春燈 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (643ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101293059

感想・レビュー・書評

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  • 櫂を読んでからずっと読もうと思っていた作品。
    綾子の少女期の物語、とても活き活きと綾子が描かれていて、違う目線で読むと綾子の傲慢さが鼻につくのかもしれないが、私はとても魅力的に惹きつけられました。岩伍とのやり取りも、私には何故か微笑ましく感じられました、きっと著者の思いが文脈に表れているからだと思ったりしました。

  • 櫂的續作,朱夏時間點似乎寫在這本之前,但這本其實是銜接櫂跟朱夏。作者說,自己一直在寫他人,所以很公平的也把自己剖開給讀者看,她寫這本自傳型的小說,有很多懺悔,反省,跟掙扎。但純以讀者角度的文學性而言,櫂絕對是一部傑作(寫到綾子被父親帶走),春燈就是綾子(作者)角度寫自己人生,比較像記錄型的斷片,主角是很難讓人有移入感的屁孩,整體還是要之後讀完後續才能定論。只不過,雖然主角不討喜,筆力仍在,只要拿上這本書,依然會害人不想出門想先看完,跟櫂一樣。

    部作品從學生時代,寫到去高知山間當助教(代理老師),被求婚,之後應該就是朱夏的渡滿了。坦白說綾子是一個被寵壞的旁若無人的屁孩,讀這本完全可以理解為何岩伍說不能讓喜和繼續教育綾子了,綾子完全被寵成一個任性且(因為過保護)身體很脆弱的小孩,而且因為被寵上天,所以常常目中無人,對傷害他人其實也相當無感殘忍。讀這本書的時候實在很難喜歡她,裡面講到兄嫂小夜子故意跟她說要把她賣去當藝妓時她的恐懼(雖然曾經跟仕込み子住在一起,其實心裡應該完全是瞧不起這些人),一入住父親那裏就馬上把讓跟恒子兄妹轟到其他房間自己占領八疊完全用使用人的眼光看人家(但岩伍也沒要導正她的意思),讓這段兄妹在自己家裡每天都過著卑屈的生活,一切旁若無人的態度都實在令人很受不了。接著是綾子雖然因為喜和的事情對父親很敵對這可以諒解,但是人生中所有不順都推到父親頭上,對父親和家裡的職業總帶著一種怨恨與悲憤(但從來沒有意識到自己過得這麼有錢與舒服,使用人圍繞在身邊是為何而來),沒考上第一高女就覺得是父親職業害的,父親利用關係讓才讓他進師範的預備科,後來又去高坂高女等等,然後又不願意去花嫁稽古,後來一心一意又想去東京被反對,就說出要父親讓自己去滿州宮下那邊當養女(宮下在那邊經營妓院),只是因為宮下對她很好云云(那你對生家的自卑是??講出這段話我是讀者我都想海扁她一頓了),最後甚至好像是自己要起飛做主跑到高知山間部當助教(和規子的友情還是很令人感動,一定是規子帶領她的),其實還是再利用父親的人脈跟資源,昭和十九年還可以每天跟人家伸手要牛肉跟蛋(然後一邊怨恨父親),其實完全沒有任何獨立的想法(每個月月薪很低只有二十四元,車錢一趟十元還每周回家是??)。三好老師來跟她求婚,綾子就馬上認定這是一個脫離自己生家的天賜良機,一心一意想要趕快結婚,雖然不知道接下來的故事發展,但應該可以猜想是這裡暗示的,似乎沒那麼順遂吧?不過也就差那麼一點,綾子就去中野正剛家被染指了。

    比起屁孩的人生,反而故事裡面一點一滴地可以看到櫂裡面兇猛的暴君岩伍漸漸地邁入老年,然後其實寵女兒不下喜和(所以給他教應該也差不多),櫂裡面賣個關子岩伍把女兒拖到樓上,並不是打罵而其實是對女兒低頭拜託,而故事裡面可以看到他其實不斷對綾子退讓、包容的痕跡,在最後,以前定下那些林林總總的負責規矩,結果大年初一自己率先完全不遵守跑去釣魚(戰爭期間食物配給也不足),雖然可以說戰時也是異常,但比起屁孩,他一路衰老的痕跡,反而更讓人在意,嘆息。

  • 【懺悔】私は『櫂』を読まずに先に春燈を読みました

    本屋さんでポケーーーーっと文庫コーナーを眺めてて、
    「『寒椿』が良かったから他のも読んでみようかな」
    と思って読んだ。
    『櫂』の続編だったのか。

    600ページ超えてるけどペロッと読んでしまった。
    面白かった。

    芸妓娼妓紹介業を営む家に生まれた綾子ちゃんの話だけど、
    芸妓娼妓の話はまったくメインではないのでほぼ出て来ない。
    全編にわたって綾子ちゃんの受験とか学校生活とか就職とか結婚の話。
    時代が違っても受験生の思うことは同じだな~と思った。
    周囲の環境は違うけど。

    作者の、
    「裕福な家に生まれ育った、頭が良いが我が儘で理屈っぽい娘」
    の解像度が高すぎる。

    『櫂』は喜和が主人公の話なんですね。
    道理で今作『春燈』で喜和が出てきた時に
    「みなさん喜和のことは当然ご存知だと思います。あの喜和です」
    みたいな登場の仕方したと思ったよ。

  • 「櫂」に感動し、その流れで綾子のその後が知りたくて手に取った一冊。長々と感想を書いたのに‥一夜経つと全部消えてしまった( ; ; )
     また書く気はないが、要するに「櫂」ほどわくわくするほどの花街の情景が描かれているわけではなく、ちょっとがっかり、といったところ。
     大嫌いなお父さんと、大嫌いなお父さんの家業から逃げ出したくて、反抗心から代用教師になったり、17歳にして結婚を決めたりと、反骨心旺盛なんだけど、お嬢さんとして育ったせいか、なにかと上から目線で人を見たり、嫌がってる割には父親の力の恩恵をたっぷり被ったりしてなんとなく中途半端で、そこが可愛い綾子ちゃんでした。

  • 櫂の時は読むと気持ちが沈み沼にはまった感じがしたが春燈は綾子の性格に心救われ、自由奔放でワガママだけど厳格な父親の元で暮らしていたからか見下すような言動は感じられない。
    これから綾子は結婚するがどう成長するのか楽しみ。

  • 同じ事柄に対して、母親と子の受け取り方が違う

  • 楷から続く、綾子目線での物語。
    楷では喜和目線での半生が描かれていたが、春燈では綾子の幼年期から19歳までの出来事が描かれている。
    喜和や綾子が自分自身に重なるところも多く、"物事をよく理解しないまま"深く考えずに何か大事な一歩を踏み出している、というのはグサリと自分の胸に突き刺さる。対抗心から意地になりやすいところも、負けん気が強いところも、目を覆いたくなることがしばしば。

  • 20180712〜 21,著者の自伝的小説。三部作の真ん中から読んでしまったが、この主人公にはちっとも共感できないのと娘をこんな風に育てたらいけんな、と思った。『櫂』『朱夏』『仁淀川』も読もうかなあ。

  • 読んで損はなし。

  • いよいよ、綾子ワールドに夢中に。

    500ページ強読み切っても、まだまだ10代という恐ろしさ。
    この綾子の性格も、喜和の悪影響があって、と
    やはり喜和にいらいらする私であった

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著者プロフィール

1926年高知県生まれ。『櫂』で太宰治賞、『寒椿』で女流文学賞、『一絃の琴』で直木賞、『序の舞』で吉川英治文学賞受賞。おもな著作に『陽暉楼』『錦』など。2014年没。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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