関ヶ原連判状 上巻 (新潮文庫 あ 35-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101305141

感想・レビュー・書評

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  • 古今伝授のお話が読みたくて手に取った。戦国時代は難しい。
    2018/1/8

  • 関ヶ原の頃の話だが、主人公が意外。石堂多聞という恐らくフィクションの人物が、細川幽斎につかえて壮大な計略に巻き込まれていく話。もちろん石田治部や徳川家康も登場するが、関ヶ原の合戦自体はほんの数行しか書かれておらず、そこに至るまでの朝廷を巻き込んだ隠謀が解き明かされていくのが主なストーリー。同じ時代の描写でも司馬遼太郎は軍記物、安部龍太郎は戦国時代ミステリーというくらい、アプローチが違う気がする。

  • 平成25年5月6日読了。

  • 「神々に告ぐ」「信長燃ゆ」との戦国三部作の第3作です。
    この本では、石田三成の西軍と徳川家康の東軍が形成される中、独自の第3の勢力を作ろうと画策した細川幽斎の策略と、細川幽斎が籠城した田辺城の戦いなどが書かれています。

    最後はこのシリーズである公家との関わりが出てきますが、石田三成が織田信長の後の天下布武を目指した、ということで、割と好感の持てる武将として描かれているのが印象的でした。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/post_6676.html

  • 関ヶ原の戦直前、徳川、石田どちらにも付かず加賀前田家と提携し第三極を模索した細川幽斎の活躍を描く、面白い歴史読物。主人公の石堂多門のほか、女中のお千代、鷹使いの夢丸、敵方である蒲生源兵衛など登場人物が魅力的。上巻は和歌の伝統を受け継ぐ「古今伝授」を利用して朝廷を巻き込み、幽斎が田辺城に籠城するまでを描く。隆慶一郎の作品ほどのスピード感、緊張感はないような気もするが、楽しめる。

  • 細川幽斎が主人公の話。
    古今伝授を使って天下を操ろうとしています。
    これは今後ifの話になるんだろうか??

  • 天下分け目の一大合戦に、もう一つの戦いが隠されていた。
    名門・足利将軍家の血を引く稀代の才覚者・細川幽斎藤孝。彼は風雲急を告げる関ヶ原前夜において「古今伝授」という伝家の宝刀を持ち出し、天皇家をも巻き込んだ策謀を巡らせる。狙いは打倒徳川!である。
    徳川の脅威に晒されていた加賀前田家を抱き込み、嫡男・忠興の立場などそっちのけ。一直線に目標に向かいながら、わき道を塞ぐようにして張り巡らせたあらゆる謀略に家康の懐刀・本田正純が立ちはだかる!!はたして細川幽斎の策謀は通用したのか??
    読み進めるごとに作品に没入していくのがわかるほど、のめり込んでしまう作品!
    病床にあったかの隆慶一郎氏に「最後に会いたい」と言わしめたほどの俊才安部龍太郎代表作。『血の日本史』以来、話題作を書き続けている彼の今後に、さらなる期待が持てます!!

    1999年11月/新潮社/新潮文庫

  • 全国に波及した関ヶ原の戦いの中で数万を数える西軍釘付けにし善戦した城がいくつかありますが、その中のひとつで他の戦とやや毛色を異にする田辺城の戦いを題材に、それが実は幽斎の策謀で…という話。石堂多門というかつて織田に滅ぼされた一族の生き残りを主人公に置き、古今伝授を巡り、朝廷をも巻き込んでの話はとても地方戦のひとつで片付けるには片付かないほど壮大なものです。「風の如く水の如く」同様、加賀への使い、ガラシャたちの死、古今伝授、土壇場の大どんでん返しなどなど山場が数多く用意されていて上下巻ですが、一気に読みきれるのではないかと思います。私的一番の見所はやはり上巻の千丸のくだり。もうただただ切ないんですが、これがなければ話が成り立たんくらい大きな存在なのですよ。
    この話でもやはり石田さんは被害者だと思います。ただし、かなりカッコ良い感じというか弁護もされてる感があるのですが、関ヶ原を題材としてしまうとやはりこうなりますよね。なんか企む幽斎さんは勿論、漢らしい石田さんを見たい方にもオススメ。

  • 上下巻

  • 徳川家康か、それとも石田三成か。時代が天下分け目の戦いに向けて風雲急を告げつつあった頃、そのどちらにも与せず、第三の道を画策する巨人がいた。足利将軍家の血をひく細川幽斎―。徳川の脅威にさらされる加賀前田家と提携した幽斎は、和歌の正統を受け継ぐ「古今伝授」を利用し朝廷を巻き込む一大謀略戦を仕掛けた。未曾有のスケールで描き上げる、関ケ原合戦驚愕の真相。

    2009.7.12読了

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著者プロフィール

作家。1955年福岡県生まれ。久留米工業高等専門学校卒。東京の図書館司書を経て本格的な執筆活動に入る。1990年、『血の日本史』(新潮社)で単行本デビュー。『彷徨える帝』『関ヶ原連判状』『下天を謀る』(いずれも新潮社)、『信長燃ゆ』(日本経済新聞社)、『レオン氏郷』(PHP研究所)、『おんなの城』(文藝春秋)等、歴史小説の大作を次々に発表。2015年から徳川家康の一代記となる長編『家康』を連載開始。2005年に『天馬、翔ける』(新潮社)で中山義秀文学賞、2013年に『等伯』(日本経済新聞社)で直木賞を受賞。

「2023年 『司馬遼太郎『覇王の家』 2023年8月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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