神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

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著者 : 上橋菜穂子
  • 新潮社 (2009年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302775

神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 神の守り人 下 帰還編 読了

    バルサがチャマウであるアスラを連れて、シハナの罠に飛び込んでいく後編

    ハラハラ ドキドキバルサの世界を存分に楽しめた。

    ドラマとラストは違ったが、あまりの大きな宿命であるのでこんなエンディングがまた切なく真実味があった。

    文庫本あとがき「プロフェッショナルの魅力」を読んで
    作者 上橋菜穂子の人への敬意がとても伝わる
    「プロになるということは 『他者から頼られるようになる』ということ」
    社会人としては 心しておかなければならない 良いあとがきだった。

  • 来訪編に引き続き、一気に読んだ。

    人を憎み、その死を喜ぶ人生を、アスラに歩ませたくないという一念から、満身に傷を負いながらも戦うバルサ。
    バルサから引き離され、アスラはどうなってしまうのか、結末を知っているのに、ハラハラしながら読んだ。

    それから、この巻へきて印象的だったのは、一つの歴史、伝承が、ロタ人のもの、タル・クマーダのもの、そしてロタ人の中でも虐げられてきたラマウたちが、シハナの扇動によって作り上げたもの、と多層化していくところだ。
    現実世界でもよく起こること。
    隣国間で歴史認識の違いとか、思いつくことはいろいろある。

    物語の細部のリアルさも、相変わらずすごい。
    隊商に混ざってロタへ旅するアスラが、ロタ人の牧夫頭に、彼女にとっては外国語であるロタ語で言われた「いい子だ(マシュル・ライ)」に、父を思い出し、そのことに不思議がる場面がある。
    これが何かの伏線になっているのかとも思ったけれど、そうでもなかった。私の読み飛ばしでなければ。
    ただ、プルーストのマドレーヌの話ではないけれど、連想の不思議さが、すごくよくわかる。

  • 今後この話がチャグム達の話と繋がっていくのかと思うと、ワクワク。続きのシリーズが気になる。

  • 守り人シリーズ第5巻・下。
    母の想いや民族の未来ために、自分の意思とは異なる選択をするか――12歳の少女にはとてつもない重圧です。物語を通して、異国や異文化との向き合い方にも、本当に様々な立場と視点があると気付かされます。
    揺るぎない信念を持って、決して器用ではないけれど真正面から人と向き合うバルサの言葉は、やはり一つ一つに重みがあります。

  • 主人公バルサの魅力がますます増して架空の国架空の時代の物語のはずなのにとても現実味がありこの世界観に夢中になります。美しい文体も好きだな。

  • 重い話だった…バルサの傷の重さも、アスラとチキサの心の傷も。でも、すべてが綺麗に片付いたわけでもないし、心身ともに深い傷を負ってる人はたくさんいるけど、それでも爽やかな読後感。やわらかい風が吹いたみたいな。
    ロタ王国は、兄妹は、この後どうなるんだろう?
    苛酷な運命に翻弄されている2人や、バルサやタンダの未来が明るいものでありますように。

  • 神の名の下に、幼い少女アスラに、周囲の大人たち(しかも母親含む)が人殺しをさせようとするとんでもない話。
    バルサや兄チキサはアスラのことを想って行動する。でも、他の大人たちは、アスラを道具としか見ていない残酷さがつらい。
    でも、神の力を手に入れて人殺しができるなら、仮にその力を制御できないかもしれなくても・・・
    社会や国家単位で物事を考えると、魅力的に思えてしまう力なのだとわかってしまう年齢になってしまった。
    でも、大事な人を守りたいという気持ちを持ち続け、行動に移せる大人でありたいと思った。

  • 下巻の方も面白く読めた。戦闘シーンはリアリティあり、バルサは芯が強く、思いやりの心を持つ、人間味が更にましていて良い。アスラの生い立ちを追っていくと、運命というのは時に残酷であることがひしひしと感じられ、そのことが精神状態にも影響されるだろうと思うと、複雑な気持ちもある。もうひとりキーとなったのが、シハナの存在で恐れられている人物であることが感じられる。今後、王国に同影響するかが鍵である。バルサと同様、タンダも魅力ある人物なのが良い。アスラの最後は、物悲しいもので、チキサとの関係が今後良くなればと願う。

  • アスラの心の強さ。
    バルサがチキサに言った「あんた、もうすこし妹を誇ってやりなよ」

    アスラが目覚めてほしいと思った。

  •  該「神の守り人」上下巻で伺える余りに自然な巻き込まれ事件譚を見るにつけ、旅する用心棒家業というのが、物語(場面設定)を構築する上で、何とも便利なアイテムであることが雄弁に感じられるところ。
     まぁ、これは藤沢周平の「用心棒日月抄」でも感じたところだが…。

     お話の面白さと疾走感(ハラハラドキドキ感)を生む文体と、その素晴らしさは、既読の守り人シリーズのレビューで散々出し尽くしてきており、いまさらここで言及する必要はないだろう。

  • 過去に先祖が犯した罪により、現在も人として扱ってもらえず、虐げられ、息を殺すように生きているタルの民。

    タルハマヤが<畏ろしき神>と言われているのは、歴史の勝者によって書き換えられた史実なのでは・・・。
    と思い込みたい気持ちはよく分かる。

    ファンタジーとして書かれているが、現代社会にも当てはめられる内容だ。
    虐げられ、抑圧された人々が、何かをキッカケにタガが外れてしまうのは、現代社会でもあることだ。

    ロタ王国は、恨みと憎しみでできている。
    北部は南部を恨み、タルの民はロタ人を恨む。
    この負を断ち切りたかったのかも知れないが、タルの民の苦しみを利用したシハナは許されるものじゃない。

    アスラ・チキサ兄妹のその後も、シハナのその後も、残りの『守り人シリーズ』で明かされるのでしょう。
    シリーズも終盤。年内に読み終わりたいなー

  • 2016/11読了。自分の力と折り合いをつけようとするアスラ。最後にぎりぎりの決断で力を封じ込めたものの、自身は深い眠りにつくという少し哀しい結末。後のシリーズで目覚めたアスラが出てきたらいいなあ。

    この話を読んで、中島みゆきさんの「nobody is right 」を思い起こししました。みんな自分の歴史観で、自分の正義感で動いている。一方にとっての正義は他方にとって受け入れがたい。それは独善なのか過ちなのか… 難しいですね。

  • シハナが敵キャラではあるけれども、彼女なりの正義をもって動いている。タルハマヤは鬼子ではないのかもしれない、ロタ人に都合のいいように捻じ曲げられた伝承なのかもしれない。やはり、勝者=正義。

    シハナは、タアルズをはるかな高みから見渡すような客観的な目を持っている。勝利の図を導き出すことができる。一方、バルサは、高みから見渡すようなことはしない。自分の、あるいは自分が守ってやりたいと思う人の目線で、現実を見つめている。そこに勝ち負けは関係ない。

    やはり、シハナよりバルサのほうが好感度は高いだろう。それでも、バルサのようにしっかりとした経験に基づいた考えを持っていなければ、シハナについて行きたくなる。アスラはバルサに会えて、本当に良かった。バルサと一緒に旅をしなければ、あっさりとサーダ・タルハマヤになっていただろう。

  • ◆豊かな南部の大領主と貧しい北部氏族の対立。混沌としたロタ王国を悲観した猟犬<カシャル>の女シハナは、国を立てなおす危険な計画を水面下で進めていた。
     かつて恐怖によって古代ロタルバルを支配したという神人サーダ・タルハマヤ<神とひとつになりし者>。タルの民の少女アスラは、かの神人と同じく、異界から血に飢えたタルハマヤ神をその身に招く力を秘めていた。歴史の表舞台から身を引き、迫害されてきたタルの民に渦巻く不満。猟犬<カシャル>の女シハナにとって、アスラは、南北で対立する氏族をまとめ、改革を進めるために大きな利用価値があった。
     異界から流れくる<畏ろしき神>とタルの民の秘密とは?
     そして王家と<猟犬>たちとの古き盟約とは?
     バルサは、自分の<力>を怖れながらも残酷な神へと近づいていくアスラの心と身体を守り、冷徹なシハナの野望を阻止できるのか?

     用心棒として経験を積んできたバルサと、非凡な武術の使い手であり頭も切れるシハナとの直接対決は読みどころの一つ。血まみれの人生を歩んできた自分と、アスラを重ね合わせ、なんとかふつうの少女にもどしてやりたいと願うバルサの思いが切ない。
     国内の南北格差や少数民族への差別など、今日に通ずる問題をはらむ第六巻。


    (^^)<Comment

  • 来訪編読了後、続きが気になるので読み始めると、ほぼ一気に読み切りました。途方もない力を持ってしまったアスラ、圧倒的な力とシハナの陰謀に飲み込まれそうになる幼いアスラを必死で救おうとする兄チキサとバルサ達。ハラハラしっぱなしの後半でした。

  • みんな凄く頑張った!(T-T)そしてバルサとタンダの魂の繋がりの強さを再認識(^^)一人で最高に盛り上がっていたところで、この終わり方ってどうなのよ?と思った(^^;)国は?シハナは?アスラは?どうなっちゃうの~(>_<)

  • 守り人シリーズ6巻。神の守り人の下巻です。

    上巻からあげられている「それが正義であれば、殺人は許容すべきか」 という重いテーマに対し、本巻で一定の答えは出たのではないでしょうか。
    戦いを通じてバルサの背負う悲しみの重みがひしひしと伝わり、彼女ならではの理論で殺人をしてはいけない理由が語られた時、とても納得感がありました。
    また、ラストは手放しで喜べるものではないですし、ロタ王国の問題は全く解決には至っていないけれど、わずかな希望の光が見えた感じはよかったです。

    今回の事件では、上記の他にも人種差別や地方格差、新興宗教やテロなど、現代でも悩ましい問題が織り込まれていて考えさせられることが多々あり、しかもそれが、世界のどこかでの出来事ではなく、すぐ隣で起きていることという現実感を以て迫ってきました。
    相手の立場に立つこと、が、ね。解決の一歩かもしれません。

  • タルハマヤというこわい神を招く者、アスラ。
    一人のカシャルによって、完全に神と一つにしようとする。
    そして、カシャルの仕組んだことによってアスラが、神を招いてしまう・・・
    挿絵のタルハマヤ、こわかった!

  • 大変だよ。孤高がいいよ。力を持ってのもいいね。ひとり勝ちって気持ちいーし。集団ってめんどくさい。それぞれの想いを抱え込むし。でもね…。

  • 守り人シリーズ、必ずどこかで泣いてしまうんだよな…。
    圧倒的な世界観。深くて壮大な、それでいて人間くさい。
    この人たちは、生きている。
    哀しさと強さ。冷たさとあたたかさ。

    余韻に浸る。
    あー、もう。止まらない。

  • このシリーズは今の私のブームです。
    この世界に浸ったら、しばらく帰ってこれません。

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