種まく人―ヴィラデスト物語 (新潮文庫)

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著者 : 玉村豊男
  • 新潮社 (1998年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101297057

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種まく人―ヴィラデスト物語 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 3 長野でワイナリー農園・ヴィラデストを経営する玉村豊男のエッセイ。病気をきっかけに42歳で人生の折り返しを考え、三千坪の土地を長野で買い、井戸を堀り、家や畑、葡萄畑をつくり農園・ワイナリーにしていった初期の苦労話が綴らている。著者は借金して不動産を買い将来を拘束される人生の転換にそれなりに悩んだらしいが、家を建てている間も悩み続けたが頭の中で結論が出るより先に現実がやってきて新居に引越したらしい。土地購入はなかなか難しいらしい。解はないが究極の人生とはといったことも考えていたよう。
    ヴィラとは15世紀北イタリア発祥で、農村に建てられた有力者の館を指す言葉らしい。彼らは都市の公職についたりもしたが、高い発言力の背景には農村の高い農業生産力による経済の充実があり、都市と田園を往還しながらも拠点は田園におき、そこで土を耕すと同時に独自の文化を作り出していく。。。。というヴィラ的な暮らしが一つの理想になるのではと考えたよう。農業は極めて恣意的。人間が自然を自分の都合のよい方向に捻じ曲げる行為。一部の土地に大量の植物を栽培、品種改良等。文化を作り出していく。agri-culture。しかし、二 人と少しお手伝いから始める一からの農業は苦労の連続でなかなか一筋縄ではいかないよう。一つの人生の転換とその後の苦労や愉しみが描かれておりなかなか面白い。

  • 玉村さんといえばパリの街を紹介したエッセイが素敵で(上品ながらも女性ライターの切り口とはちょっとだけ違う)、私がおフランスびいきになるモトを作ったかたのひとりです。今は国内のご自宅兼農場で悠々自適の自給自足ライフを送っていらっしゃる様子を描いた作品がメインです。これはその「ヴィラデスト」のはじまりを描いたエッセイ。自分の理想の生活をするための土地探しから始まります。あちこち歩いて、やっと見つけたその土地で、思わず「エスト、エスト、エスト!」とラテン語で感激を表現してしまうところに教養とキザっぽさを感じてしまいますが(笑)、その「そこに本当にある」という感激をこの"est"1語で表して「ヴィラデスト」とその地を名づけて住んでしまうのだから、思い入れは並大抵のものではありません。畑を開墾し、家を建て…と1歩1歩着実に楽園を作っていく姿は、「しんどい」感皆無で、希望に満ちています。実際の就農生活は結構大変だし、ハッピーな思いばかりではないはずなのに、この余裕は何?と感じてしまいます。これがヨーロッパで青春を送った人独特の感性でもあるんですが…。作品のすみずみから伝わってくる「人生、結構楽しい」というこの感じが玉村作品のよさで、今でもこの☆の数です。

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