神の守り人〈上〉来訪編 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302768

感想・レビュー・書評

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  • 全くバルサには困ったもんだ
    また命を狙われた子どもを助けて、大変なことにクビを突っ込んでしまったよ
    付き合わせられるこちらの身にもなってほしいものだ

    短槍使いの女用心棒バルサの物語に戻ってまいりました
    そしてわいもバルサが心から大事に思う幼なじみの呪術師タンダの立ち位置に戻ってきました
    思いだしました
    そういえばわい星読博士じゃなくて呪術師だったっけ(この人何言ってるの?)

    いよいよ守り人シリーズの世界に神様登場ですよ!
    「あんだって?あたしゃ神様だよ」(ドリフ世代)

    今回、またも追われる身となったバルサを追うのは新ヨゴ皇国の東に位置するロタ王国の〈猟犬〉と呼ばれる一族

    そりゃあそうよね
    こんなすんごい地図を作り上げたら端から端まで使い尽くしたいよね

    よし、わいも鷹の目(読めばわかる)を使ってロタ王国を旅するぜ!

    旅は下巻へ!

    • 1Q84O1さん
      ありの〜ままの〜姿見せるのよ〜ぉ♪
      ありの〜ままの〜自分になる〜ぬぉ〜♪
      ありの〜ままの〜姿見せるのよ〜ぉ♪
      ありの〜ままの〜自分になる〜ぬぉ〜♪
      2024/04/05
    • ひまわりめろんさん
      そこは、「ぬぉお〜」じゃない?
      そこは、「ぬぉお〜」じゃない?
      2024/04/05
    • 1Q84O1さん
      訂正しときます
      ありの〜ままの〜自分になるぬぉぉぉお〜♪
      訂正しときます
      ありの〜ままの〜自分になるぬぉぉぉお〜♪
      2024/04/05
  • TVは全く観ないので
    信頼のおける知人から
    「これ 面白いよ」
    と推された「映像」のみを観ることがある。
    その一つが
    「精霊の守り人」シリーズであった。
    これはネットフリックスで拝聴しました。

    その中で
    マーサの役を 渡辺えり さん
    スファルの役を 柄本明 さん
    が演じておられたのですが

    正に適役だな と 思った

    「精霊の守り人」シリーズ
    ますます 面白くなっていきます

  • 大きな河が流れ始めた。しかし、その前にこの会話に注目したい。

    バルサはため息をついた。
    「なにを知っても、判断のつらさは変わらないだろうよ。いずれにせよ判断は、ただひとつだ。あの子らを殺すか、殺さないか。それだけだろう?だれが殺すかは問題じゃない。殺されるのを知っていながら見過ごせば、わたしらが手を下したのと同じことだ」
    タンダはだまりこんだ。そして、長い沈黙のあとで、つぶやくように言った。
    「‥‥だが、スファルが恐れているように、あの子が人を殺していく、災いをひろげる者であるなら、あの子を助ける者は、未来の殺人の手助けしていることになる。殺されるかもしれない人たちだって、あの子とおなじ、ただひとつの生を生きているんだぞ」
    「だから、あの子を今のうちに殺すのかい?」
    そういって、バルサは苦い笑みを浮かべた。
    「いずれ災いの種になるから、殺したほうがいい、か。そういう理屈は、いやというほど知ってるよ」
    タンダはハッとしてバルサを見た。バルサは苦笑していたが、その目は、笑ってはいなかった。触れたら、切れそうなほどの怒りが、揺らめいていた。
    「おまえなんぞ野良犬だ。蚤が移るから、殺したほうが人のためになる。面と向って、そう言われ、けとばされる子どもが、どんな思いをして生きのびるか、あんた、考えてみたことがあるかい」(95p)

    特殊な事情を普遍化して考えるのはよくないことかもしれない。しかし、将来災いをもたらすから、今のうちにその芽を摘み取ろうと言って「いのち」を削ろうとする議論は、戦争を始めるときのほとんどの論理だ。バルサは感情に飲み込まれて言っているわけではない。いっときの問題でもなく、一生をかける覚悟で、しかもその「いのち」を守る「器」を持っている自覚があって言っているのである。

    それは我々にも突きつけられている「覚悟」なのかもしれない。

    一方では、一国の運命と個人との関係をどう考えるのか。という問題があり、

    一方では、大国との外交と一国の財政問題をどう考えるのか。という問題があり、

    一方では、この世と異世界との関係、つまり「世界」をどう見るのか。という問題がある。

    そういう「大きな河」が流れ始めた。

    そういうおそらく「大きな河」のほんの第一部の上巻なのに、最後の数行でちょっと涙ぐんでしまった。上橋さん、上手いよ。
    2015年5月15日読了

  • 2013.10.5読破。とうとう舞台にロタ王国が出てきて大変嬉しい。このシリーズは男性が武器を持ち戦い、女性が治療や呪術で影から支えるというファンタジーの中のジェンダーを思いっきりひっくり返しているのがいい!
    バルサさん本当にかっこいい。
    これは児童書にあたる本だが、主人公が30代の女性で感情移入とかできるのかな?児童書として成り立つのかな?と思っていたがどの巻にも子供は必ず物語の中心に登場するから子供でも感情移入はできるし、むしろ登場人物の年齢層が幅広い作品でもあるから本当に老若男女問わず楽しめる作品なんだろうなと思った。
    さて、続き読も。

  • 20111029
    1日

  • 守人シリーズ第5弾。(上下巻合わせての感想。)

    今のところ、ファンタジーの中では、ハリーポッターに次いで好きなシリーズ。

    どうやったら設定やそれらしい名前などこんなに思いつけるのか、毎度感心するばかり。

    今回はバルサとタンダが登場する話で、舞台は隣国のロタ王国。

    今までより、どのような状況か想像できない部分があったのと(想像力が乏しい)、ちょっと悲しさが強めだったので星マイナス1。とはいえ、ぐいぐいと話に引き込まれた面白かったです。

  • 身に殺戮のカミサマを招くことの出来る異能者の少女の扱いに関するあれこれ。
    危険すぎるから即処分すべしというロタ側の考えも、少女が力を使うのを自ら封じる良心を持つのを信じたいというタンダとバルサ側の意見もどちらも正しい。下巻でどう決着をつけるのか気になる。

  • 守り人シリーズ5巻。本作は初めての上下巻です。

    今度はロタ王国が舞台で、前作での明るく陽気な雰囲気からは一転、逃亡と殺戮の日々が続きます。

    本作ではチャグムは登場しませんが、サンガルに行った4巻と時間軸が少し重なっていて、ちょっとうれしくなりました。
    二人が再会する時はあるのかなあ、させてあげたいな。
    なんてバルサは現在、そんなことを言ってる場合ではなかった!

    この5巻は、鬼神であるタルハマヤを呼び寄せる力を持ってしまった少女アスラを追手から守るバルサの物語です。

    「それが正義であれば、殺人は許容すべきか。」
    という重いテーマが描かれていて、やっぱりいろいろ考えさせられました。
    殺さない道を探すべきとも思うし、そもそも殺せば完結するの?とも思う。でも、万人を危険にさらす可能性も確かだし、それを政治的に利用させてしまえば取り返しがつかない・・・
    それぞれの立場での正義があり理屈があるのがわかるだけに、自分の考えがブレまくりです(涙)

    下巻、どうなっちゃうんだろう・・・

  • シリーズ5作目。すっかり世界が拡張しロタ王国が舞台。物語の合間に描写される食べ物がやたらと旨そうに描かれている。後半も期待。

  • 身の内に恐ろしい神タルハマヤを宿らせた少女アスラを守る事になったバルサ。
    呪術という特殊な能力を持つだけに、彼女に触れたときただごとではない<死の匂い>にぞっとし、危険を感じたタンダ。バルサにも「関わらないでくれ、バルサを失いたくない」と懇願する。

    そうしながらも、身に危険が差し迫った時にタルハマヤを召還して自身は無意識の内に虐殺してしまうアスラと、恐ろしい神が完全に甦る前にアスラを殺してしまおうとする追手の間で、タンダは彼女がもたらす災厄の恐怖と彼女が普通の少女として生きていける未来の可能性に悩む。

    タンダが出した結論は、アスラがおのれを知り怖ろしい神を招くぐらいなら死をえらぶ可能性を信じる事。アスラを見守り続け、止められない時には殺して責任を取ると。

    「責任をとるというのは、殺す、ということだ。止められぬ時がきたら、殺す、といっているのだ。きっと、バルサも、おなじことをいうだろう。おれは、なにも起こらぬうちに、アスラを殺すのはゆるせない。アスラがまちがったことを、選んだら、そのとき殺す、といっているのだ。おれと、バルサと、ふたりで。」(P213)

    タンダは優しく温かい男だけど、こんな強さも持っているんだなあと見直してしまった。これまでのシリーズにはない暗澹たる雰囲気から始まるお話で、未だにどこに終着するか読めない。ドキドキ感もピカイチ。
    このままハラハラと読み進めてみる。

著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

上橋菜穂子の作品

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