強奪 箱根駅伝 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (495ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101301518

作品紹介・あらすじ

12月30日の夜、神奈川大学駅伝チームの女子マネージャーが誘拐され、監禁中の彼女の映像がTV局に届く。駅伝生中継のジャックをも仄めかし、次々と要求を突きつけてくる誘拐犯。混迷の中でスタートした駅伝。そして、激走とシンクロするように誘拐犯・TV局・警察の熾烈な攻防戦が始まった。ハイテクを駆使し可能性の限界に挑んだ犯罪の結末は。一気読み間違いなしの傑作サスペンス巨編。

感想・レビュー・書評

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  • ハラハラドキドキです。
    とてもリアリティがあり良かったです。
    面白かったです。

  • 箱根駅伝の直前、神奈川大学陸上部のマネージャーが誘拐された。犯人の要求は、10区の出場選手の辞退。

    なぜ、有力選手でもない学生を辞退させるのか。そして、犯人は誰なのか?

    謎が深まる中、駅伝が開始され、犯人から次々に新たな要求が出される。

    学生、TV局、警察、そして犯人。
    それぞれの思惑とプライドにかけて、ギリギリの攻防が始まる。
    手に汗握る攻防の末に行き着く先は、...

    なお、犯人側のメンバー(主犯以外)のキャラクターと、その動機の部分を、もう少し書き込んだ方が良いかと思いました。

  • 486頁とボリュームはありますが、会話文が多く、テンポ良く読めます。
    駅伝チーム、テレビ局、警察、犯人の視点ごとの描写切り替えで話しが進みます。
    テレビ中継の描写も細かく、駅伝ファンは特に楽しめるミステリーですね。

  • 身近な箱根駅伝が身代金誘拐事件に巻き込まれた。
    犯人は映像中継の技術を駆使してテレビ局を脅迫する。
    緊迫した場面が多く楽しめました。

  • 本屋でみかけてなんとなく直感で購入して大正解。
    ここまで一気に読ませる小説も久しぶり。

    箱根と誘拐がどうからんでいくのか、まったく想像できなかったが読み進めるうちにうなった。
    神奈川大学に感情移入でき、テレビサイドからの箱根はとても新鮮で興味深く、ドキュメンタリーのようでもある。あたりまえのように中継を楽しんでいたがこんな苦労があったのかと思いを馳せることができた。

    世間はほぼ箱根に対する好意的な目線しかない中で羨望と憎悪という視点もあったということに驚きと共に納得もできる描写。
    なにげないきっかけで悪意を持ち、それをぶつけることができるリアルさがあった。

    特に臨場感があったのは実況の台詞。そのすべてがテレビそのままに聞こえてきた。最後まで映像を見ているかのよう。映像化は極めて難しいと思うが見てみたくなった。

    箱根駅伝ファンには一読の価値がある1冊。
    作者の取材力と箱根駅伝への想いが伝わり、読後感も素晴らしい。

  • 箱根駅伝をというスポーツテーマを絡めた誘拐サスペンスです。手に汗握るスピード感が心地良く、一気読みでした。
    選手、警察、テレビ局、犯人と4つの視点から話が進行していくのですが、詰め込み過ぎでどれも中途半端になってしまった気がしました。もっと「大学を背負って立つ学生の重圧」を中心に書き込こんで欲しかったです。
    犯行の動機もよく解らず消化不良でした。

  • ミステリーとしては、うん?と思う部分もありますが
    とにかく箱根駅伝の大学名や中継所など実在のものなので、ドキドキします。
    知っている交差点や、箱根の山道、それらが本の中に登場すると特別な感情が湧いてきます。
    また、たすきリレーや思いがけないブレーキなど、実際の駅伝のドラマが浮かんできて胸が熱くなりました。。

  • 面白かった!
    誘拐もの好きな人にオススメしたい。箱根駅伝とあるだけにミステリーに青春がプラスされていて読み終わった後も爽やかな気持ちが残る。

  • 「箱根駅伝」は正式名称を東京箱根間往復大学駅伝といい、大手町から箱根までの往復217.9キロを10人のタスキリレーでつなぐ大会。

    あの苦しそうに走るランナーたちを尻目に、暖かい部屋でヌクヌク状態の自分が、いつも申し訳なく思う・・^_^;

    前置きはこれくらいにする。

    この「箱根駅伝」の裏側で、もしも誘拐事件が発生していたら・・・というのがこの小説だ。







    登場する大学やテレビ局もすべて実名・・これが非常にリアリティを醸し出す。

    レースがはじまり、ランナーがタスキをつないでいく傍らで、テレビ局に届く様々な犯人からの要求。

    あのテレビ中継のせわしい中で、人質の命の灯がだんだんと小さくなっていく・・

    神奈川大学の選手たち、テレビ局の中継スタッフ、警察・・それぞれの立場でできることは何なのか。

    やがて犯人の像が浮かび、何故箱根駅伝を狙ったのか理由が判明してくる・・。



    何の見返りも期待せず、ただタスキをつなぐことを考えひた走るランナー、そのピュアさがかえって心に沁みる。

    最後の10区を疾走する主人公の津留康介・・そしてゴールには何があるのか。



    箱根駅伝の大ファンである徳光さんもこの小説を読み、号泣したとのことだ(笑)

  • 文字からこんなに臨場感を感じられるとは思わなかった

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著者プロフィール

1956年、静岡県生まれ。明治大学卒。‘94年『死が舞い降りた』で日本推理サスペンス大賞優秀賞を受賞しデビュー。2000年『鬼子母神』でホラーサスペンス大賞特別賞、’10年には「随監」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞。緻密な取材が生む警察小説やサスペンス小説で多くのファンを魅了する。本書は朝鮮戦争で計画された原爆投下の機密作戦を巡る謀略を描く渾身の作。著書に『限界捜査』『ソウル行最終便』『彷徨捜査』『伏流捜査』(祥伝社文庫)『撃てない警官』『夜の署長』等。

「2023年 『ブラックバード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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