パスタマシーンの幽霊 (新潮文庫)

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著者 : 川上弘美
  • 新潮社 (2013年5月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101292427

パスタマシーンの幽霊 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • なんとまぁ
    贅沢な短編集だこと。

    やっぱ川上弘美好きやわぁ〜♪


    美しく官能的な文体が織りなす
    切なくも心地良い世界観、

    あの独特な言い回し、

    そして川上さんお得意の
    物語を彩り
    主人公たちの心情に寄り添う
    たくさんの料理や食べ物の描写の素晴らしいこと。

    久々にハズレのない短編集に
    何度も読み返してしまったなぁ(^O^)
    (この一遍の短さで
    この味わい深さと完成度の高さは
    もはや職人技!)


    個人的に気に入った話を挙げると、

    『古道具 中野商店』のヒトミさんとタケオのじれったい恋を思い出した
    「銀の指輪」、

    親の再婚に揺れる
    中学生のリアルな心情と
    クロスワードパズルを組み合わせた構成が見事な
    心に残る一遍
    「すき・きらい・らーめん」、

    料理下手な女の葛藤と
    ばあちゃん幽霊との出会いを描いたユニークな表題作
    「パスタマシーンの幽霊」、

    人を好きになる不思議を
    思春期の淡い恋心と併せて教えてくれる
    「ほねとたね」、

    コロボックルの男性に恋した奥手な女性の
    揺れ動く心情を綴った
    「ナツツバキ」、

    オカマの修三ちゃんと
    ダメな男を忘れられないアン子との
    性別を越えた絆の話
    「修三ちゃんの黒豆」、

    コロボックルが再び登場し
    一人ぼっちの中年女性との心の触れ合いを描く
    「庭のくちぶえ」、

    甘ざみしくて物憂い片思いと
    おむすびに込められた恋情が切ない
    「少し曇った朝」が
    オススメ。


    しかし恋とは
    なんて報われないものなんだろ。

    それでも人は恋に落ちるし、
    誰かとの明日を夢に見る。


    映像喚起力の高い
    それぞれの話を読んでると
    村下孝蔵の「初恋」や
    オリジナル・ラヴの「プライマル」や
    YOSHII LOVINSONの「CALL ME」や
    山崎まさよしの「振り向かない」などの名曲が
    脳内再生されて流れてゆく。
    (さてどれがどの話でしょう笑)


    切なくて可笑しくて
    シュールでいて
    読む者に小さな勇気を与えてくれる一冊!


    しかし、コロボックルと人間の女性との恋の行方が無性に気になるし、

    バターとお醤油とケチャップが
    三位一体となった
    ケチャップごはんの威力には
    胃袋掴まれましたよ(笑)(>_<)
    (いつか川上作品の料理本出ないかな〜)

  • 川上さんの本を開くといつも、同じ活字なのに、活字を見ただけで、あっ川上さんだって思ってしまう。
    「ざらざら」の続編。
    不器用でどうしようもない、女という厄介な生き物について書かれている。
    厄介だけど、恋するって幸せなんだよね。

    修三ちゃんとアン子と中林さんの登場する長編が読みたくなってしまった。
    あと、コロボックルの山口さんも。

  • このお話が好き、こっちがいちばん、

    と心でしるしをつけながらひとつひとつ読み進めたら、

    最後にはいちばんがなくなってしまった。

    ひとつ読むと、それがいちばんになる。

    そして、左手で挟むページが薄くなってくると

    かなしくて、

    あとひとつ?まだある?と、

    そわそわした。


    読んでしまうのが勿体ない。

    けど、もっと欲しい。まだまだ食べたい。

    だから、川上さんの短いお話はだいすきなのだ。

  • いくつかの短編は、ドキドキするほど自分のことが書いてある…と思い、
    自分のこの恋も、もしかしてこの小説の登場人物たちみたいに終わっちゃったりするのかなとか、
    本気で心配しちゃうくらい、気持ちの中で重なるところが大きくて、
    小説は小説なんだろうけど、どうにも繊細にあたしの胸をついてくるものだから、
    読みやすいんだけど、数編読むと疲れて先に進めないのでした。

    今はいくつかの短編にビビっと反応して、
    きっとまた違う恋をしたら違う短編にビビっと反応して。

    川上弘美さん、もてるんだろうな。
    良い恋も悪い恋も、たくさんして来たに違いない。
    良い恋も悪い恋も、どれもたぶん良い恋なんだ。

  • まったりしてるのにどこか物悲しいところが好きだな、と思った短編集。
    いや、超短編集。

    パスタを作るおばあちゃんの幽霊が出てくる表題作もとても可愛らしくて好きだけど、私は小人のヤマグチさんが出てくるお話が好きだった。
    忘れたころにまたヤマグチさんの短編がやってくるところも何か嬉しい。そういうつくりだった。

    可愛くて笑ったり、ちょっとほろっとしたり、切なくなったり。
    そしてそこにはいつも男女がいる。様々なかたちで。

    多くは語れないけど大好きな世界観。

  • 読んでいてすごく心がザワザワした。

    道明寺ふたつ、やっとこ、きんたま、富士山が好き。
    この本の中では言葉にできて的確なものは言葉にするししないものはしない。と言葉できない感情をそのまま時々差し出されるような。
    それが心をざわつかせるのか。
    好きになった瞬間の言語化は特に難しい、反面別れたこと、原因を言葉にするのは易いよう・・・で易くない自分の倫理と感情が反するような。
    うまくいった話も、行かなかった話もどこかしんとひとりごちたよう、個人の感覚的で人は1人と思わせられる悲しさも感じた。
    感想を考えるうちに思い出と混同してチクチクしてきたから締めたい。
    「今」から離れた時にもう一度読みたい。

  • クウネルでの連載をまとめた2作品目だということは解説にて知ったが、オトナの女性が読んだらきっと胸がつかえるような、繊細な物語たち。
    川上弘美が紡ぐ言葉が本当に好き。この人はなんて綺麗な言葉を編むのだろう。
    流れるような日本語の甘く脆く緩やかな様にいちいち胸がきゅっ、となる。
    少女も会社勤めするOLもお婆さんも、女性が抱く繊細な感情は大して変わりないのかもしれないなーなんて思うと、私もずっとこのままなのかなあ、と何だか不安な気持ちになる。同時に、このままでもいいかな、とも思う。

  • 「柔らかいしわなしの黒豆は、長時間かけてゆっくりお砂糖をしみこませてゆっくり冷まして段階ふんで作るけど、しわしわの黒豆は砂糖なしでゆでたあとどばっといっぺんに砂糖を入れてばりばりにしわを入れるのである。どば。ばりばり。アン子そのものだな。修三」
    (修三ちゃんの黒豆)

  • 短編集。
    最近気づいたんだけど、わたしは川上弘美の本をつい買って読んでしまう。無自覚的なファン状態なのだと思う。

  • 短編集。世界観すき。マーブルな感じ。

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パスタマシーンの幽霊 (新潮文庫)の作品紹介

恋をしたとき、女の準備は千差万別。海の穴に住む女は、男をすりつぶす丈夫な奥歯を磨き、OLの誠子さんは、コロボックルの山口さんを隠すせんべいの空き箱を用意する。おかまの修三ちゃんに叱られ通しのだめなアン子は、ふたまた男の誘いの電話にうっかり喜ばない強い心を忘れぬように。掌小説集『ざらざら』からさらに。女たちが足をとられた恋の深みの居心地を描く22の情景。

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