精霊の守り人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.22
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本棚登録 : 12315
感想 : 1275
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302720

作品紹介・あらすじ

老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。

感想・レビュー・書評

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  • 2024年の課題図書『守り人シリーズ』早めにスタートです!

    また新たなシリーズに手を出してる?
    大丈夫です!一個終わらしてからのーですから!
    なにこの学習能力の高さ
    AIか!っていうね
    次世代AIか!っていうね

    相変わらず前置きが無駄に長い!(無駄に言うな)

    はい『精霊の守り人』

    当たり前のこと言っていいですか?
    まぁ許可なくても言っちゃいますけど

    世界設定がしっかりしてる!
    世界設定がしっかり出来てから書き始めてる!
    行き当たりばったりに書いてない!

    名誉毀損になりそうなくらい当たり前のこと言っちゃいました
    あらためて謝罪します
    ごめんねごめんねー

    そして恩田陸さんの解説がめちゃくちゃ良かった!文庫版にして良かった〜
    もしこれから『守り人シリーズ』を読み始める人がいたら絶対文庫版で!
    新潮文庫は栞紐がすこぶる便利だし!

    あ、結局中身にほぼ触れてないや
    まぁいつものことだから別にいいか
    それに文庫版のレビューだけで千件超えてるんだよ
    今さらあらすじとか追ってもね〜
    なのでこれでいいのだ!

    じゃ!そういうことで!

  •  上橋菜穂子さんの小説は、ファンタジーではあるが、文化人類学者としての知識、深い考察に基づいた作品であるので、いつの時代か世界のどこかに本当に実在した国の歴史小説のようにリアルである。しかし登場人物は遠い昔の人という感じではなく、今の私達と等身大の人物として活き活き描かれている。
     現実に見えている世界「サグ」と目に見えない別の世界「ナユグ」があるという考え方も上橋さんが研究されているどこかの国のどこかの民族に伝わるお話からのヒントかもしれない。
     また、宗教的な立場の権力者が次第に政治に影響力を与えていくということ、国の歴史は権力者の有利なように記録されていくということ、いつの時代でもどこの国でも同じ普遍的なことを土台にしているので、ファンタジーといっても地に足がついていて、大人でも楽しく読める。
     ナユグの水の精霊の卵を体に産み付けられ、そのために卵食い「ラルンガ」に命を狙われるだけでなく、父である帝にも一度は無き者にされかける、新ヨゴ皇国の第二皇子チャグム。
    チャグムの母である第二王妃からチャグムの命を守ることを託される女用心棒バルサ。
     皇子であったのに、下層階級のバルサ、そしてバルサの親友で薬草師のタンダとの命がけの旅の生活が突然始まる。過酷な運命だが、これがロマンがあるのだ。
     バルサも元はカンバル王国という国の王に仕えた医師の娘であったが、過酷な運命に翻弄され、短槍の名手として戦い続ける女性。どちらも家族の愛に恵まれなかったので、バルサとチャグムがまるで母と子のような絆で結ばれているように見える。
     一番夢があったのは、チャグムとバルサとタンダが冬の間暮らした、山深い所にあった洞窟の家だ。入口は人一人やっと通れるくらいなのに、中はとても広く、広い玄関の奥に部屋が四つくらいあり、壁はよく乾いていて、煙出しの穴も囲炉裏もあり、蓆も引かれ、食料品の壺もいくつも棚に並べられ、とても住心地が良いのだ。ここで、三人は身を隠しながら、チャグムがバルサに武術を仕込んでもらったり、昔話を聞かせてもらったり楽しい生活を送るのだ。こんな秘密の家で暮らすような冒険がしてみたかった。
     長いレビューになった。
     バルサは孤独を愛する強い人。
     私も、辛いときはバルサを思い出そう。

  • わかりやすい。
    これが感想の第一。
    物語の方向性が明確で最後まで勢いがあった。

    親しみやすい書き言葉に加えて、人物像も明快に表現されているので読んでいて引っかかる部分が無かった。
    350ページ程度に、よくもここまで物語を書きまとめたな、と驚いた。かと言って物足りなさも感じない。これは非常に優れた著者の描写の取捨選択の表れであろう。
    児童文学などを書かれてきた作家ならではのシンプルさだ。説明が過ぎると読んでいてテンポが悪くなる小説も多くある中、久しぶりに珍しいタイプの作品だな、と感じた。
    ファンタジーでありながら、古来の習わしに馴染みを感じ、決して超人的な能力を持つ主人公が登場することもなく、世界観は絶妙なバランスを保っている。

    ただし説明が省かれた部分は多くあるのだろう。この簡潔な仕上がり。ある意味仕方ない。シリーズとしてはまだまだ続きがあるので、ぜひ読んでみたい。
    やはりファンタジーは良い。

    読了。

  • 壮大な和製ファンタジー!ファンタジーは普段読まないのですが、おもしろかったです。
    女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の第2皇子チャグムを守ることになる。チャグムは精霊の卵を宿しており、父帝が差し向けた刺客に命を狙われていた。しかし先住民ヤクーの言い伝えによれば、100年に1度精霊の卵が人間の子供の中に産み落とされる。卵を狙うラルンガ〈卵食い〉という敵から守り、無事に卵を孵さなければ、国が大干ばつに襲われるらしい。とはいえ、100年前のことなので言い伝えでしか情報がない。それをそれぞれに紐解いていく星読博士シュガと、ヤクーの呪術師トロガイとタンダ。新ヨゴ皇国建国の隠された歴史など、クライマックスに向けてページをめくる手が止められませんでした。バルサとチャグムの間に生まれた親愛の情も素敵でした。

  • 名作だと聞いたので読んでみました。野山や木々を駆ける疾走感が伝わってきて、躍動感にあふれていました。壮大なスケールの物語が奥に隠れているような終わり方だったので、これからの展開が気になります。次作も楽しみです。

  • 予想以上におもしろかったです!

    前に読んだ獣の奏者の終わり方にあまり納得が行かず、避けていた上橋菜穂子さん。友達が貸してくれたので、あまり乗り気ではなかったけれど読んでみました。

    チャグムの成長にほっこりしました。最後の最後にラルンガ〈卵食い〉との戦いが起こり、ドキドキしながら読み進めました。殺意すらあった〈狩人〉のモン、ジン、ゼンたちと、バルサ、タンダ、チャグム、トロガイたちが仲良くなれてよかったです。
    また、チャグムが伸び伸びした生活を捨て、皇太子にならなければいけなくなったときのシーンは胸が詰まるようだったけれど、バルサの「え? ひと暴れしてやるかい?」という言葉で頬が緩みました。チャグムも、その言葉で心が決まったのだと思います。

    続きの、闇の守り人も借りたので、また読みます。

  • 久々に小説を読みました。
    旅の途中で立ち寄った古本屋で購入。
    行きの車中で読破。
    幸福な読書でした。

    詳しい感想は、コチラ。↓
    http://blue-shine.jugem.jp/?eid=156

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      上橋菜穂子が国際アンデルセン賞を受賞。さもありなんですが、このシリーズも途中までしか読んでいない。早く終えて、「獣の奏者」に移りたい。。。
      上橋菜穂子が国際アンデルセン賞を受賞。さもありなんですが、このシリーズも途中までしか読んでいない。早く終えて、「獣の奏者」に移りたい。。。
      2014/04/18
    • アセロラさん
      nyancomaruさんへ
      わたしも未だに続刊は手に取っていないです(汗)
      続きは気になるんですが…。
      nyancomaruさんへ
      わたしも未だに続刊は手に取っていないです(汗)
      続きは気になるんですが…。
      2014/04/22
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「続きは気になるんですが…。」
      私も半分くらいで、足踏み中。サラッと読めると思うと後回しになってしまって。。。
      「続きは気になるんですが…。」
      私も半分くらいで、足踏み中。サラッと読めると思うと後回しになってしまって。。。
      2014/04/28
  • 大分前にドラマで観ていたので想像しやすく、どんどん読み進めることができました。
    最初からグングン引き込まれていく感じがいいですねー!
    シリーズで10巻あるので好みじゃなかったらどうしよう?と思っていましたが余計な心配でした。

  • 児童書の扱いだけれどこのファンタジー、大人にも十分認めてもらえるシリーズ。
    皇子チャグムを助ける女用心棒バルサ。
    出会う人達の個性も(敵も含めて)それぞれが個性的で
    戦いの場面ばかりでなく何気ない日常の中のあらゆることとか架空のモノなのに実に楽しめる。

    バルサのこれからも楽しみ。また読み続けたい。

  • 十数年ぶりの再読。年齢を重ねると、登場人物の心情を深読みできるようになる気がする。初読時も一気読みだったが、今回も駆け抜けるように読み終わった。チャグムのように、自らの役割を知り、自らを律しつつ、その役割を全うする芯の強さがいかに大切か、今の自分にはとても刺さった。生き方を学べる物語だと思う。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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