ナガオカケンメイの考え (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101306216

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  • 仕事に通じる気付きを多数得た

  • D&DEPARTMENTのナガオカケンメイさん。
    この本を読んでの彼に対する印象は、結構キビシイ。でも、それは人を見下す意地悪な厳しさではなく、彼なりの超しっかりした軸を持った上でのぶれない正論だ。自分が求めるものを妥協せずに一緒に探求していく仲間が必要で、そこに甘えは必要ない。自分に厳しくない人は、いらない。そこまで常に厳しく在るというのは、きっと孤独と背中合わせだろう。でもそのスタンスでやってきたからこそ今のD&DEPARTMENTがあるのだと思うと、感慨深い。

    最近、社交場に参加する度にみんなが名刺を交換していて、羨ましくなって自分も作ろうかと考えていた。でも、大した肩書きもない私は、そんな形式上のものはいらないのかもしれないと思った。自分が会った人に、自分で会話して、自分のことばで印象に残るように働きかける。それで十分なのかもしれない。

    ——————————
    名刺をもらって1週間後にそれを見て、顔が思い浮かばなかったらゴミ箱に捨てる。
    印象に残っておらず、会話の断片も思い出せなくては、なんの意味もないただの紙切れにすぎない。「出会う」からには「印象に残りたい」と願いたい。
    ——————————
    ナガオカケンメイは案の定生意気であった。しかしそれは、才能のある人にありがちな、我が道を行くという態度とはすこし違う。物事をよりよい方向に変えて行こうとする向上心のようなものを価値の基準として携えていて、それを持たない人に対しては興味を示さないか、時に傍若無人な振る舞いに出る。昨日よりも今日、今日より明日は少し前に進んでいたい、そういう気持ちはポジティブなものでも、それが表面に出過ぎると必ず周囲との相田に微妙な軋轢が生じてくる。そういう軋轢に満ちた空気の層をたずさえて、どこか居心地が悪そうに社内を動き回っていたように記憶している。(解説:原研哉)

  • たまたま、美術に関わる小さな会社の筆記試験を受けて、
    たまたま、働くということについて考えていたときに、
    たまたま、雨宿りで寄った三省堂で、
    たまたま、小説じゃない癖に平積みされていたこの本に会えた。

    最近わたしは、本を読むとき、何かが心に留まったらそのページの端を折るようにしていて、この本はページを繰る度に折っていた。

    誰からどうやって語られても情報は同じかもしれないけど、
    今のわたしが、この本に会えた意義は大きい。

    だんだん分かってきたことは、単行本を出した会社があって、で、わたしが買うのは文庫本だということ。そういうこと。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「だんだん分かってきたことは」
      文庫になると思っていなかったので、アスペクト版を即買ってしまった。甘かったゼ(まさか平凡社版「ナガオカケンメ...
      「だんだん分かってきたことは」
      文庫になると思っていなかったので、アスペクト版を即買ってしまった。甘かったゼ(まさか平凡社版「ナガオカケンメイのやりかた」も文庫になったりして)。
      2012/05/17
  • 結果よりも過程が大切、ということが自分的に良い気づきでした。

  • こういう考えの方が日本にいてデザインに携わっている、ということを誇りに感じました。日本にも良いとこあるよなぁ。ひととのつながりを大切にする方は、信用できる。

  • デザイナーであるナガオカケンメイ氏の日々を綴った本
    デザイナー特有の事ではなく、他の業態の人にも共通している考え方に触れられる本なので
    同年代の人には参考になる部分はあるかもしれない
    個人的には一箇所だけ、刺さる言葉があったので、忘備録として書いておく
    ・やりたい仕事や企業の周辺は猛烈に知っておく事
    ・その土台は誰かが死ぬほどの苦労とクリエイティビティによって作られたものであり、そこで生きるなら知るべきだ

  • ・言ってるけどそんなに必要でない。

    ・自分にキャッチコピーを付ける。

    ・声を大きく

    ・自分の考えを伝え続けないと組織では伸びない

    ・デザイナーとはコミュニケーションのプロ

    ・賢い商人は競争相手を作る。そして競わない。

    ・みんな原因があって必要ないから

    ・夢とは普通に売ってないもの、買えないもの・交換不能なもの

    ・ビジョンに対して有益な行動を繰り返すのが、会社という環境

    ・単なる客として連絡する体験がブランドのエンゲージメントを高める

    ・自己満足でもいい充足感は恋、音楽

    ・人間関係作りがもっともクリエイティブ

  • 会社に勤める上での意識について自分の考えと通じる事が多くて大変納得のいく内容だった。
    デザインする、という事についてよほど泥臭く心情が吐露されていて、なんだか著者を身近に感じるような、本当に日記帳を覗き見ているような良い文章だった。

  • 2017年1月3日、読了。

  • 本当にいいものを作りたいと思っている職人なんだなって思った。

    (以下抜粋)
    ○頼まれないとデザインをしない。
     そんなデザイナーはいりませんよね。(P.12)
    ○人って、人から何も頼まれていないのにものを創作しだした時、
     初めてクリエイターになるんだって、そう思います。(P.13)
    ○その憧れって、ほとんどがミーハーなものだったりします。
     でも、それでもいい。わかっていればね。(P.13)
    ○余談ですが、どんな田舎に行っても「POLA」の看板はあります。
     農作業でホコリまみれになったおばさんも、
     「きれいでありたい」という欲求は、どんな田舎に行ってもあるのです。(P.338)

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