普通の家族がいちばん怖い―崩壊するお正月、暴走するクリスマス (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101305615

作品紹介・あらすじ

いま、日本の食卓が激変している。223世帯を対象に実施された「フツウの家族の実態調査」が顕かにしたのは、破滅する食習慣と歪な親子関係だった。元日の朝ひとり菓子パンを食べる子供、大学受験生の息子にサンタクロースを信じさせる親。バラバラの「恣意」をリベラルな「自由」と錯覚する、ノリ重視の家族の実態とは-これまで誰も言及しなかった、まったく新しい現代家族論。

感想・レビュー・書評

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  • 着眼点が面白いと思い購入したものの、
    終始上から目線で調査に協力した主婦たちを
    延々と蔑むような語り口調に嫌気がさした。

    驚くような家庭や、自分にも当てはまる点もあり、
    着眼点は鋭いのに言い回しが良くないと感じた。

  • データの着眼点はいいが、アンケート結果をがっつり書いているだけだった。。。
    自分がこのアンケートされてこの本がでてたらヤダな。
    本にするなら 、データの結果から仮説と結論、時代背景、なぜこうなったかとか、ちゃんとした考察が欲しい。

  • 筆者の考える、伝統的な日本家庭や食卓を崩壊させているダメ母、ダメ嫁、ダメ主婦を小ばかにした本。

    「18歳の息子にサンタさんへの手紙を書かせ、プレゼントを与える両親。」
    「元旦の朝に幼児1人で菓子パンを食べさせる母親。」
    始めはそんな人いるんか~?と思いながら読んでたけど
    「実家に頼りきりでロクにお節も作ったことがない嫁」ってところで
    自分だわ。。。汗 となり
    そうねお節くらい作れるようにならんとな、、、とそこまでは素直に読めたんだけど。

    筆者の、伝統文化を知らない人や自分とは違う考え方の人たちへの上から目線と、小ばかにした物言いに不快感を覚えて読むのをやめた。 

    伝統文化を守ってなくても、それなりに自分らのスタイルで楽しんでいる幸せな家庭までここまで馬鹿しなくてもいいんじゃない?って気がした。
    自分がダメ嫁、ダメ母だから読むに堪えなかったのかな。。。

  • 「全国ビブリオバトル2015 徳島・香川地区決戦」
    (12月5日/徳島大学常三島キャンパス けやきホール1階 地域連携小ホール)

    http://opac.lib.tokushima-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?materialid=215003776

  • 時代が変われば考え方も変わるだろうし、育ってきた環境にもよるだろうし・・・って思いたいけど
    私が-!私の-!っていう考え方ばかりでちょっとうんざりした。
    そんなに自分が可愛いかって

    親も楽しみたい気持ちはもちろん分かるけどこの本の書き方では子供のまんま親になっちゃった人が増えたような印象しか残らない。

    この家庭が普通なのなら我が家は普通じゃない。

  • サブタイトルは「崩壊するお正月、暴走するクリスマス」となっている。

    『元日の朝ひとり菓子パンを食べる子供、大学受験生の息子にサンタクロースを信じさせる親。バラバラの「恣意」をリベラルな「自由」と錯覚する、ノリ重視の家族の実態とは…』

    自分の家庭は、もしくは主婦としての自分は「ここまでひどくはない」と何度も思いつつも、
    「私が楽だから」
    「私が嫌いだから(または好きだから)」
    「お節料理を作らない」
    「お節は実家で食べる」などなど、
    少なからず自分と重なる部分もある。

    読み進めていくとどんどん自分が責められている気分になるが、著者もそれはよくわかってるようで、あとがきにてそうではないことを述べていた。

    「日本の伝統行事や伝承…が衰退していることを嘆いたり戒めたりしている本ではありません。」
    「…そうではなくて、クリスマスや正月の食卓、家族の過ごし方をよく見るとびっくりするようなことがたくさんあり、さらに見つめると、そこから今の日本の家族や社会の実態、変容がよーく見えてきて…」

    これ以上書くと長くなるのでまた興味が沸いたら再読するとよい。

  • 岡田斗司夫が勧めていたので、紀伊国屋で注文して読んだ。日本では放っておくと「私」の感覚が絶対化され、等価交換が唯一の規範となる。世間から隔絶された環境ほどそうである。これは『オレ様化する子どもたち』と同様の観察、結論。山本七平が存命なら、こういう本に賞を与えただろう。

  • 著者は本書の前書きで、「クリスマスや正月のさまざまなこと(注:要するに家事・準備等の事)は「主婦」や「母親」や「女性」がすべきことだと考えているからでもなく(中略)、(彼女らに)起因することだと考えているわけでもない。」と一応断ってはいる。しかし本文をみれば、正月支度を面倒くさがる主婦に対しては「恥ずかしさや後ろめたさはまったくみられない」と書き、煮しめを作らないと言う主婦の発言には「当然のことのように言う」と驚いて見せる。他にも「『恥』の感覚はない」とか「自分の事は棚に上げて」など、調査協力者の発言を特定の価値観を持って高みから見下すような表現には事欠かない。
    それでも文庫版の後書きでは、自分は保守主義者でもなんでもなく、この本も伝統を守らないことを戒めたものではない、と言い切っているところを見ると、筆者自身が本書の末尾で触れている最近の主婦の一傾向=「言っていることとしていることの食い違いに気づかない人」の典型例のようにも思える。
    著者は広告代理店勤務だそうだが、本書では何故か「メディア情報に軽やかに乗ったり流されたりすること」には否定的だ。そうしてみると、アサツーディーケイという会社は片や人々に対して新たなライフスタイルとやらを吹き込んでそれに乗っかり利益を得ながら、一方で本書ではそうした人々を疑問視する言説を振りまいていることになる。後書きにあるように「ユニークな会社」「懐の深い経営者」と持ち上げて済ますことができる話ではなく、どのような姿勢で社会に向き合っているのか、会社としての経営姿勢が根本から問われる話ではないだろうか。

  • 昭和の本かと思ったら初版が2007年だったことにびっくり。
    読みながら自分が責め立てられている気がした苦笑

    一言で言うと日本の風習が「ポップ」になってしまつたことを嘆いた本。
    正月に御節を用意しないこと、自分の家族を持ってもお正月は実家で任せであること、クリスマスは楽しいから頑張ることなどを一般家庭へのアンケート調査から明らかにし、ひたすら苦言を呈しています。

    個人的には目線がずっと「現代の主婦はこんなこともしなくてダメだ」ってことが気になりました。例えば「夫の実家に行っても手伝わない」とか、「夫の実家の味を覚えようとしない」とか。男尊女卑の思想が随所から読みとれて。
    「どうしても自分の実家の味がいいなら、旦那が実家で作ればいいやん。もしくは旦那が母親から習って来いよ」と思ってしまった私はきっと筆者から糾弾されるタイプの日本人なのでしょう・・・。

  • なんとなく感じていたことが、インタビューや統計で明らかになると、納得を通り越して「こわい」と感じた。クリスマスに力を入れ、お正月は・・・という家族がいかに多いか。

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著者プロフィール

1953年北海道生まれ。法政大学卒。大手広告会社勤務等を経て、現在大正大学客員教授、日本能率協会総合研究所客員研究員。1960年以降生まれの人びとを対象とした20年に及ぶ継続的な調査研究に基づき、現代の家庭や社会に起きるさまざまな現象を読み解くことをテーマにしている。著書に『変わる家族 変わる食卓』『「親の顔が見てみたい!」調査』『普通の家族がいちばん怖い』『家族の勝手でしょ!』『日本人には二種類いる』など。第2回辻静雄食文化賞受賞。

「2017年 『残念和食にもワケがある』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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