- Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101306322
感想・レビュー・書評
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とても薄い本です。内容も淡々と進んでいきます。特別何か山があるわけでもなく谷があるわけでもなく。
全体的に仄暗く、じっとりとした湿度の高い作品です。
主人公の美浜の性格も暗い。そして地に足がついてなくてフワフワしている存在。最終的にどいつもこいつも何かなぁって思わせるあたり、処女作でも桐野作品に違いないですね。
正直英二のことや姉妹のことはあまり関心持てなかったのですが、吉田さんが病気になってからはリアルでした。
病院に入っちゃうと人が変わるよね。でもこっちは元気な時が基準だから腹が立つよね。
よく誰にも迷惑かけたくないから一人で死ぬっていう人がいますけど、恵一の言うとおり、死ぬときはみんなに迷惑かけていくんです。それが分からないやつにはなりたくないと思いました。 -
絶望的な話に感じられて、もう読まないなあ〜と思った
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桐野夏生先生の、「幻の処女作」ということだけあり、
舞台はバブル期の千葉-東京。
四半世紀前の時代の空気は自分にはピンときにくいところもあるので、
この物語の奥深さはしっかり解らない部分もあるのですが、
近隣の公団が次々取り壊されマンションに建て替えられる
風景が今身近にあふれているので、この
「急速に進めようとする時代感と、取り残される時代感」は
肌で感じる部分もあります。
今と違うのは、当時は携帯もPCもなく、本編で描かれるような
近所との繋がりが残っていたことですね。
それゆえのきしみも出てきていますが、
今はこれがますます希薄になり通信ツールの普及と裏腹に
更に人との繋がりが見えなくなっている気がします。
あえて★なしにしました。
話が悪いのでなく自分との接点での理由で。 -
初期の作品。
取り残された人々の話。
淡々としていて、ドロドロ感やあっと驚く展開もない。
閉塞感のある暮らしの中、亡くなった恋人の自殺の真相も分からないままだし、何を伝えたいのかよく分かりませんでした。
薄くて、読みやすかったけど、
桐野作品としては、好みではないです。 -
31だからこそのリアルであった。これを壊れた家庭と言えるかどうかは本人次第なところもあるだろうが、きっとそこら中にある家庭だろうというのが痛い。
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スッキリしないラスト。が、これでいいのかなあとも思う。
女の気持ちはやっぱりどこか男とズレがあるなあ、としみじみ。 -
濁った空みたいな小説。
陰鬱で、どこにも行けなくて、救われない。
純文学的。 -
取り残された人を題材に書かれた物語のようですが、終わりかたがなにも解決していなく気になる。。。
英二の自殺の原因は本当はなんだったのか、姉との噂は本当だったのか、家族の関係はこのまま変わらないのか、とにかく気になる点をそのまま残したまま終わってしまって残念! -
ディズニーの方の父、母、姉と暮らす娘さんの話。
なんか印象が薄い