お家さん〈下〉 (新潮文庫)

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著者 : 玉岡かおる
  • 新潮社 (2010年9月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101296180

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お家さん〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 最後は若干駆歩感があったが
    1つの家の栄華から没落までを書ききった
    凄く良い作品だった。

    今でこそ鈴木の名前は残っていないが
    鈴木の一員だった会社は
    事業主を変えて
    生き残り社会を支え続けている。

    何でも神戸製鉄では社章は当時のままとか
    (今は変わったかも)

    経営者一族って
    社員の事なんて何一つ考えず
    やりたい放題しているイメージがあったが
    (実際我が社はそうだけど)
    明治・大正・昭和
    時代も変わり、戦争をくぐり抜け
    大震災を経験した当時は経営者も
    労働者もお国のために働いたんだろうなぁ~
    だから経済大国日本があると
    改めて考えさせられた。

  • 感想は「お家さん」上巻へ。

  • ワシントン海軍軍縮条約とか米騒動とか銀行破たんの不況の真っ只中を突き進み、そして倒産した鈴木商店をおかみの側から見ることで、その後戦争へと突き進む日本の困窮を鈴木商店を通して市民の生活の側から読むことが出来るのかな?と期待して読んだけれど、そういうコンセプトではなかった。でも、珠喜の恋、田川の半生などフィクションの部分が面白かったので楽しく読めた。

  • 様々なゴタゴタが落ち着き、鈴木商店も過去最高益をたたき出して安定したところ、焼打ちに合う。米が国内で余り価格が下落したために海外に売った結果、今度は不足に陥り、値上がりを見越して売り渋る商店がでた。その筆頭が鈴木商店とみなされたためだ。大阪朝日新聞による扇動的な記事の影響も大きかったようだ(当時は反社会的だが、この後、トップが交代して国に迎合し始める)。当時の新聞の力を感じる。この本を読んで強く感じたことは、日本人の視点ではなく、広い眼で見て書かれていることだ。日清戦争後に台湾を併合した際、日本では台湾の衛生向上・教育推進・産業振興に努めて良いことをしたと言われる。その良い面がある一方で、日本は先進国で現地人を一段下に見る傾向があったことも丁寧に描かれている。ここに好感を感じた。現地に問題を感じられる良識者であることに対する誇りと驕り。これらは紙一重である。しかし、現地の人々から見ると驕りに見えると考え、そう感じられぬように常に心を使う必要があるのだと思う。今話題の産業遺産の世界遺産化についても、韓国・中国と合意することは難しいかもしれないが、この心がけが必要なのだと思う。

  • 世界各国との貿易を拡大し、その拠点も各国に拡げる鈴木商店。世界経済・戦争・焼き討ち・大震災などに翻弄され続ける鈴木商店とそれを取り巻く人びとが描かれている。神戸製鋼・帝人・日商岩井(現双日)などにも、鈴木商店の経営哲学・理念が脈々と受け継がれている。

  • NIに内定したときに、「鼠(城山三郎)」は読んどけよ、と言われたけど、さながら今ならこれかな?NIって言う会社が無いからまあもうないか。あくまでも小説だし、史実以外の部分はフィクションだけど、小説としては非常に面白く読めた。SZKにまつわる史実もきちんと踏まえてあるけど、そんなに深くは突っ込んでない。小説としてのバランスを考えたら、そのぐらいがちょうど良いのかも知れません。この人の小説始めて読みましたが、別の作品も手にとってみようかな。

  • ある日、鈴木商店という、それは大きな『お店』があったという歴史を知りました。

    三菱や、三井に匹敵する、いやそれ以上の世界的な大商社だったという。

    なぜ、消えたのか。

    大番頭金子直吉の経営手法が時代の変化に合わなかったのか。
    また彼の主義が、世間に受け入れられなかったのか。

    それとも、足を引っ張る輩が居たのか?

    歴史に残りそうなものですが、あまり、表に出てこない…。

    ということは。

    怪しい…。


    さぞ、活況と不況の浮き沈みは大きい時代だったでしょう。その分、波に乗った時は、さぞ、面白かったでしょうね。

    夢や希望に沸く一方、落ちたときは、ひたすら耐え、頑張る。

    これが、人という動物の生き方であり、その度に進化する。それが本性なんでしょうね。

    しかし、一方では、必ず、それを良しと思わない勢力。

    それに抱き込まれる、無知の者を煽る力。

    そういう力がいつの時代も、社会を惑わせ、感覚を麻痺させ、それら自身が期待する以上の力となり、

    最後は、逃げる。

    今の時代も、変わりません。

    自分は、踊らされない人間にならぬ様、気をつけます。

    そのためには、もっと勉強しなければならないですね。

  • 全体に冗長な感じがしました。個別には、田川の描写が中途半端でイマイチ。金子のビジネス面での活躍もなんとなく上っ面の説明に終わり、緊迫感に乏しいので、お家さんへの忠誠があまり光って見えず残念。

  • うーん…雑な構成。
    wikiを連ねたような小説。

    いいテーマなのに三文芝居のような小説でした。

  • 日本最強商社であった鈴木商店が倒産するまでの後半部。世代交代や危機管理についての教科書のような一冊。

  • これは必読ですな。

  • 鈴木商店という一つの企業の勃興から全盛そして解体まで、「金子直吉はんに、うちはええ夢を見せてもろた」という鈴木よねの言葉が象徴するように長大なドラマは、ローマ帝国衰亡史などを読んだのみも比すべき充実感がありました。特に珠喜の悲劇と喜びの交錯が鈴木商店そのものの衰亡と絢を成すような素晴らしさを演出していると思います。珠喜と拓海の台湾での出会いの場面は涙なしに読めないような情景です。しかし、著者の筆は少し早過ぎるように思ったのは、米騒動の焼き討ち事件から、関東大震災、金融恐慌などがあっという間であり、ここの記載が少し乏しいように思えることです。それにしても、一時は三井・三菱を遥かに凌駕しながら沈んでいった鈴木商店を巡る歴史は劇的です。昔、日本史で学んだ知識で解り得なかった裏の物語は当時の世相との関係での奥の深さを感じました。どこまでが史実で、どこからがフィクションなのかはよく分かりませんでしたが。

  • 大正から、第一次世界大戦後の不況が鈴木商店を直撃する。下巻は義娘珠喜、田川、拓海の三人の運命のすれ違いがメインとなる。近代国家に加わった日本のように、時代の流れに乗り突き進む「鈴木商店」だったが、、、

  • 鈴木商店とは---。現代にその痕跡を探すとすれば、神戸製鋼所や日商岩井などに認められる。この鈴木商店は明治7年から昭和2年の約半世紀の間、まだ「総合商社」という呼称がなかった時代に、世界をまたにかけて大活躍したビッグ・ビジネスである。当主は鈴木よねという女主人で、その番頭を務めたのが、金子直吉だった。より正確に言うなら、鈴木商店とは金子直吉が育て、世界のビッグ・ビジネスとして活躍した企業だ。鈴木商店は昭和2年の金融恐慌で、市場から退場した。しかし、金子が育て残した総合商社、製鉄業、化学、繊維など各種事業は姿を変えながらも今に生きている。つまり金子直吉は工業化のもっとも優れたオルグナイザーであると同時に、ベンチャーキャピタルでもあった。もう一つ金子直吉の事績を上げておくならば、彼が残した人材のことである。紙数に限りがあるので詳述は避けるが、代表的な人物を上げておくなら、戦後の産業復興公団総裁を務めた長崎英造、帝人の大屋晋三、神戸製鋼所の田宮嘉右衛門、日商の高畑誠一などがいる。

     さて、金子直吉のことである。読者の中には城山三郎の小説『鼠』を読み、ご存じの方も多いかもしれない。けれども、これほど評価の別れる人物も珍しいことだ。神戸の小さな個人商店林兼を、世界的な大商社に発展させた、その経営手腕に着目し、天才的で非凡な事業家と評価される一方で、組織を無視したワンマン経営を敷き、結局は鈴木商店を破産させた張本人と断罪する向きもある。他方では数多くの企業を創業し、育成したという旺盛な事業家としての評価だ。さらにもう一方では比類なき主家に対する忠誠心や、私生活における無欲恬淡な態度を評価する向きもある。つまり金子直吉は見る人の立場で評価が大きく別れる人物なのだ。

  • 一度は読んで損のない「お家さん」
    オススメします!

  • 珠喜の話は泣けた。

  • 史実とは異なるが、「歴史の妙」として鈴木商店は面白い。

  • 高校時代、日本史を選択していたのに、この鈴木商店については全く知りませんでした。
    米騒動から発展した焼き討ちの被害に遭った会社なら、習ってるんじゃないかと思うんだけど…まぁ、近代史って授業じゃかなり流しちゃうトコロなので…と言い訳してみたりf(^^;)

    その当時は、三井や三菱よりも有名な総合商社だったのに、結局、生き残れなかったという点では、時代の変化や会社規模の変化についていけずに昔流にこだわりを持ってしまったからなのかなぁ。
    この時代に限らず『カリスマ』がいるってのは、会社として良くもあり悪くもあり…なんてコトも思ってしまいました。

    「忠義」という言葉がよく出てくるんだけど、今聞くと、ちょっと違和感があるし、そういう思いを持って仕事をしている最後の時代だったのかも。

    本文と鈴木よねの語りが交互に出てくる構成で書かれてるんですが、よねの語りに最後まで慣れなかったというか…よねに対して、あまり感情移入できなかったからかなぁ。
    これは好き嫌いが出てきそうな気もします。

    鈴木商店の栄枯盛衰を見ながら、この時代の日本や日本人の様子、世界との関わり方なども見ることができるので、学生時代、とても苦手だった近代史がこの本のおかげでだいぶ理解できたので、私にとっては歴史書みたいなカンジがしました。

  • 人は、自分を一つの使命にかりたてる時、果たそうとする責任を過大評価するものだ。


    2012.2.1 完読

  • 文庫本で上下巻だったのですが、先週末に途中でやめられなくなり一気に読んでしまい、寝不足に陥った本です。
    主人公の鈴木よねは明治、大正、そして昭和初期の日本において世界を股にかけた貿易で、当時の日本で一番の年商をほこった鈴木商店のオーナーです。三井、三菱・・などの財閥の名前は有名ですが、それに勝るとも劣らないすごい”商社”が他にあったとは!まずそれが驚きで読み進めていきました。
    神戸において夫が営んだ店を夫亡き後、未成年だった息子たちが成人するまでと優れた働きをする大番頭を中心に店を続けていく覚悟をした"よね"でした。
    日清日露戦争で勝利して世界の列強に仲間入りをしようとする日本の躍進に合わせて店は大きくなっていき、個人商店から合名会社へとなり彼女の呼び名もおかみさんではなく大勢の使用人のいる「家」を構えた商家の女主人に与えられる「お家さん」となります。
    よねは最初の結婚に失敗しているのですが、その頃兄と一緒に見てもらった占いで出た絵柄が船。神戸の港から出る船を掌中に収めるとの正気とは思えない予言が鈴木商店に嫁いだことで実現していくのです。
    登場人物は店が大きくなるごとに増え、歴史上の人物も登場していく大河小説ですから、筋書きは波乱に富んでいます。
    時々登場する関西弁のよねの独白がその時々の彼女の心情を生々しく伝えます。個人を超えた大きな店になり、とうに彼女の思惑を超えた取引に印を押すだけの役割になっても、彼女はこの「家」を守るお家さん。この家で起こる様々な出来事のひとつひとつに心を揺さぶられながらも、地道に慎ましくひたすら進んでゆくのです。
    最初は凄腕の女主人、実業家を想像していたのですが、よねさんは多分どこにでもいる働きものできっぷの良く面倒見のよいおかみさん。それが、周りの人たちや時代に左右され、それこそ波乱万丈の一生を送ることになるのですから、その不思議な運命の綾を思わずにはいられませんでした。しかし、もしかすると彼女ほど振幅は大きくなくとも誰もが”波乱”を経験して一生を送っているのでしょう。

  • 明治、大正、昭和を太くも短く駆けぬけた商社を通して、歴史と文化と日本人というものをしっかりと伝えてくれる、そんな本です。
    また、商売を行っていく中で、それぞれの人生にどのような意味を見つけ出していくのか、登場人物たちが力強く邁進していく様が熱く胸に突き刺さります。国益に一途のもの、会社を守るもの、家族を背負うもの・・・それぞれの生き様に心を動かされます。

  • 鈴木商店の興亡だけでなく、明治から大正、昭和と駆け抜けた熱い商売人達の思いが伝わる。そして、いつの時代も新聞には真実がなく、かといって新聞がなければ情報が伝わらない。お家さんの物語でありながら、この時代の流れがよくわかる小説だ。

  • 米騒動における、鈴木商店焼き討ちのシーンは圧巻。

    日本人が暴徒化するなんて、いまではありえないだろうけど、
    実際に集団で過激になるというのは、とても恐ろしいし、
    そういったところに、敗戦する萌芽があったように思う。

    それにしても、朝日新聞はしようもない。

    あくまでも、鈴木商店は「商店」という通り、
    昔ながらの商店であったと思う。よくもわるくも。

  • 大正~昭和と日本一の売上を誇った鈴木商店。神戸を舞台に、一砂糖商を、未亡人となったよねが女社長として、大番頭とともに一大商社に築きあげていく波乱万丈の大河ロマン。
    鈴木商店自体は米騒動の焼き打ち、更に関東大震災により倒産の憂き目にあうが、育てた子会社関・連会社は今でも続き、連綿と商店の伝統を守っている。

    地の文と、「お家さん」の一人称とが交互に登場し、大正昭和の政治・経済を背景に巨大化していく商店と、一代商社の女社長にのぼりつめながらも、本人は一商店のおかみさんとして店の「オク」を取り仕切るだけ、というギャップがうまく、おんな太閤記的な女の目線の歴史を振り返ることができ、非常に読みやすい。

    しかし山崎豊子や有吉佐和子を読みつぶした人間からすると、一抹の物足りなさが残るのは否めない。
    もっと深く知りたくなり、城山三郎著「鼠~鈴木商店焼き打ち事件」という
    ノンフィクションを購入。楽しみだ。

  • 読み応えがある作品。上巻から引き続き鈴木商店が一気に上りつめ、さまざまな苦境に立たされ、必死に抗おうとする姿が胸をうつ。
    さらによねと強いつながりのある一人の女性の人生が物語をさらに深みを持たせる。

    日本の経済が大きな転換期にさしかかった時代を体感できる絶対お勧めの一冊。

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