精霊の守り人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.22
  • (1983)
  • (1383)
  • (874)
  • (55)
  • (14)
本棚登録 : 12405
感想 : 1279
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302720

感想・レビュー・書評

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  • 日本人作家によるファンタジー作品の代表作だと思う!!ファンタジー好きなら絶対に読むことをオススメする!カタカナの人名と地名を覚えるのが大の苦手なのだけれど、割とすんなり頭に入ってくる読みやすさ。冒険する女主人公バルサがかっこよすぎて、憧れるし惚れる!!

  • はじまりの本が一番最後になってしまいましたが、やっぱり面白い‼︎
    ここから物語がはじまったんだな^ ^

  • バルサは今年三十。―p14より
    とあったけど、三十歳の女の人が主人公の話って珍しくない!?ファンタジーの主人公にしては、おばさんすぎる!

    「十一、二の子ってのは、いちばん命の力が強い時期だって、ヤクーは信じていたんだ。七つより幼い子ってのは、まだ魂がこの世にしっかりととどまっていなくて死にやすい。十四、五になると、つぎの命を産みだすために身体が準備をはじめて、そちらに力をとられてしまうってね。」―p336より
    ともあった。チャグムは十一、二歳の男の子。

    設定から引き込まれる話だった。面白かった! 解説にあったように、アイテムやキャラクターが多いだけの、すぐにゲーム化されそうな異世界ファンタジーではない。守り人・旅人シリーズ、1作目。これは最後(10作目)まで読まなくっちゃ♪

  • おもしろい。
    話の流れがどうのというよりは、人類の歴史と、人々が考えてきたことと、それがどういう風に伝えられて現在があるかということがすごくリアルで。
    長い時間を経て、すっかり形骸化してしまった文化や風習。忘れられたものがあれば、新しく始まるものもあるし、意味も分からずとも続けられるものもある。変化していくことそのものにこそ、時代を読むための重要な意味があったりもする。
    これは、人類が創ってきた文化の物語。

  • >老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。
    精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。
    建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。
    痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。

    ドラマがもうすぐ始まるのもきっかけになり守り人シリーズ念願の再読。
    単行本で読んだのはなんと2005年の2月。
    その後ゆっくり文庫本を集めていつか読もうと本棚に待機していたこと数年。
    11年ぶり!に手に取ったことにびっくりしましたが、とても新鮮な気持ちで読めてよかったです。

    まずバルサの年齢をとうに追い越してしまったことに軽くショック(笑)
    チャグムの年齢(11歳)がちょうど長女と同じなので、二の妃の気持ちになったり、チャグムの思いを想像したりしてよりリアルに読めた気がします。

    今回印象に残ったのはチャグムとバルサの関係でした。
    きっかけは偶然の出会いだったけれど、それもあらかじめ決まっていたのかも。
    悲しい運命に翻弄された二人だからこそ、お互いの気持ちを思いやることができ、強く結びついたのかなと感じました。
    サグとナユグ、重なった二つの世界の不思議な描写や戦いの場面も前回読んだ時と同じく惹き込まれました。

    文庫版のあとがきや恩田陸さん、神宮輝夫さんの解説も読み応えがありました。
    今年中にシリーズ再読の旅を終わらせるのが目標です。
    次に再読するのはまた10年後?
    娘達と楽しめる日も近いかなと思います。

  • ファンタジーは苦手だ・・・。

    ここは何処?
    一体何時の時代?
    世界がまるで分からない・・・。
    そしてカタカナの名前も苦手だし、得体の知れないキャラクターもダメだ。
    自分が想像力に乏しいのだろうと思う。


    他のみなさんからはこんなに高評価なのに、★★★で本当に申し訳なくなってしまう・・・。
    絶対面白いはずなのに、心底楽しんで読めない自分(T_T)
    すみません・・・という気持ちでいっぱい。

    面白くないわけではないのだが、読み進めるのが苦痛と感じるのは、ファンタジー脳が無い所為なのか?

    そんなめちゃめちゃファンタジー脳のない私が、諦めずに最後まで読み進められた作品。
    これだけでも凄いことだと思う。

    もう少し若い頃に読んだ方が受け入れられたのかもしれない。

    守り人シリーズ、あと2冊借りたが・・・
    どうしよう。

  • 【本の内容】
    老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。

    精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。

    建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。

    痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    子供の頃、佐藤さとるさんの『だれも知らない小さな国』を読み終えた僕は、自分の周囲にいつもコロボックルを探すようになり、彼らの国が日本の何処にあるのかを真剣に考えた。

    そして今『精霊の守り人』を読み終わった僕もまた、かつてバルサやチャグムが活躍したという新ヨゴ皇国があったのは、この世界の何処のあたりなんだろうと思いを巡らしていた。

    上質なファンタジーは、いつのまにか読み手の頭の中で物語を現実とすりかえてしまう。

    王国の存亡や神話や先住民、それから自分たちが生きているのとはまた別の世界、そんな沢山のものが混ざり合って物語は進む。

    そして、その世界の深さには、文化人類学者である著者の実力が遺憾なく発揮されている。

    とにかくこの作品に出会えてよかったと思う。

    そしてなにより、彼らの活躍する物語をあと六篇も読める幸せに感謝したい。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 守り人シリーズ第1弾、序章としての物語は完結すると聞いていたのでファンタジーの試し読みという軽い気持ちで読みかかった。
    数ページで物語に引き込まれる結果となったのだが、それは数奇な運命をもがき進んでいく登場人物だけでなく、思惑、陰謀、戦闘などの描写がとても豊かで容易に頭の中でシーンを思い描く事が出来たからに他ならない。
    読み終えた時にはこのシリーズの続きを読んでみたいという気持ちになったは言うまでもない。

  • 守り人シリーズまとめ読み1冊目。
    大型版、軽装版、新潮文庫と3種類あってどれにしようか悩んだが、結局は値段で決めてしまった。
    子どもが少し大きくなってから読むことを考えたら、大型版でも良かったかもしれない。

    おとぎ話だが、よくあるファンタジーと違って落ち着きがある。今もどこかにありそうな民族文化や信仰をベースにしていて、突拍子もない部分が少ないのがその理由の一つだろう。
    また戦いの描写が多く、物語の大切な要素になっているが、武器が短槍というのも渋い。魔法もロボットも美少女も出てこない。だから落ち着きがあって、多くの人がこの世界に入り込めるのだと思う。

  • もともとは児童文学として書かれた物語とのことですが、それだからこそでしょうか。
    ワクワクします。ドキドキします。ハラハラします。
    読み終わってすぐに、「あー、面白かったー。続きが早く読みたいー」となります。
    新ヨゴ皇国の第二皇子であるチャグムに降りかかる災い。ふとした偶然で彼と関わり、彼の身を守るために追っ手から逃れつつ、彼と行動をともにする、女用心棒の<短槍使いのバルサ>。
    そこに、伝説の怪物!?まで絡んできて…
    ファンタジーあるいは冒険譚としての面白さ、国が国として成り立つために張り巡らされる権謀術数、淡い恋物語、いくつもの面白い要素が組み合わさって、飽きることなく引き込まれます。
    シリーズ通し読み確定しました。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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