ざらざら (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1987
感想 : 176
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292403

感想・レビュー・書評

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  • 2021.11.13

    一つの話が短くて、内容もさらっとしているように思った。
    重すぎなくて、軽すぎなくて、心地よい感じ。

    いろんな種類の恋の話、恋って色んな感情の幅の広さがあるんだなって勉強になる。

    「寂しいな」「笹の葉さらさら」などが印象に残った。

    今度読むときは、一つ一つの話の終わり方にもう少し余韻を感じて読めるといいな

  • 一編、10ページ程の短編集。
    地球に住まう誰かのお話です。

    「夏の奈良、という言葉にちょっと嬉しくなって
     あたしも旅支度を始めた。」
    「エアコンの強くきいた店内に入ると、汗が急に引
     いた。汗は引いたが、反対に外の暑さがどっとま
     とめてやってくる感じだ。」
              ※『ラジオの夏(p9〜p17)』

    あれ。私も恋人も一緒に夏の奈良に行って「鹿くせぇ」と言ったことある気がするぞ。


    「黒田課長の性器を思い出そうとしたが、どうして
     もうまくゆかなかった。忘れたのではなく、望遠
     鏡を逆さから覗くような感じで、黒田課長のこと
     がものすごく遠く非現実的にしか思えないの
     だ。」
           ※『びんちょうまぐろ(p18〜p25)

    黒田課長の性器は思い出せないけど、なんか愛しいような感じのものじゃなかったろうか。


    「深刻ぶるのってヘボいよ、アン子。」
            ※『山羊のいる草原(p77〜p85)

    へぇ。すみません。


    いつの間にか私のお話になっています。
    日常の場面でも、非日常の場面でも、そこに登場する人の感情の流れや起伏に無理がなく、身に覚えがあるからかもしれません。

    嬉しいことに、今紹介した文章は全て本の前半に載っているものです。
    ガッタンゴットン、まだまだ私の話は続いていきます

  • すすむくんの話とお兄ちゃんがホストになった話が印象的でした。後半読み続けるにつれ面白い短編が続いた気がします。

  • 23の短編そのどれもが少し寂しい終わり方をする。狭義の恋愛話ばかりではないけれど、どれも誰かに愛着を持つ話。中で印象に残ったのは「トリスを飲んで」「パステル」「草色の便箋、草色の封筒」。一番好きな登場人物は修三ちゃんかな。

  • 23の、恋や愛についての短編集。
    彼女の文章で書かれる小説は読後感がとても気持ち良い。
    個人的には「同行二人」「笹の葉さらさら」が心に突き刺さった。

  • 短編集。主人公ごとに性格の特徴があって、おもしろい。色々な恋に対する考え方がある。勉強になります。

  • 切ない

  • 「ハヅキさんのこと」と同じような短編集。
    同じように面白かった。

  • 川上弘美には冬が似合う気がする。からりと乾いた感じが、何となく。
    川上ワールドの女性達は、没個性な印象を強く受けるのに、何故かみんな魅力的です。短編集だと、そんなチャーミングなヒロインに沢山会えるから、一冊で何粒も美味しい。

    ほんの10ページ前後で描かれるのは、彼女達の人生どころか、本当に些細な日常のワンシーンのそのまた一部。
    なのに、読んでいる瞬間、強烈に彼女達の人生の淵に立って体感してる感覚を得られるのも心地良いのです。

  • なにげないけど、好きな感触

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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