どこから行っても遠い町 (新潮文庫)

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著者 : 川上弘美
  • 新潮社 (2011年8月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292410

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どこから行っても遠い町 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 小さな町の商店街を中心に、その町で暮らす人々の心の内を綴った連作集だった。

    これと言って心を打たれるものもなく
    これと言って心に残る作品もなく・・・。

    なんかスッキリしない、靄がかかったような読後感だった。作者はこの作品で何を伝えたかったのか・・・・。
    私には読み取ることが出来なかった。

  • 誰かにとってはひと時の人でも、その人それぞれに違う人生があって、たくさんを背負いながら生きている。ひとつの街に生きている、生きてきた人々をそれぞれの視点から語ってゆく。どう繋がって、関わって、時代が変わって、生死の世界が変わって、どこからの視点でも彼らは彼ら自身を考えている。生きるとは、静かに考えてみて、がむしゃらじゃなく、どこかに足を踏み入れているような感覚と、泣きたくなるような感覚。わりとわかりやすい表現と、展開と、話構成で読みやすいですよ。

  • 読み終わるまで少し時間がかかった。

    善いとか悪いとか関係なしに、ただそこに在る。そこに、漂っている。
    それを肯定も否定もせずに、ただ見つめるということ。

  • 途中で読むのをあきらめた。

    私と川上さんは合わないのかも・・・。

  • ぼんやり。だらだら。淡々。平ら。すかすか。
    こんな印象。悪くはないけど、なんだかなあ、という。ぼけーっと読んで終わる感じが求めているものとは違う気がしてきた。この作家の本は2冊目だけどもう次はないかな。

    登場人物が実年齢より若く見える。言動が稚拙というか、子供も大人も全員おんなじ歳って感じ。

    『小屋のある屋上』
    「〜かしらん。」という言い回しに鳥肌が立った。一番合わない主人公。

    『長い夜の紅茶』
    嫁と姑。旦那より姑の方に先に心を動かされて好意を持ってるのがおもしろかった。
    自分がない人とズケズケ物を言う人との相性は良い。

    『濡れたおんなの慕情』
    「坂田って、家庭内セックスが好き?」「森園あけみ」「おまえ、おれの恋人なんだって」「ああ、もう」
    森園あけみの問いが実現しそうだな。
    結局金を持ち逃げされていやまあわかってたけどねとやれやれエンドじゃなくてよかった。
    東大中退する人って実際いるんだろうけど、意地でもしがみつく側の人種からするとそれでいいのかといいたくなる。

    『貝殻のある飾り窓』
    「長い夜の〜」もそうだけど、おばあさんとおばさんのやり取りと距離間がいい感じだ。
    一緒に暮らせばよかったのにと思ったが、一緒に暮らすにしろ別れるにしろ違う自分になれる点は変わらず、別れた方が自立できる。

    『どこから行っても遠い町』
    表題作だから期待したら無気力不倫男がぼお…っとしてるだけだった。『誰もおれを罰してくれない。おれがおれを罰することしかできない』罰するも何もこいつの罪と言えば不倫だろうけど、特に波風立ててないし、そんな大層な罪なんてないのに何を浸ってるんだ。

    何作か読み飛ばしたけど、上記は一応読んだ。

  • ほの暗くてせつないお話し。

  • 学生の頃好きだった川上弘美さんの小説を久々に。 

    この作品は、ある町を舞台にした連作短編小説だ。でも内容は、ヒューマンドラマでもなく、群像劇でもない。

    物語の中にはひとつも答えのようなものは書かれていなくて、ただ登場人物達がそれぞれの人生でゆらゆらと揺れている様が描かれていた。私は、一話一話、読み終えるごとに、まるで空中に放り出されたような気分になったのだった。

    今ふと思ったのだけれど、各話に共通しているものって「割り切れなさ」だったのかな。

    相変わらず川上弘美さんの文体は綺麗だ。言葉も洗練されていて、目に美しい。
    でも、こういう鬱々とする作品は、今の私にはちょっとつらい。

  • 言葉というものを完全に自分のものとし、時に、崩すことで遊びを入れる。それが川上弘美らしさを生んで、独特の世界観をもたらしている。変わった名前、美味しそうな食事、ズケズケしているが憎めない女性像。

    この世界観が好きで、この世界観を期待して読んだのだが、期待通り。小説の中身には、触れませんが。

  • 川上マジックともいうべき言葉の数々。
    やわらかくて、それでいてぞっとするほどの冷たさや恐さも同時に孕んでいる。言葉のまとう空気がすぐそばに感じられる。

    「水の中に沈んで、それでね」お母さんは静かに説明する。
    「ゆっくり水をふくんでいって。しみとおっていって、でも最後にはね」
    「最後に?」
    「ふくみすぎちゃって、かなしくなるような、そんなふうな感じ、かしら」
    ー夕つかたの水

    「あたし、ほんとに、廉ちゃんのこと、好きだったのよ」
    ー四度目の浪花節



    ー未来からやってくる「ああして、こうしないと手遅れになる、ほらほら」と尻を叩く声が、どんどん小さく静まってゆくからです。生きることとは、どんな匂いがし、どんな手ざわりで、どんな持ち重りがするものなのか。未来にそなえて「いま」をぎゅうぎゅうに絞り続けているうちに、からからに乾いて、はかないほど軽く固くなってしまった自分という名のタオルに、「いま」の水をたっぷり吸わせたらどうなるか。硬かったものがどんどん柔らかくなり、重たくなって、かたちは自由で不定形なものに、不確かな者になる。
    ー生きていくということはどうやっても、不安に充ち満ちたものなのです。だからこそ、時おり舞い降りる喜びが深くなる。
    解説 松家仁之

    カバー装画:谷内六郎
    2011年 新潮文庫

  • 渉が穏当な父親ではない、ということに、僕は小学校に入る前から、うすうす気づいていた。(p.38)

  • 同じ町に住んでいる複数人の小説。なんでもない話だけど面白く仕上げてるのはさすが

  • 舞台は東京の小さな町。商店街の様々なお店の人々、そこに暮らす人々はそれぞれ淡くつながっていて、何食わぬ顔をして暮らしているけれどそれぞれ色んな過去や思いを抱えながら生きている。
    そんな淡いつながりを連作で描いた短編集。

    平凡な人生って何だろう、と考える。
    端から見れば平凡で穏やかに暮らしているように見える人でも、実は他人からは見えない何かを抱えて生きているかも知れないし、「あの人は恵まれているよね」と噂されるような誰かにも、もしかしたら計り知れない苦悩があるかもしれない。
    実際毎日色んな人と会話をしていると、じっくり話してみて初めて分かることは山ほどある。イメージや思い込みとは全然違った、ということも日常茶飯事だ。

    この小説はまさしく、端から見れば“普通の人”である登場人物たちに、一人ずつスポットを当てて描いていて、そこには平凡な人生なんて言うものはひとつもない、という風に思わされる。
    核には“男と女”という厄介なものがあって(私はそう感じた)一旦がんじがらめになった果てに他人からすれば理解できないような形に収まった人もいたりして、しかしそれさえも「さもありなん」なんて思ってしまう。

    川上弘美さんの小説は、根底がとても静謐だ、といつも思う。
    どろどろした関係性を描いていても、どこか静かで、諦めのようなものが漂っている気がする。

    一番印象的だったのは「貝殻のある飾り窓」
    雨のしずくの写真を撮るのが趣味である20代のユキと、ロマンという謎のお店(たこ焼き屋?)に勤めるあけみという中年女性のお話。
    あけみはちょくちょく登場するのだけど、何だか妙に気になる脇役的な感じで好き。

    他人の噂って生きていればしょっちゅう聞くしうまく避けなければ自分も加担してしまうものだけれど、自分だってどこかでその“他人の噂”の的になっていることがあるはず。ひっそり暮らしていても、人と人はどこかで必ずつながっているから。
    その“他人の噂”のなかには、どれくらいの真実が潜んでいるのか。
    そんなことを思った、淡い空気の短編集。

  • 11話から成る短編集。
    最終話が一番川上弘美っぽさが出た文章で、ふわふわして読みづらい(誉め言葉)。それまでの話は最終話の死生感を書くための長い前振りだったとわかる。前振りがあって初めて成り立つんだけど、まー長かった。退屈な話が延々と続いて、苦行だった。後書きにも書いてあるとおり、読了してからもう一度読みたくなる構成なんだけど、ちょっとその気力はないわ。
    全体的に湿っぽい。

  • ある町を舞台にした連作短編集。ひとつの町で、それぞれの人々はみんな脇役だけど、芯の通った人生がある。人が多面的であるように、言葉の意味も多彩だ。読み進めていくうちに、人物のいろんな面が別々の話で描かれていて頭の中で世界が広がっていく楽しさ。ある人物の言葉と別の人物の言葉が同じでも、ぜんぜん違った響きをもっていて、言葉の広がりを感じたり。小説を読むのは楽しい。

  • 川上弘美の世界観が読みたくなって手に取りました。
    全ての短編が少し前の時代の商店街の人の平凡そうで平凡でない人生を淡々と綴る。
    全部の短編が繋がっていたことでまたいつか読み返そうと思う。

  • 人はみんな平凡で、特別な人なんていなくて、ちょっとだけ人とちがうところもあって、それでもやっぱり平凡で。
    だけどそんな平凡さは、実はとても淡くて儚い。
    http://matsuri7.blog123.fc2.com/blog-entry-193.html

  • もやもやを家事にぶつけるタイプの男子高校生の話、ものすごく善良な感じがしてとてもよかった

  • 昭和の町の横丁に住む人たちを一人ひとりオムニバス形式で綴りながら、それぞれの人の恋や愛を遠くから眺める 的ななんとも言いようのない、ふわっとした感覚の小説。
    図書館でなければきっと手にしなかった、川上弘美という覚えのない作家だったが、気に入った。

    どこから行っても遠い町
    川上 弘美
    新潮文庫
    ISBN978-4-10-129241-0
    514円 (図書館)

  • いろいろなことなど見たくない。でもみなければ生きてすらゆけない。そのことを残念ながらいつしかしるようになっていた。ここまでいきてくるあいだに。

    抜き出し↓
    怒りを発散しようと僕は窓拭きをはじめた。家じゅうの窓を拭き終わってもまだ力が余っていたので 床のワックスがけもした。それでも足りなかったのでありったけの鍋の底をみがいた。

    大きくなると 自然にいろいろなことがわかってしまう。めんどくさいなぁ と ときどきあたしはおもう。でもしようがない。時間はたつ。あたしは成長する。あたしの目には映らなかったものが映るようになる。そして反対に映っていたものがうつらなくなる。

  • とってもよかった。
    川上弘美のあたたかさは健在。
    切ないと美しいとあたたかいをどこか醒めた目線で語る彼女の文体はとてもとても好きだ。
    いくつもお気に入りのいいまわしに付箋を残した。

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どこから行っても遠い町 (新潮文庫)の作品紹介

捨てたものではなかったです、あたしの人生-。男二人が奇妙な仲のよさで同居する魚屋の話、真夜中に差し向かいで紅茶をのむ主婦と姑、両親の不仲をみつめる小学生、そして裸足で男のもとへ駆けていった女…。それぞれの人生はゆるくつながり、わずかにかたちをかえながら、ふたたび続いていく。東京の小さな町を舞台に、平凡な日々の豊かさとあやうさを映し出す連作短篇小説。

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