どこから行っても遠い町 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292410

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  • どこにでもありそうな、東京の商店街の人々の物語。近くて遠い街のお話。

  • 「町の名のついた手打ちうどん」(p.128) って M うどん?
    どこにでもありそうなほど、街の景色顔ぶれが目に浮かぶ。それは住まいが都下だからかもしれないが。アップらしいアップがあるわけでもないし、ダウンらしいダウンがあるわけでもない。でも、平凡な日常なんて大概はそんなものだろうけど。

  • 少しづつ繋がって、その町の住人に仲間入りしたような、してないような

  • はじめて読む川上弘美さんの小説。少し気を抜くと、ホロホロと溶けていきそうな文章。
    それなのに、登場人物達は自由でヒョウヒョウと好きな場所目指して動いて行ってしまうから読んでいて不思議だった。居ないけど居そうな登場人物達。川上弘美さんは人間をよく観察しているんじゃないかな?と思った。
    この小説の空気感は理解するとか共感するってことではないんだろうなー。時々ふした時に思い出しそうな短編集だった。

  • 多分初めて買った川上弘美の作品。お魚たべたくなる

  • 読み終わってから登場人物の相関図を書きたくなった。占い師になった話と、板前さんの話が印象に残った。

  • これはタイトルが猛烈に好きで中身も知らずに買った本。東京のどこかの町の、商店街を中心とした11の連作短編集だった。読む前から絶対に好きだと分かっていたけれど、最後まで読んでみてやはり大好きだった。
    ただ続いていく日常と積み重なっていく過去。この町で働く人、買い物に訪れる人、住居としている人。主人公が代わっていっても一様に温度の低さが心地よく、誰も無理をしていないように見える。
    この町の人々は、自分の心と孤独に向き合い、隣人に心をさらけ出したり隠してみたり、付かず離れず生きている。どこにでもいそうだけれどここにしかない、はかない繋がりがあって、それがどうしようもなく心を惹きつける。
    特に忘れられないのは「長い夜の紅茶」。姑の弥生さんの一言一言にドキッとさせられる。男にも家にも、どこにも縛られていない彼女の自由な瞳を見てみたい。どんな眼をしているんだろうとふと思うのだ。きっと眼がすべてを語っているんじゃないだろうか。
    女の友情を超えた関係性が生まれる「貝殻のある飾り窓」も切なくて好きだった。
    共感できることはほとんど無いのに、この本に出てくる人たちのことを、誰一人嫌いになれない。どれもこれも、分かりそうで分からない。人間の魅力ってそこにあるのかもしれないと思えてくる。

  • 一つの街で起きていること。ぬるっと時は過ぎて終わっていくんだなと感じれる。

    『年をとるって自分の今までの人生がどっと自分にふりかかってくるってこと』

  • 近所ですれ違う、名前も話したこともない人たちの人生や考え方の想像が膨らむ。「あけみ」に最も感情移入した。

  • ある街に住む10人くらいの人の日常や人生について書かれた短編小説。

    他人のプライベートを覗き見している感じで面白いなって思う。特に恋愛とかエッチとかの話がね。

    角田光代が影響を受けたとと言っていつしかの取材で紹介していた小説家っていうことで読んでみた小説だけど、さすがに角田光代のおすすめだねって思った。作風が少し似ているなって。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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