冒険の国 (新潮文庫)

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著者 : 桐野夏生
  • 新潮社 (2005年9月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101306322

冒険の国 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 主人公永井美浜の中学時代付き合っていた男友達が自殺した。

    美浜は既に(確認したわけではないが)30台で独身、建築会社勤務。

    その事務所に自殺した友人の兄がやって来て、否応なく過去を思い出す。

    著者後書きにあるが、本著は「すばる文学賞」に応募し最終候補作になったものの、選考結果は受賞作なしだった物を改稿出版した物だそうだ。

    著者からしてミステリーだろうと思って読み進めたが、だからなんなんだよという尻切れとんぼ感が残った。

  • これって本当に桐野夏生の本?って感じに淡々と話が進んでいった。
    盛り上がって早く続きを読みたい!という衝動もなかったし、涙がこぼれることもなかった。

    TDLができたすぐ後の時代の浦安のマンションに住んでいる父母姉妹。父は元漁師だったが今は失業中で母親が魚市場で働いている。姉は市役所勤務、妹は建設会社の出張所で働いている。
    マンションの上に住んでいる宇野さんがバタバタとうるさくしてごめんなさいや、職場の事務所の大家さんの吉田さんが具合が悪くなって、隣の職場の村田さんと一緒にお世話をしたり…。
    その大家さんの土地が欲しくて、恵一さんが吉田さん宅へ来た。彼は美浜と付き合っていた英二の兄だった。
    英二は美浜と喧嘩したすぐ後、自殺した。
    この自殺の原因はいまだ不明なのだが、離れて暮らしていた美浜が知らなかっただけで、いろいろとうわさが立っていたのだった。

    結局自殺の原因や、姉の付き合っている人などの回答は得られなかった。本当に淡々とした物語だった。


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    永井姉妹と森口兄弟は、姉と兄、妹と弟が同級生同士で、常に互いの消息を意識していた。特に、弟の英二と妹の美浜は、強い絆で結ばれていた。が、ある日、一人が永遠に欠けた。英二が自殺したのだ。井濱は、欠落感を抱えたまま育った街に帰ってくる。街はディズニーランドが建設され、急速に発展していた。そこで、美浜は兄の恵一に再会する。バブル前夜の痛々しい青春を描く文庫オリジナル。(裏表紙より)

  • 2017.2.16-17
    英二を自殺で失った美浜の欠落感は、戻った実家の家族や英二の兄との再開でも満たされないばかりか答えも出ず・・・

  • 過去の恋愛に縛られて、忘れられない美浜。

    街は変わっても、かわれない美浜。対照的な印象だった。

    読みやすく一気に読了しました。

  • 桐野夏生の昔の作品らしく、本になっていなかったものらしいです。読み終わるまでそうと知らず、地味な作品だなあと思ってしまっていました。そうかあ最初はこんな感じだったんかあ。

  • 美浜にディズニーランドができる直前の話。主人公の女性はこのあとどんな人生を歩んだんだろう。

  • 高度成長期のあらゆるものが変化をしている時代に生きるある家族の物語。幼なじみの死から周りの人々との関係が崩れた中、自分の気持ちの整理がつかぬまま世間は大きな変化をし続けているギャップが作品の肝であり良さであるだろう。

  • 姉妹仲が悪いとか吉田さんの行く末とか妙に現実的で自分に降り掛かってきそうな予感がして身につまされる(¯―¯٥)
    妹は損な立場だわ。。。

  • 2015.5/16〜17。処女作というのは知らなかった。時はバブル期前夜。時代の空気はわからないのに、著者の言葉にハッとさせられることがいくつもある。取り残されるとはなんだろう。

  • 主人公の美浜。この美浜は、英二の自殺と絶ちきれない自分に腹がたちながらも、変われないで苦しんでる。でも、もがくことより、人のせいにして今の状況に甘んじているのではと思うけれど、きっとどうしてよいのかわからないといったジレンマに打ち勝てない、何となくわかりました。

  • 時代というか時間に取り残された人たちの物語( ´ ▽ ` )ノ。
    誰もが本心を隠し、つながりを持つことを恐れている( ´ ▽ ` )ノ。
    皆さんの書評読むとラストにご不満みたいだけど、スッキリ万事解決なんて話ばかりじゃつまらない( ´ ▽ ` )ノ。というか、これだけ示唆されても英二の死の真相がわからないものかなあ?

  • 何かどうしようもないかんじがしてたと思うが、あんま覚えていない。冒険の国は某ネズミランドの事だったと思うのだが。

  • 友達が「この本の言いたいことが分からなかったし、結局英二の自殺した理由もわからずじまいで薦めない」って言われ、反って、どんなもんか気になって読みたくなった本(苦笑)
    皆さんの評価もあまりよろしくないようで。

    そんな本なので、一字一字噛みしめて読んでみたーっ!

    私は、予想してたよりもそんなに悪いと思わなかったよぉ。
    ミステリーとして読むと失敗作だろうけど、ドラマとして読むと読める。
    埋立地にディズニーランドが見える土地に住んでるのに、昔からそこに住んでる人たちは、変わろうと出来ずに取り残されていってる。
    そして、他の土地から来た宇野さんなんかは、時代・新しく出来た土地と共に変わろうと前向きになってる。
    そんな全く違う2つの面が印象的だった。

    まわりに流されずに、自分なりに過去を清算して変わっていけばいいんじゃないかなーと思う。

  • すみません、この場をお借りして皆様の読後の感想を伺いたいです。
    以下ネタバレ含みます↓


    私はこの本を何度も読んでいるのですが、読解力がないせいかどうしても「英二が田名で自殺した理由」がわかりません。
    文中で美浜が「ああ、やっと」とその死の理由を理解していますが、私には分からないままなんです。

    話の流れから英二は司津子とも出来ていた、しかし司津子は兄と交際していた、その兄を美浜がカッコいいと言ったので怒った。

    司津子と交際していた兄への劣等感から自殺したのだと思うんですが、なぜ田名の踏切で?
    司津子が以前付き合っていた男が田名に住んでいて、会いに来て絶望して死んだという噂がある、と描写されていますが、その付き合っていた男って誰?

    もう物語の核心部分が読み取れずイライラしています。
    色々検索していますが探せられません。

    ミッキーマウスの手紙で上の階の住人に抗議の手紙を書いたのは司津子だというのは分かったのですが、英二の死の理由が分かりません。
    皆様の読後の感想を述べて頂けたら幸いです。
    宜しくお願いします。

  • 永井姉妹と森口兄弟は、姉と兄、妹と弟が同級生同士で、常に互いの消息を意識してきた。が、ある日、一人が永遠に欠けた。バブル前夜の痛々しい青春を描く文庫オリジナル。

    桐野夏生が江戸川乱歩賞でデビューする前の習作だそうだ。時代の雰囲気はわかるけど、話が前に進まない。稚拙な感じ(著者も認める)は否めなかった。
    (D)

  • すっきりしない物語だという印象。桐野夏生がデビュー前に文学賞に応募して落選した作品を改稿したものらしい。でもこの誰もが不機嫌な感じが桐野夏生らしい。一番引っ掛かりを感じたのは夜中の騒音を批判する「あなたがたの楽しみは同時に他人の苦しみ」というメモ。SNSなどもそんなものかもしれないとフと思った。

  • 1988年にすばる文学賞最終候補作まで残った幻のデビュー?作品
    文庫オリジナル
    30代になっても結婚せず両親と暮らす姉妹。妹の美浜と英二は高校時代付き合っていたが英二が自殺、職場で偶然兄の恵一と再会する…

  • この作者は恋人に自殺される女性というモチーフが好きなのでしょうか。

  • シンデレラ城が見えるマンションに住む一家。
    親は年老いて姉妹二人は結婚もしないで周りの子供がいる家族から取り残されつつある。
    その妹は全てを諦めたような人生を送っている。
    仕事は留守番程度の事務員。
    恋人はいない。
    高校時代に自殺をした同級生の事を今だにいつも考える。

    気持ちが分かる面もあるし、あまりにも乾いてるという気もした。

  • とても薄い本です。内容も淡々と進んでいきます。特別何か山があるわけでもなく谷があるわけでもなく。
    全体的に仄暗く、じっとりとした湿度の高い作品です。
    主人公の美浜の性格も暗い。そして地に足がついてなくてフワフワしている存在。最終的にどいつもこいつも何かなぁって思わせるあたり、処女作でも桐野作品に違いないですね。
    正直英二のことや姉妹のことはあまり関心持てなかったのですが、吉田さんが病気になってからはリアルでした。
    病院に入っちゃうと人が変わるよね。でもこっちは元気な時が基準だから腹が立つよね。
    よく誰にも迷惑かけたくないから一人で死ぬっていう人がいますけど、恵一の言うとおり、死ぬときはみんなに迷惑かけていくんです。それが分からないやつにはなりたくないと思いました。

  • 絶望的な話に感じられて、もう読まないなあ〜と思った

  • 桐野夏生先生の、「幻の処女作」ということだけあり、
    舞台はバブル期の千葉-東京。
    四半世紀前の時代の空気は自分にはピンときにくいところもあるので、
    この物語の奥深さはしっかり解らない部分もあるのですが、
    近隣の公団が次々取り壊されマンションに建て替えられる
    風景が今身近にあふれているので、この
    「急速に進めようとする時代感と、取り残される時代感」は
    肌で感じる部分もあります。

    今と違うのは、当時は携帯もPCもなく、本編で描かれるような
    近所との繋がりが残っていたことですね。
    それゆえのきしみも出てきていますが、
    今はこれがますます希薄になり通信ツールの普及と裏腹に
    更に人との繋がりが見えなくなっている気がします。

    あえて★なしにしました。
    話が悪いのでなく自分との接点での理由で。

  • 初期の作品。
    取り残された人々の話。

    淡々としていて、ドロドロ感やあっと驚く展開もない。
    閉塞感のある暮らしの中、亡くなった恋人の自殺の真相も分からないままだし、何を伝えたいのかよく分かりませんでした。

    薄くて、読みやすかったけど、
    桐野作品としては、好みではないです。

  • 31だからこそのリアルであった。これを壊れた家庭と言えるかどうかは本人次第なところもあるだろうが、きっとそこら中にある家庭だろうというのが痛い。

  • スッキリしないラスト。が、これでいいのかなあとも思う。
    女の気持ちはやっぱりどこか男とズレがあるなあ、としみじみ。

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