神の守り人〈下〉帰還編 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.23
  • (749)
  • (735)
  • (306)
  • (11)
  • (2)
本棚登録 : 5631
感想 : 391
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101302775

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • シハナが敵キャラではあるけれども、彼女なりの正義をもって動いている。タルハマヤは鬼子ではないのかもしれない、ロタ人に都合のいいように捻じ曲げられた伝承なのかもしれない。やはり、勝者=正義。

    シハナは、タアルズをはるかな高みから見渡すような客観的な目を持っている。勝利の図を導き出すことができる。一方、バルサは、高みから見渡すようなことはしない。自分の、あるいは自分が守ってやりたいと思う人の目線で、現実を見つめている。そこに勝ち負けは関係ない。

    やはり、シハナよりバルサのほうが好感度は高いだろう。それでも、バルサのようにしっかりとした経験に基づいた考えを持っていなければ、シハナについて行きたくなる。アスラはバルサに会えて、本当に良かった。バルサと一緒に旅をしなければ、あっさりとサーダ・タルハマヤになっていただろう。

  • ◆豊かな南部の大領主と貧しい北部氏族の対立。混沌としたロタ王国を悲観した猟犬<カシャル>の女シハナは、国を立てなおす危険な計画を水面下で進めていた。
     かつて恐怖によって古代ロタルバルを支配したという神人サーダ・タルハマヤ<神とひとつになりし者>。タルの民の少女アスラは、かの神人と同じく、異界から血に飢えたタルハマヤ神をその身に招く力を秘めていた。歴史の表舞台から身を引き、迫害されてきたタルの民に渦巻く不満。猟犬<カシャル>の女シハナにとって、アスラは、南北で対立する氏族をまとめ、改革を進めるために大きな利用価値があった。
     異界から流れくる<畏ろしき神>とタルの民の秘密とは?
     そして王家と<猟犬>たちとの古き盟約とは?
     バルサは、自分の<力>を怖れながらも残酷な神へと近づいていくアスラの心と身体を守り、冷徹なシハナの野望を阻止できるのか?

     用心棒として経験を積んできたバルサと、非凡な武術の使い手であり頭も切れるシハナとの直接対決は読みどころの一つ。血まみれの人生を歩んできた自分と、アスラを重ね合わせ、なんとかふつうの少女にもどしてやりたいと願うバルサの思いが切ない。
     国内の南北格差や少数民族への差別など、今日に通ずる問題をはらむ第六巻。


    (^^)<Comment

  • みんな凄く頑張った!(T-T)そしてバルサとタンダの魂の繋がりの強さを再認識(^^)一人で最高に盛り上がっていたところで、この終わり方ってどうなのよ?と思った(^^;)国は?シハナは?アスラは?どうなっちゃうの~(>_<)

  • 2016.9.9

  • 20160903読了

  • 20160831

  • 大変だよ。孤高がいいよ。力を持ってのもいいね。ひとり勝ちって気持ちいーし。集団ってめんどくさい。それぞれの想いを抱え込むし。でもね…。

  • 守り人シリーズ、必ずどこかで泣いてしまうんだよな…。
    圧倒的な世界観。深くて壮大な、それでいて人間くさい。
    この人たちは、生きている。
    哀しさと強さ。冷たさとあたたかさ。

    余韻に浸る。
    あー、もう。止まらない。

  • このシリーズは今の私のブームです。
    この世界に浸ったら、しばらく帰ってこれません。

  • チャグムの放浪記。 大きくなって外の国々を放浪して自国の状況と他国の動きが理解できて自国をいかにしたら救われるかを悩むところがいい。すぐ次に行くので読むのが止まらない。

全391件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

上橋菜穂子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×