切羽へ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302546

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  • 喪失することが人生。

    北の島。
    養護教諭のセイは画家の夫をもつ。
    新任教諭の石和にお互いに魅かれていく。
    その先が切羽。トンネルを掘っていく一番先。
    切羽へ。切羽へ。
    そして、その切羽で石和は去る。
    セイは夫の子を身ごもっていた。

    欲しくて欲しくてたまらないけれど。
    手には入らない。手には入れない。
    そして喪っていく。
    喪失こそが人生。
    島という舞台が
    その喪失感を象徴する。

    この一節が印象的だ。

    「彼らはすでに、石和を忘れる準備をはじめているようだった。
     それは島の子供たち、あるいは島の人間が、
     身のうちにこっそりと培っている方法なのかもしれない」

  • 磨りガラスに隔てられた模様図。

  • 大人の恋愛を描いているが、何故か中学生の恋愛のようにもどかしさを覚える。

  • 感情は生命。

  • どうかな。
    読み終わってじーんと何か残る作品では、
    あるような気がするけれど、もう少し何かほしい、
    何かが何かはわからないけれどそんな気がした。
    題名とプロットとの綾の厚みでしょうか?
    ちょっとさらりとしています。
    そのあたりは、好みもあるでしょうが。

  • 139回 2008年(平成20)上直木賞受賞作。恋愛小説。九州のとある島で夫と暮らす小学校の女教論セイは、赴任してきたミステリアスな音楽教論石和に魅かれていく。アゴ(とびうお)とアオサといった食材から舞台の島は、長崎の「五島」だと推測する。

  • 心の不倫の話。

    事実としては何も起こらない。
    穏やかでゆったりだけど
    ずっと薄暗いというか渋い色の風景。

  • つやのよるの島と同じ景色がめにうかんだ。結局どうなんだろうといまいちすっきりしない

  • よくわからなかった。本が良くないのか、自分が読み落としているのかわからず、2回読んだ。それでもよくわからない。文章が良いので途中でやめることは無いけど、書かれている心情が複雑すぎてよくわからん。

  • 直木賞、芥川賞が発表の時期になる度に、文庫になったら読もうと思い、文庫になる頃には忘れてしまっている私。今回は、正月三が日のブックオフ全品20%オフのタイミングで見つけて買い、読むことにしました。
    読み終えて、私は白黒はっきりつけたくなる性格なんだなと思った。著者のメッセージがぼやけてわかりにくい。読み手の取り方によって、何通りもの受け取り方があると思う。それが良さなのかもしれないが。
    セイの暮らし方は憧れるものがあったし、描写の仕方も好きだけれど、ぼわーっと終わってしまった感が拭えない。この量だからすらすら読めたのかな。

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著者プロフィール

井上荒野
一九六一年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。八九年「わたしのヌレエフ」で第一回フェミナ賞受賞。二〇〇四年『潤一』で第一一回島清恋愛文学賞、〇八年『切羽へ』で第一三九回直木賞、一一年『そこへ行くな』で第六回中央公論文芸賞、一六年『赤へ』で第二九回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『もう切るわ』『誰よりも美しい妻』『キャベツ炒めに捧ぐ』『結婚』『それを愛とまちがえるから』『悪い恋人』『ママがやった』『あちらにいる鬼』『よその島』など多数。

「2023年 『よその島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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