撃てない警官 (新潮文庫)

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著者 : 安東能明
  • 新潮社 (2013年5月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101301525

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撃てない警官 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 短編集。
    出世コースに乗っていたはずなのに理不尽な理由で左遷させられた柴崎。
    現場で必死に働く刑事たちをどこか見下しているような柴崎が、実際の事件に向き合い変わっていく。
    警部補に昇進したとき、警察学校で教壇に立っていたのが左遷先の綾瀬署で副署長をしている助川だ。
    彼に連れられ自殺かと思われる現場へと向かう。
    警察にもいろいろな部署がある。
    実際に捜査にあたる現場の刑事たち。
    本部に詰め、捜査の方向性を見極める管理職。
    事務系の仕事に明けくれる警察官。
    ふと感じた疑問を柴崎が助川に告げたことから、事件は大きくその様相を変えていく。
    最初は自殺かと思われたものが、結局は殺人事件だと認定される。
    助川ではないけれど、もしかしたら柴崎には刑事としての資質があるのでは?と思ってしまう物語になっていた。

    協会賞を受賞した「随監」は、本当の正義とはどんなものなのか、わからなくなってしまう物語だった。
    法律に照らしあわせれば刑事罰を与えるほどのことではない。
    けれど、些細なことの積み重ねがどれほど人を苦しめるのか。
    ずる賢く立ち回り、確信犯的に悪事を働く人間をなぜ法律が取り締まることができないのか。
    そんな矛盾は、もしかしたら社会にはたくさんあるのかもしれない。
    広松の行為はけっして褒められたものではないだろうが、それでも広松のような警察官がいてくれたら…と思ってしまう。
    杓子定規に法律に縛られるのではなく、地域のため、住民のために動くことができる警察官。
    それはもう、ドラマや物語の中にしかいないのかもしれないけれど。
    出世することで頭がいっぱいだった柴崎が、どんどん人間らしくなっていくところが物語の魅力だった。
    柴崎を主人公にした物語がまだあるらしい。
    ぜひそちらも読んでみたい。

  • 何とも、変わったキャラクターの、短編連作警察小説であることか。
    何しろ、現場が嫌、事務部門が好き、という警察官が主人公なのだから。
    バリバリのエリートだった主人公は、陰謀により所轄に移動させられる。そこでは、否応なしに事件に遭遇し、いやいやながら捜査に携わっていく。
    今後、刑事魂に目覚め、活躍するのか、あるいはまた、本人が望む本庁の職場に復帰できるのか、次回作以降が楽しみ。

  • 警視庁総務部のエリート、柴崎は、不祥事の責任を負い、所轄の綾瀬署に異動させられる。

    綾瀬署での様々な事件の中で、果たして、本庁に異動できるのか。

    警察官を主役にした短編ミステリー集。

  • 初読の作家さん。外向きではなく警察内部の話。派手な事件や殺人がないのにかなり面白く読めた。柴崎さん、どこかのシリーズのあの方の様に、管理職に収まっているより断然現場で活躍するタイプとお見受けいたします!個人的には助川さんのファンになりました。シリーズものらしいので、次も読まなくちゃ。

  • 誤ってシリーズ最新巻をそうと気付かず買ってしまったため、シリーズ1巻を購入。最後まで物語の方向性に悩んだ。出世競争に目をぎらぎらさせ、現場を侮る主人公が、他人の復讐に巻き込まれ左遷される。異動先の綾瀬署で警部として初めて捜査らしきものに加わることになり、少しずつ現場の面白さに目覚めていく話……なのだと思うが、分かりにくい。

  • 普通の警察ものとは違いますね。
    横山秀夫より、主人公が人間臭い。
    あと、物語の面白さがえって二転三転したりする感じはいいですね。

  • 派手なアクションや操作はまったくなく、主人公が正義の塊というわけでもない。が、本庁へ返り咲きたいという人間くささ、欲と、綾瀬署管内で起こるいくつかの事件の行く先が気になり、一気に読める。事件ごとの短編なのもいい。シリーズを読破しよう。

  • ドラマと比較しながら読了。

  • もっと警察内部の政治ゲームのお話かと思いきやショートストーリーメインな感じで中田との決着も中途半端で残念

  • 「撃てない警官」
    WOWOW 日曜22時
    出演:田辺誠一、石黒賢、中越典子、高橋和也、陽月華
    http://www.wowow.co.jp/dramaw/utenai/

  • 配置場所:2F文庫書架
    請求記号:新潮文庫 ; 9720, あ-55-2
    資料ID:C0034726

  • これを読んではっと思ったのは、管理部門とかだと警察の人でも捜査とかに関わらないんですね。警視庁の人なんて言われたらそういう事にみんな1回位関わっていると勘違いしそうです。エリートだったのに左遷でそういう部署に飛ばされたら、周りからは使えない奴めなんて言われて悔しい思いしてしまうのでしょう。どんな業種でも現場と事務職の軋轢っていうのはありますですね。

    この主人公正義の味方でも悪党でもなく、ひたすら組織の中でもがいて自分の立ち位置を模索する様が何とも人間的で、僕的にはかなり良い作品だと思いました。
    主人公が自分を陥れた同僚上司たちに一矢報いようと、正規の方法では無く弱みを握ろうと画策しますが、現場の空気を吸う事によって、次第に考え方が変わっていく描き方も自然で違和感なく読めました。

    警察も人間の集まりだし、これ以上無い位に部署ごとの軋轢や思惑にまみれているだろうし、警察組織の内部事情と絡み合って色々なものが置き去りになって行くんだろうなとしみじみと思う本でした。

  • 主人公がいきなり責任を押し付けられて左遷される場面で幕を開ける。さらに、警視庁へ戻るために、上司への復讐を胸に秘めて、所轄署で仕事を通して出会う事件の裏側に悪戦苦闘するという意外な展開に、驚いた。第63回日本推理作家協会賞短編部門を受賞した「随監」も展開が面白いが、全7編が繋がった長編のように感じられる点が面白かった。

  • 普通に面白かった。
    一件が短いのでさくさく読めるし。

    妻がステレオタイプなのだけちょっと残念かな。

  • エリート街道を転落した警察官の話。犯人が簡単に分かっちゃうのが、ちょっと残念。

  • 地味で次が読めないけど、暫く読んでみようと思う。

  • 義父の山路がいいね!

  • 『出署せず』の前作。

  • 続いてシリーズ第一作を読んでみた。捜査経験のない警察官の捜査。派手さはないが好みです。

  • 主人公が好きになれないめずらしい一冊

  • 掲題の短編から、意表を突くような、
    引き込まれる展開になっているが、
    その後も主軸はありつつ、進んでゆく。

    綾瀬署に異動してからも、周囲のサポートを得つつ、
    捜査とは違うのだろうが、そういう能力を身につけてゆく。
    ただ、あまりにも自然にできすぎて、
    そこに違和感を抱かざるをえない。

  • 三十代で警部、警視庁総務部係長を務める柴崎令司。更なる出世に向けて足元を着実に踏み固めていたはずだった。鬱病を患う部下が自殺するまでは。

    不祥事の責任をひとり押し付けられる形での綾瀬署への異動・降格。事務畑の柴崎には全く経験のない現場仕事や泥臭いとも言える刑事たちに辟易するのだが。


    初めは「何だ、このエリート風吹かしたやな野郎はよぉ」などと鼻白む部分があったのだけれど、意外な才能を発揮していくから、どんどん読み進んでしまった。

    いわゆる刑事モノに登場する現場の刑事がガス調理器だとすると、柴崎はIH。前者は火力強目な印象なのに対して、後者は常に一定の火力調整で淡々と確実に進めていくように思える。

    現場で見落とされた些細な事柄をひとつずつ拾って蓄積されたデータから、刑事たちが気付かなかった真実に結び付けていく。案外、現場向きなんじゃないかな、この人。本人は嫌がりそうだけど。

    義父・山路がまたキレモノです。シリーズ続けばこの方が主役張れそうですね。

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撃てない警官 (新潮文庫)の作品紹介

総監へのレクチャー中、部下の拳銃自殺を知った。柴崎令司は三十代ながら警部であり、警視庁総務部で係長を務めつつ、さらなる出世を望んでいた。だが不祥事の責任を負い、綾瀬署に左遷される。捜査経験のない彼の眼前に現れる様々な事件。泥にまみれながらも柴崎は本庁への復帰を虎視眈々と狙っていた。日本推理作家協会賞受賞作「随監」収録、あなたの胸を揺さぶる警察小説集。

撃てない警官 (新潮文庫)のKindle版

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