神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302768

作品紹介・あらすじ

女用心棒バルサは逡巡の末、人買いの手から幼い兄妹を助けてしまう。ふたりには恐ろしい秘密が隠されていた。ロタ王国を揺るがす力を秘めた少女アスラを巡り、"猟犬"と呼ばれる呪術師たちが動き出す。タンダの身を案じながらも、アスラを守って逃げるバルサ。追いすがる"猟犬"たち。バルサは幼い頃から培った逃亡の技と経験を頼りに、陰謀と裏切りの闇の中をひたすら駆け抜ける。

感想・レビュー・書評

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  • 全くバルサには困ったもんだ
    また命を狙われた子どもを助けて、大変なことにクビを突っ込んでしまったよ
    付き合わせられるこちらの身にもなってほしいものだ

    短槍使いの女用心棒バルサの物語に戻ってまいりました
    そしてわいもバルサが心から大事に思う幼なじみの呪術師タンダの立ち位置に戻ってきました
    思いだしました
    そういえばわい星読博士じゃなくて呪術師だったっけ(この人何言ってるの?)

    いよいよ守り人シリーズの世界に神様登場ですよ!
    「あんだって?あたしゃ神様だよ」(ドリフ世代)

    今回、またも追われる身となったバルサを追うのは新ヨゴ皇国の東に位置するロタ王国の〈猟犬〉と呼ばれる一族

    そりゃあそうよね
    こんなすんごい地図を作り上げたら端から端まで使い尽くしたいよね

    よし、わいも鷹の目(読めばわかる)を使ってロタ王国を旅するぜ!

    旅は下巻へ!

    • 1Q84O1さん
      ありの〜ままの〜姿見せるのよ〜ぉ♪
      ありの〜ままの〜自分になる〜ぬぉ〜♪
      ありの〜ままの〜姿見せるのよ〜ぉ♪
      ありの〜ままの〜自分になる〜ぬぉ〜♪
      2024/04/05
    • ひまわりめろんさん
      そこは、「ぬぉお〜」じゃない?
      そこは、「ぬぉお〜」じゃない?
      2024/04/05
    • 1Q84O1さん
      訂正しときます
      ありの〜ままの〜自分になるぬぉぉぉお〜♪
      訂正しときます
      ありの〜ままの〜自分になるぬぉぉぉお〜♪
      2024/04/05
  • 迫害を受けている人々の根底にあるもの、その原因が為政者によって作られたもの、もしくは、祖先が自ら選び取ったもの等、現代における差別構造を考えるきっかけになる。映像が浮かびやすい書きぶりは健在。

  • 来訪編、帰還編とまた一気読み。アスラとチキサというタルの民の兄妹との出会いでまたバルサは辛い旅路へと…

  • おもしろーーーい!
    というにはあまりに残酷なお話ですが、それでもやっぱり面白いと私は言いたいです。

    今作はロタ王国のお話で、ロタとヨゴの境界にある草市へ向かったバルサとタンダが、ロタで古くから恐れられている神、タルハマヤを召喚できる少女に出会い、少女を守るために奮闘するのですが、長編なのもあり今まで以上に緻密に練り上げられた感があります。こういうのたまんない。すきすぎる。

    アスラをめぐって、追いつ追われつを繰り返していく前半は読んでるこちらまで胸が苦しくなるし、アスラに宿るタルハマヤの恐ろしさに震えますが、バルサと行動を共にするアスラの心が少しずつ洗われていく姿に僅かながら希望の光が射している気がして...。それにバルサならきっとやってくれるだろうなという期待も当然ありますし。とにかく後半!どうなるんだ~

  • ロタ王国の牢城で起きた奇怪な事件。
    事情を知らずに、美少女アスラとその兄を助けた女用心棒のバルサ。
    12歳の少女一家にはロタ王国を揺るがす恐ろしい秘密が…
    タンダと共に、なんとか命を助けようとするが。
    畏ろしき神の流れ来る河とは。
    ロタ人の呪術師スファルは、カシャル(猟犬)という一族で、タルの民が禁忌を犯さないように代々見張っていたのだ。
    スファルにさえも見抜けなかったことが…?!

  • TVは全く観ないので
    信頼のおける知人から
    「これ 面白いよ」
    と推された「映像」のみを観ることがある。
    その一つが
    「精霊の守り人」シリーズであった。
    これはネットフリックスで拝聴しました。

    その中で
    マーサの役を 渡辺えり さん
    スファルの役を 柄本明 さん
    が演じておられたのですが

    正に適役だな と 思った

    「精霊の守り人」シリーズ
    ますます 面白くなっていきます

  • 獣の奏者へとつづくものがあった気がしてわくわくする

  • バルサとタンダが幼い兄弟を守ろうと動く。
    マーサがアスラに言った言葉、バルサがアスラの未来を願った場面、涙がでました。

  • 大きな河が流れ始めた。しかし、その前にこの会話に注目したい。

    バルサはため息をついた。
    「なにを知っても、判断のつらさは変わらないだろうよ。いずれにせよ判断は、ただひとつだ。あの子らを殺すか、殺さないか。それだけだろう?だれが殺すかは問題じゃない。殺されるのを知っていながら見過ごせば、わたしらが手を下したのと同じことだ」
    タンダはだまりこんだ。そして、長い沈黙のあとで、つぶやくように言った。
    「‥‥だが、スファルが恐れているように、あの子が人を殺していく、災いをひろげる者であるなら、あの子を助ける者は、未来の殺人の手助けしていることになる。殺されるかもしれない人たちだって、あの子とおなじ、ただひとつの生を生きているんだぞ」
    「だから、あの子を今のうちに殺すのかい?」
    そういって、バルサは苦い笑みを浮かべた。
    「いずれ災いの種になるから、殺したほうがいい、か。そういう理屈は、いやというほど知ってるよ」
    タンダはハッとしてバルサを見た。バルサは苦笑していたが、その目は、笑ってはいなかった。触れたら、切れそうなほどの怒りが、揺らめいていた。
    「おまえなんぞ野良犬だ。蚤が移るから、殺したほうが人のためになる。面と向って、そう言われ、けとばされる子どもが、どんな思いをして生きのびるか、あんた、考えてみたことがあるかい」(95p)

    特殊な事情を普遍化して考えるのはよくないことかもしれない。しかし、将来災いをもたらすから、今のうちにその芽を摘み取ろうと言って「いのち」を削ろうとする議論は、戦争を始めるときのほとんどの論理だ。バルサは感情に飲み込まれて言っているわけではない。いっときの問題でもなく、一生をかける覚悟で、しかもその「いのち」を守る「器」を持っている自覚があって言っているのである。

    それは我々にも突きつけられている「覚悟」なのかもしれない。

    一方では、一国の運命と個人との関係をどう考えるのか。という問題があり、

    一方では、大国との外交と一国の財政問題をどう考えるのか。という問題があり、

    一方では、この世と異世界との関係、つまり「世界」をどう見るのか。という問題がある。

    そういう「大きな河」が流れ始めた。

    そういうおそらく「大きな河」のほんの第一部の上巻なのに、最後の数行でちょっと涙ぐんでしまった。上橋さん、上手いよ。
    2015年5月15日読了

  • 2013.10.5読破。とうとう舞台にロタ王国が出てきて大変嬉しい。このシリーズは男性が武器を持ち戦い、女性が治療や呪術で影から支えるというファンタジーの中のジェンダーを思いっきりひっくり返しているのがいい!
    バルサさん本当にかっこいい。
    これは児童書にあたる本だが、主人公が30代の女性で感情移入とかできるのかな?児童書として成り立つのかな?と思っていたがどの巻にも子供は必ず物語の中心に登場するから子供でも感情移入はできるし、むしろ登場人物の年齢層が幅広い作品でもあるから本当に老若男女問わず楽しめる作品なんだろうなと思った。
    さて、続き読も。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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