夢の守り人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302744

感想・レビュー・書評

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  • 守り人シリーズ。花に魂を奪われたタンダを救うため力を尽くすバルサたち。自然とイメージされる風景がとても幻想的。少し成長したチャグムが登場し、バルサたちと再会できたのも良かった。

  • 上橋さんの本を片っ端から読み出してから、今回初めて少し読むのが苦しかったです。
    何故なんでしょうか…文章があまり入ってこなくて。
    トロガイの過去だったり花の設定だったりは興味深く思ったのですがどうしても斜め読みになってしまいました。

    チャグムとの再会までの成り行きはとても面白かったですし、再会シーンもすごく良かったです。

    よくよく考えられたお話であった故に一度取り残されるとついていけなくなってしまう物語な気がしました。
    もちろんそれは私が悪いんですけどね。

    また次も読みます。

    2012.12.11

  • もし自分に諦めきれない夢があって、それは現実の世界ではかなえられないけれど、ある世界ではそれが叶っているなら、私は現実の世界に戻ってくることができるのかな?
    派手なアクションは控えめだけれど、前2作と違い、美しく切ないものがあります。雰囲気も少し異なるけれど、引き込まれる世界観はそのままです。
    タンダの師・トルガイにも若い頃があり(当然だけど)、道を誤ったりすることもあったのだとなんとなくほっとしてみたり。チャグムの再登場が嬉しかったり。
    人間の一生は短く、夢より現実のほうが辛辣ではるけれど、現実のほうが愛しく美しく大切であると感じました。心の奥に響くように語られる物語です。

  • 幸せと不幸の量はやっぱり一緒なんだろなーと思った。

    最近人生って、しんどいことのほうが多いんじゃないかなって思ってたけど、この本を読んで、そうじゃないって思った。
    幸せと不幸の量は一緒。
    不幸と同じだけ幸せがある。
    それを見る力とか覚悟とか勇気とかがあるかどうか。

    不幸の量が多い人は、そこから幸せを見出せると信じられた人なんだと思う。

    べつに世の中は不公平じゃないね。

    私は、しんどい人と出会うことが多い職業だけど、
    私はこの仕事がその人たちに直接的には影響を与えられるとは少しも思ってない。
    でも、私にできることは、その人たちが、
    不幸から同じだけの幸せを見出せることを信じてそばにいることだ。

    まずは、私が、
    自分を不幸だと思わず生きていかなきゃな。

  • 読まないで手元に置いたままだったのがものすごくもったいなく思う。
    もう一度読みたいですね・・・!!

  • かっこいい無敵の女用心棒バルサが活躍するこのシリーズは、彼女の活躍の爽快感、痛快感と共に、彼女自身が、自分の在り様・・生き方に疑問を持ち、少なからず苦悩しているところが、なかなかに奥深くて、ジャンル的には児童書なのですが、大人が読んでも十分満足できるファンタジーです。

    今回は、呪術師という、普通の暮らしからはみだしてしまった師弟が人生について考える。そんな話。

    今いる場所は、自分のいるべき場所ではないかもしれない。どうしても拭えない居心地の悪さ。多分、大人になる手前の頃に、何となく人生の先行きが見えてしまい、誰もが一度は突き当たるそんな思い。トロガイ師とタンダは、その居心地の悪さを敏感に感じ、普通の村人の生活を捨てて呪術師になった。

    でも、一見、自由に見えるその生活は、誰にも守ってもらうことの出来ないアウトローの生活であり、社会の枠組みから外れて、「自由」を手に入れるということは、「孤独」と隣り合わせなのだということ。それによって失うものは、決して少なくないのだという現実。「自分で生き方を選ぶ」とは、どういう事なのか。その辺がちゃんと書かれていて、少年少女には、興味深い内容なのではないかと思います。

    今回タイトルになっている「夢の守り人」とは誰の事なのか?という事に気づいた時、闇に飲み込まれそうになるバルサの心を守っているのは、間違いなくタンダなのだと・・それがタンダの愛の形なのだと気づかされて、ちょっとほんわかした、いい気分になりました。

    「精霊の守り人」では、威勢のいいバルサ姐さんに、いつも置いてきぼりな感じのタンダでしたが、本作では、二人の心はちゃんと繋がっていて、お互いかけがえのない存在で、支え合って生きている・・という事が本当に良く分かります。結婚という枠にハマっていなくても、もう二人は夫婦同然なのですよね。社会の枠から外れて生きる彼らには、そんな枠など、すでに気に止めることではないのかも知れません。

    手の届く所に、自分の心の拠り所となる人がいる。それだけで、彼らはしあわせなのですから。。

  • 守り人シリーズ 第3弾

  • 今回は<花>の設定が難しくって細かいところまで理解したとは
    言えないでせう。でも読み返そう。

    叶わない別の未来、別の運命を夢で見ることの甘さと苦しさを
    ちゃんと言葉として表わして作品にしているものを初めて見た。
    夢というテーマをこんなに暴いているなんて!

  • 【人の夢を糧とする異界の“花”に囚われ、人鬼と化したタンダ。女用心棒バルサは幼な馴染を救うため、命を賭ける。心の絆は“花”の魔力に打ち克てるのか?開花の時を迎えた“花”は、その力を増していく。不可思議な歌で人の心をとろけさせる放浪の歌い手ユグノの正体は?そして、今明かされる大呪術師トロガイの秘められた過去とは?】

    守り人シリーズ第三弾。
    今回はトロガイの過去が描かれています。
    主役がタンダではないからか
    前2作品のような激しい格闘シーンは少なかったですが、
    タンダを想うバルサの気持ちがひしひしと伝わる心打たれる作品でした。
    夢の中の世界で生きればきっと幸せが続くのだろうが・・・
    私は現実を生きたいですね。
    シリーズ3作品は違う話から成り立っているものの
    繋がってる部分も多いので、
    このシリーズを読むならやはり
    【精霊の守り人】から読み始めることをお薦めします。

  • 前2作とはまたちょっと違った感じの物語だけど、躍動感ある文章は読み応えあり。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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