魂萌え!〔上〕 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101306339

感想・レビュー・書評

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  • この人の作品を読んでいつも思うのは、
    「女性って逞しいなぁ」
    ということ。

    長年連れ添った旦那が突然亡くなって、
    亡くなってから愛人の存在が発覚したり、
    相続のことで子供と揉めたりいろいろあっても
    ちゃんと毎日ご飯を食べて、
    愛人や子供と対決して、
    しっかり恋愛までしたりして。

    ちょうどこの前に読んでいた作品が
    男性作家の書いたもので、
    彼女が亡くなって抜け殻になっている男の話だったので
    とても対照的だなぁと感じました。

  • 59歳の平凡な主婦が主人公の人間ドラマ。陰惨な事件をテーマにした小説「OUT」で広く知られる女流作家桐野夏生の違った側面(いわゆるホワイト桐野ワールド)が見られる一冊です。あらすじはとっても地味ながら、ハードボイルド書く人が書くと飽きさせない展開でさくさく読めます。個人的には筆者の作品に一貫して見られる細かなボケが大好き。幅広い年代に安心しておすすめできる本。

  • 学校の図書館で、眠る目的で行ったのになんとなしに手にとった本。(有名だし)
    面白くって、結局眠たいのに眠れなかった!
    夏休みの始まりだったのに、思わず(上)を借りてしまった。

    恩田さんの本(不安な童話)読んだ後に、この感想書いてるから読んでいたときより現実感がまたなくなっていくんだけど^^;、
    おこがましいけど、身につまされる。

    とても「現実」です。そして「珍しくもない話」
    あぁどこの家庭にもありそうな。
    だからこそとっても現実感びしばし。

    のんびり暮らしてたら後で痛い目見るよ。
    現実的な一条ゆかりを思い出した^^;


    夫に10年間も愛人がいて、自分には特別優しかったり、お喋りなどしなかったのに相手女の人とは仲良くしていたんだって
    夫が死んだ後に、不倫の事実に気づかされ、色々と想像が頭をよぎるなんてどんなに苦しいだろう。。

    桐野さん、おなじ同性なのと、才能ある人なのでとても上手。
    特別なことがおきるわけでもない(本人にとっては特別な体験か。)のに。これは同世代の女の人はきっと色んなところに共感するだろうなぁ。

    カプセルホテルの野田さんも(フロ婆さんの甥)、こういう人たちって世の中には幸せで生活に困らない人と同じくらい現実にたくさんいるだろう。
    自分が何不自由なく暮らしてるだけになんだか見たくないような現実だった。
    自分の甘さを指摘されたような。


    老いてゆくってさびしい。
    自分ではどうしようもないこともある。

    正しくは、「何も考えずに」老いていくことは寂しいのか。。

  • 59歳の専業主婦が夫に先立たれた。
    真面目で誠実だと思っていた夫には愛人がいた。
    子供達は30過ぎているのに自己中心的で、まだまだかじれる脛はかじりつくそうとしている。

    何だか良くありそうな設定だけど、それだけにリアルすぎて痛い。

    夫が先立たれた後に襲ってくる世間という大波に洗われてこの女主人公の魂はもがきながらも萌えいずる。

    しかし私はこの魂萌えという表現よりも、この本の帯に書いてあった言葉の方が気に入った。
    「剥き出しの女が荒ぶる」
    うん。魂萌えというちょっとかわいらしい表現じゃこの作品の主人公が感じる憤慨には不足している。
    ただし、それは前半においてだけ。後半はどちらかというと萌え萌えしてる。

    もし、私に同じことが起こったら・・・
    魂萌えではすまないだろう。魂燃え。でも足りない
    魂超新星爆発くらいになってしまうと思う。

  • 20090723
    5日間

  • あまりに我が家と似ていて、読んでいてつらくなった・・・
    下巻では、救いがあるといいのだが・・・
    おかんに電話でもしようかな・・・

  • 旦那さんが急死。
    そして愛人発覚。
    出て行ったきりの息子はいきなり妻と二人の子供を連れて同居を迫る。

    まだまさ先の話だけど
    旦那に先立たれるのって恐怖だわ。

  • 年取ってから伴侶を亡くしてしまうというのはこんなにも救いのないことなのでしょうか。
    登場人物がみんな身勝手なので読んでいてストレスが溜まります。

  • 殺人事件など、新聞等に取り上げられるような死は実際ほとんどの人が体験することは無い。でも、人それぞれ様々な内容の物語がある。この本は、リアリティに溢れた、一人の人間の死によって巻き起こる物語。
    桐野夏生の他作品にみられる凄まじい人生を歩む物語よりも胸を打たれた。
    珠玉の名作。

  • いろいろ考えさせらる話。
    また読みたい。
    自分の家族だとどうだろ?って想像した。
    恐い。
    主人公にははらはら、いらいらさせられた。
    どうなるのか、どうなるのかと一気に読んだ。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

桐野夏生の作品

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