冒険の国 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 639
感想 : 100
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  • Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101306322

感想・レビュー・書評

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  • シンデレラ城が見えるマンションに住む一家。
    親は年老いて姉妹二人は結婚もしないで周りの子供がいる家族から取り残されつつある。
    その妹は全てを諦めたような人生を送っている。
    仕事は留守番程度の事務員。
    恋人はいない。
    高校時代に自殺をした同級生の事を今だにいつも考える。

    気持ちが分かる面もあるし、あまりにも乾いてるという気もした。

  • とても薄い本です。内容も淡々と進んでいきます。特別何か山があるわけでもなく谷があるわけでもなく。
    全体的に仄暗く、じっとりとした湿度の高い作品です。
    主人公の美浜の性格も暗い。そして地に足がついてなくてフワフワしている存在。最終的にどいつもこいつも何かなぁって思わせるあたり、処女作でも桐野作品に違いないですね。
    正直英二のことや姉妹のことはあまり関心持てなかったのですが、吉田さんが病気になってからはリアルでした。
    病院に入っちゃうと人が変わるよね。でもこっちは元気な時が基準だから腹が立つよね。
    よく誰にも迷惑かけたくないから一人で死ぬっていう人がいますけど、恵一の言うとおり、死ぬときはみんなに迷惑かけていくんです。それが分からないやつにはなりたくないと思いました。

  • 絶望的な話に感じられて、もう読まないなあ〜と思った

  • 桐野夏生先生の、「幻の処女作」ということだけあり、
    舞台はバブル期の千葉-東京。
    四半世紀前の時代の空気は自分にはピンときにくいところもあるので、
    この物語の奥深さはしっかり解らない部分もあるのですが、
    近隣の公団が次々取り壊されマンションに建て替えられる
    風景が今身近にあふれているので、この
    「急速に進めようとする時代感と、取り残される時代感」は
    肌で感じる部分もあります。

    今と違うのは、当時は携帯もPCもなく、本編で描かれるような
    近所との繋がりが残っていたことですね。
    それゆえのきしみも出てきていますが、
    今はこれがますます希薄になり通信ツールの普及と裏腹に
    更に人との繋がりが見えなくなっている気がします。

    あえて★なしにしました。
    話が悪いのでなく自分との接点での理由で。

  • 初期の作品。
    取り残された人々の話。

    淡々としていて、ドロドロ感やあっと驚く展開もない。
    閉塞感のある暮らしの中、亡くなった恋人の自殺の真相も分からないままだし、何を伝えたいのかよく分かりませんでした。

    薄くて、読みやすかったけど、
    桐野作品としては、好みではないです。

  • 31だからこそのリアルであった。これを壊れた家庭と言えるかどうかは本人次第なところもあるだろうが、きっとそこら中にある家庭だろうというのが痛い。

  • スッキリしないラスト。が、これでいいのかなあとも思う。
    女の気持ちはやっぱりどこか男とズレがあるなあ、としみじみ。

  • 濁った空みたいな小説。
    陰鬱で、どこにも行けなくて、救われない。
    純文学的。

  • 取り残された人を題材に書かれた物語のようですが、終わりかたがなにも解決していなく気になる。。。

    英二の自殺の原因は本当はなんだったのか、姉との噂は本当だったのか、家族の関係はこのまま変わらないのか、とにかく気になる点をそのまま残したまま終わってしまって残念!

  • ディズニーの方の父、母、姉と暮らす娘さんの話。
    なんか印象が薄い

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

桐野夏生の作品

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