し、わたしは菊ちゃんのことが好きだったのだ。五つほど、とししたの男の子である菊ちゃんは、菊名という駅の近くに住んでいた。だから、菊ちゃん。本名は、まったく「菊」とは関係がない。

  • 読んだのは2度目。
    もう全然内容は覚えていなかったんだけど、とてもとても今の心にぐっとくる。
    大好きな本になった。

    いてもいられない状態なんてそんなに長く続かないから大丈夫。
    みたいなことが書いてあって、本当にその通りだなと思う。
    早くこのざわざわした気持ちが去ればいいのにと思う時、この言葉を呪文のように唱えてします。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/682396

  • 若い女性が内心考えている(と想像させるような)話がたくさん収録されていて、男性の私は読んでいてドキドキしてしまった。

  • 今の世の中で言ったら怒られるだろうけれど、30代男、ストレートの私が読むとつくづく女性ってのは強かだし、生物学上同じ人で、生活様式ぐ同じだけで、異世界の住人だと感じてしまう。男には書けないってあえていいたくなる。登場人物は皆なにかしら泣いたり悩んだり…でもそれは本当の意味で落ち込まない為の儀式のように感じる。いい意味で都会の表面をうまく泳いでいるような文章に感じた。とにかく、泣こうが喚こうが、悩もうが悶々としようがとにかく強かな登場人物の女性たちに完敗。でも確かにこの小説のような雰囲気の女性はいたなぁ

  • 恋にまつわる23の掌編。
    雑誌「クウネル」にて掲載されていたためか、女性たちのライフスタイルがさり気なく演出されている。
    短いながらも、きっと彼女たちはこういう歩みできたんだろうなと何となく察せられました。
    「びんちょうまぐろ」のゆきちゃんにはゾッとしてしまったかな…。「卒業」が特に好き。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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