思い出トランプ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101294025

感想・レビュー・書評

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  • 斎藤孝 読書の全技術

  • 短編で読みやすかった。
    エッセイのほうが好きかな。

  •  背信・不義・嫉妬…。人間の心の闇をまるで「こんなことよくあること」とでもいうかのように浮き彫りにして描いていく。この短編集を読み進むにつれ、救いようのない不快感でいっぱいになった。
     と同時に、今の自分の境遇が「まだましかな」と思えてもくる。心の闇に飲み込まれないよう、白い心でいよう、との思いを新たにした。

  • ジャンルで言えばホラーですか。
    恐ろしい。気付いてしまったら最後、聞けない分、怖さは引きずるわけで。
    いやぁ、面白いねぇ。
    「あ、うん」に続き2冊目の向田邦子。
    ゆっくり読んでいけたらいいね。

    日本語学校バザー ¢10

  • はじめて向田邦子作品を読んだ。

    切り取る情景を
    短く、鋭く、かといって柔らかい言葉を選んで描く。
    だから何となく恐かった。

    何年後かに読み返すと、また違った印象を抱けるんじゃないかとおもう本。

  • 情景の書き方がとてもよかった
    内容に変化がもう少しほしかった

  • 向田邦子の書く文章は、しんどい。
    敢えてしんどい、と表現するがこれは決して貶してもいないし、嫌悪や苦手からくるものでもない。
    特に女性が主人公のときだが、彼女らの一挙一動、電話をしながら弄る手の動きひとつで微細な気持ちの揺れが描かれている。どれも大仰なものではなく、風が吹いたときの水面のような揺れが、丹念にしかも巧妙に描かれている。
    その揺れが、祖母の家の箪笥の匂いようでしんどくなる。上納臭いのかな。

  • 昭和55~56年に書かれた短編集。少しノスタルジーを感じました。

    「男眉」の妹が使用した個室のお手洗いを夫がすぐ使用する、というエピソード
    江國香織さんの読書エッセイに夫婦で使用後のお手洗いをすぐ使う、という
    作品が取り上げられてたような気がする。こういうことって物語の
    題材になるんだな。。

    あと他の作品に出てたじゃがいもの芽はよくある。

  • むんぐ,という感じで頭と胸にくる。
    体調のいい時に読むべきだと思った。

  •  寝てもいいんだけどね。
     ちょっといろんなことがあって寝れなくなってしまったのでポチポチ。
     明日も昼には京都に行かなきゃならんのにな。

     これは向田邦子さんの作品。
     この作者さんの本は、合宿で自動車の免許取った時に知り合った子が、貸してくれたのが始まり。
     その本とは別の本を、今度は自分で買って読んでみました。

     中身は短編集。
     なんだろう……この時期、乃南アサさんの短編集と同時に読んでたので、若干頭の中、混ざってるのとちょっと失礼ながら比べちゃったりもするのだけれど。
     こっちの方が、戦後の混乱期っていうのが微妙に話題の中に入ってくるせいか、生々しい。
     なんというか、これを書いている人の年齢にもよるんだと思うんだけど。
     恋愛のいろいろなことが、タブーになってない感じがします。
     例えば、不倫だってそう。
     新しい男を作って、裸になっていちゃつくのもそう。
    「それが人間としてやりたくなっては仕方がない」
     的な感じがして、あんまり罪悪感がない。

     別にそんなに分別臭いことを言うような気はしないんだけど、所詮、本の中の出来事だし。
     でも、それが呼吸できるように自分の中の倫理に反してないと言い切れるか? って聞かれると、返事はまた変わってくるなあ……って思います。
     このことを否定したいとは思わないんだけど、肯定したいとも思えない男女の話がたくさん書いてありました。
     ただ、「人間は失敗するものだ」と思えばもう少し優しい気持ちで読めるのかもしれませんが、逆を言えば、作者さんはそういう人間の醜さみたいなものをあからさまにしてるのかもしれない、と唐突に思ったりもしました。

     ちょっと生々しい短編小説を読みたい人にはオススメ。
     今風なオシャレ感はまったくないです。

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著者プロフィール

向田邦子(むこうだ・くにこ)
1929年、東京生まれ。脚本家、エッセイスト、小説家。実践女子専門学校国語科卒業後、記者を経て脚本の世界へ。代表作に「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」。1980年、「花の名前」などで第83回直木賞受賞。おもな著書に『父の詫び状』『思い出トランプ』『あ・うん』。1981年、飛行機事故で急逝。

「2021年 『向田邦子シナリオ集 昭和の人間ドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

向田邦子の作品

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