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みんなの感想・レビュー・書評
読み進めるうちにため息が大きくなる。しかしながら不思議なことにもう一度読みたいとは思えない。けれども他の作品は読みたくなるそんな作家だ。
登場人物の感情が実に緻密に描かれていて、だからか非道い胸騒ぎをおぼえながら読了した。金原瑞人氏のパンチの利いた解説が私の言いたいこと全部を言ってくれているので特筆することは何もない、が、精神状態にダイレクトに影響する一冊だった。面白かったけれど、もっと健康になった状態で再読したいと思った。
解説から。 「井上荒野、前々から物騒な作家だなと思っていた。」 確かに。物騒という単語、そうそれが言いたかった!という感じ。 けれど 「彼女の作品は脂っこい。どれも脂っこい。噛み締めると、じわっと脂が染み出てくる。」 そうかー?そういう印象を抱いたことは私はない。 彼女の作品は濁った水。場面によってその濁り方や色が変わる。 「切羽へ」からそう思ってる。 あの時は、書いたかもしれ... 続きを読む »
井上荒野さんの本は苦手です。でもついつい読んでしまいます。この小説も読んでいる時も、途中読んでいない時も、何か違和感あるものが付きまとってくる感じがするのです。うまく伝えられませんが、少し結晶が大きくなった赤血球とか白血球とかヘモグロビンなんかが、無理して血管を通っているような感じ。荒野さんの本はまたある程度時間が経ってからまた読みたいです。
読むと気分が重~くなる話ばかりの連作短編集。
落ちている時に読むことはお勧めできませーん。
特に「サモワールの薔薇とオニオングラタン」は重くて、この話を読んでいる時、仕事の方がちょっと大変だった時期とゆーこともあって、途中でこの本を読むのをいったん休止してしまったくらい。
しっかし、人が死ぬわけでもなく、重い病気を患うでもないのに、ここまで重い小説を書けるなんて‥‥‥。やっぱり井上荒野さんは恐ろしい人だな。
10/10/22読了 連作短編集。何となく暗いイメージの話がほとんど。面白いけど気分が良いものではないかな。
「誰よりも美しい妻」に続いて、人生二冊目の井上荒野。
とあるフィットネスクラブに集う男女を描いた連作短編集。収録作全体に漂う透明な虚無感が印象的だった。
前回の作品を読んだ時も思ったが、作中に登場する人物達がどうも理解しがたい。
勿論他の作家の作品でも私の理解の範疇にない人物は山ほどいた。
だけど彼女の描く人物達はそこまで遠いわけではなく、しかし微妙なずれがあって絶対に私の知っている世界に馴染まない。それが妙に読後小骨がひっかかったような違和感を残している。
これは個人的に面白い作家に出会ったかもしれない。好きかと言われると少し違う気もするが、もう何作品かは読んでみようと思う。収録作で気に入ったのは「クラプトンと骨壷」。色々な意味で怖いが美しい話だった。
手紙とカルピス/オリビアと赤い花/運動靴と処女小説/サモワールの薔薇とオニオングラタン/クラプトンと骨壺/フラメンコとべつの名前
フィットネスクラブを舞台にした連作短編集。
このフィットネスクラブがそうなのか、どこでもそうなのか、やたらと怖い人たちが集まっていた…。運動=さわやか、というのも偏見だろうけれど、インストラクターや受付、客同士の値踏み合いだとか健全・さわやか、からは遠い話たち。
なんだか、どんづまりの破綻した生活をしていて、あと一押しで自分が落ちてしまうことをわかっているのに、落ちてもいいやと思っていたり、そのことに気付かないまま落ちていったり…日常だと思っていたものがゆるやかに下降していって、ぐるりと変わってしまうような感じがしました。
不穏でどきどきするはなしです。
解説に「脂っこい」と書いてあった。その通りだと思った。
表紙の爽やかさとは反対に結構ドロドロしている内容です。
この手のお話は個人的にあまり好みじゃなかったです。
不幸せな話ばかり。鬱々とします。
一気読みするほど、夢中で読んだ。
フィットネスクラブに出入りするスタッフや会員がそれぞれ主人公となる、連作短編集。
金原氏の解説の中で、“物騒”だとか“脂っこい”だとかのキーワードが並べられているが、
ほんとにそう。
どの話も、後味が悪くて、切ない。
でも読みたくなるのは、そこに尽くされている言葉の力が次へ次へと引きずっていくからだ。
「サモワールの薔薇とオニオングラタン」の1行目。
“朝起きると体がみっしりと重かった。”の表現。
「クラプトンと骨壺」の結末。
何回か、焼き肉屋が出てくるけど、なんかほんとに焼き肉食べてるみたいな気分。
でも最後のストーリーで、あら、さわやか。
お口直しのガム付で終わる、よくできた連作短編集でした。
郊外のフィットネスクラブに関わる人たちの人間模様を、
生徒やスタッフが交代(?)で語り部となる連作短編集だ。
生ぬるいドロドロ感が面白かった。
最後まで読むと、
タイトルの巧さがよくわかる。
フィットネスクラブの会員それぞれの短編集。最初の話のペンフレンドのおばさんの手紙に「雉猫心中」のヨベルが出てきて驚いた。なんか続いているのかと思ったが出てきただけ。
最初の話はあんまり好きじゃなかったが後半に行くにつれよかった。
昼間のフィットネスクラブいきたくないなー
スポーツクラブに通う人々の連作短編集。
次々と女を変える男、受付の女、古本屋の男、足の悪い母と娘、インストラクターとその妻。
井上荒野さんならではの切り取り方が素晴らしい。
東京近郊のフィットネスクラブに出入りする人たちの屈折した恋愛模様みたいのかしら。ロマンチックではない恋愛小説。なんだか乾いた感じ。
こういう作品はすごく好み。
短編小説は基本的に好きじゃないんだけど、
この焦燥感や無力感をすごく求めていた。
性的な描写が多めにはなるけど、
淡々として緩やかな流れは他の作家にはないと思う。

とあるフィットネスクラブとそこに関わってる人たちの心の中の物語。井上さんの物語にはたいてい美しい人が出てくるんだなあ。美しいけど、かわってる。読んでる途中も読後も、ものすごく不思議なぼんやりした気持ち...





