魂萌え!〔下〕 (新潮文庫)

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著者 : 桐野夏生
  • 新潮社 (2006年11月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101306346

魂萌え!〔下〕 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • なるほど。これは桐野氏流のコメディなんだな。

    上巻では真剣に敏子サイドに立って子供たちや亡き夫、夫の愛人、一夜を共にした塚本など周囲の身勝手な人間たちにプンスカしていたけど、後半は完全にコメディ。嫌われ松子の一生のようです。

    桐野作品には珍しく読後スカッとする。

  • 夫がなくなったことで、色々な世界が見えてきた敏子。
    それは、今までの自分が見ようとしなかった世界だった。
    そして、自分も変わっていく。
    今までの自分に別れを告げ、逞しく生きていこうとする敏子の姿はきっと他人事ではないのだと思う。

    2017.9.21

  • 主婦であるだけでは知り合えなかった人達や 子供達との関係、高校生からの友人や町でたまたま隣り合って知り合った人との関係…。

    何を大事にして生きていくか、独りになって考えてしまうのだろう 身につまされる

  • 2016.11.27再読。
    確かに敏子、強くなった!
    愛人の家にたった1人で乗り込んだり。私だったら出来るだろうか。子供に相談しちゃうかも……。

    でも敏子は恵まれてると思う。
    いろいろあるとしても長い付き合いの友達はいるし、蕎麦の会で男友達も出来たし。
    うらやましくもあるなあ、こんな老後。
    私もこう言っちゃなんだけど、早く一人になりたい、と思っているので当面切羽詰まったお金の心配をしなくて済む敏子のような老後はいいな、と思っちゃう。

  • 下巻に入ってもあいかわらずの疾走感があって楽しく読めました。ただ、夫の愛人の伊藤昭子との修羅場と、ラストの「蕎麦食べ歩きの会」での一斉告白だけは、ちょっともたついている印象を受けてしまいましたが。

    客観的に見れば、著者らしいドロドロした人間関係が描かれているのですが、新聞連載小説ということもあってか、それを吹き飛ばしてしまうくらいの、前へ前へとつんのめってストーリーが進んでいく感じが、何とも言えず心地よい作品でした。

  • 上巻より少しだけ良かった。上巻があまりにも暗くて重かったので、終わり方に多少の希望があって良かった。(特に暗い小説が嫌いと言うわけではないのだが)

    人はだれでも自分が無知で不幸な時は、それ以上のものを人に与えられないし、何事も卑屈に見える。それが上巻の主人公で、下巻からは少しずつその卑屈な精神と生き方を挽回していく。

    上下巻、全体で良くなかったところは、人物同士の会話と、主人公の思考だけで物語が進行し、全く深みがないところ。主人公の感情の袋小路度が高く、行ったり来たりを永遠にループするところ(むしろそれだけの小説)。そして、人は誰しも悲しみや苦しみ悩みを持って生きるが、他人と自分のどちらがより不幸か、比較ばかりしているところ。

  • 歳とってもいつまでもドキドキするんだなぁ

  • 彼女の作品にしては物足りなさを感じる

  • 誰かと共に生きるということは、自分の自由を一番に考えられないこと。夫という存在がいなくなり、自由を手に入れることになる。
    それまで無知で慎ましやかに暮らして来れたのに、60近くになって突然訪れる変化。そして知らなかった事実。
    私だったらその後どうやって生きるのだろうか。これまでの人生を無駄にして生きてきたのかもしれない、という後悔とも後ろめたさとも言えない思いを抱えて。
    歳を重ねる毎にその重みは増してゆくだろうが、20代の自分にも重ねて考えられることがあると感じた。

  • 上巻で夫を亡くし、それまで知らなかったことを知り、経験したことのないことを経験し、59歳新たな人生にむかって踏み出していく敏子さん。上巻ではテンポ良く展開していたけど、下巻になると少しトーンダウン?ただ、会話のひとつひとつが生々しいというか、リアリティがあって、そこが面白い要素ではある。古くからの友人の栄子や、夫のそば仲間塚本との関係、ふろ婆さんの件で巻き込まれる様子などにはやはりイライラさせられる部分があるけれど、どこか「負けるな、がんばれ~」と思わせられてしまう。ラストは、もう少しハチャメチャになるか、ハッピーエンドか、どっちかはっきりしていたほうが印象に残ってよかったな。。

  • なかなかよかった!すっかり「風吹ジュン」で読んでしまった!!!w

  • ---
    夫の愛人と修羅場を演じるなんて、これが自分の人生なのか。こんなにも荒々しい女が自分なのか。カプセルホテルへのプチ家出も、「あなたをもっと知りたい」とささやく男との逢瀬も、敏子の戸惑いを消しはしない。人はいくら歳を重ねても、一人で驚きと悩みに向き合うのだ。「老い方」に応え何て、ない。やっぱり、とことん行くしかない! 定年後世代の男女に訪れる、魂の昂揚を描く。

  • 夫の死をきっかけに見え隠れする、知りたくなかったのか知っておきたかったのか混沌する事実。登場人物が両親の年齢と被り、こうはならない、と思いながらもどこか生々しさを感じ取らざるを得ない。放っておいて欲しかった蓋は無節操に、かつ無作法に開けられていき、嗅ぎたくもなかった臭いが鼻にまとわりつく。それでも新しい蓋を探し、もがく。桐野夏生らしい、人間臭さが香ばしい。

  • 【本の内容】
    <上巻>
    夫が突然、逝ってしまった。

    残された妻、敏子は59歳。

    まだ老いてはいないと思う。

    だが、この先、身体も精神も衰えていく不安を、いったいどうしたらいい。

    しかも、真面目だった亡夫に愛人だなんて。

    成人した息子と娘は遺産相続で勝手を言って相談もできない。

    「平凡な主婦」が直面せざるを得なくなったリアルな現実。

    もう「妻」でも「母」でもない彼女に、未知なる第二の人生の幕が開く。

    第5回婦人公論文芸賞受賞。

    <下巻>
    夫の愛人と修羅場を演じるなんて、これが自分の人生なのか。

    こんなにも荒々しい女が自分なのか。

    カプセルホテルへのプチ家出も、「あなたをもっと知りたい」と囁く男との逢瀬も、敏子の戸惑いを消しはしない。

    人はいくら歳を重ねても、一人で驚きと悩みに向き合うのだ。

    「老い方」に答えなんて、ない。

    やっぱり、とことん行くしかない!

    定年後世代の男女に訪れる、魂の昂揚を描く。

    第5回婦人公論文芸賞受賞作。

    [ 目次 ]
    <上巻>


    <下巻>


    [ POP ]
    普段はありそうにないようなドラマチックな話ではなく、ごく身近に起こりそうな、それでいて今までありそうでなかった話。

    退職した男性が第二の人生をどんな風に過ごそうと途方にくれる物語や、熟年離婚を決意する妻の話などはどこかで目にした事があるものの、今まで夫をはじめ周囲に頼ってきた専業主婦が突然の夫の死に直面し、一体どうしたらよいのか全くわからなくなってしまうというシチュエーションは、そういうことは十分にあり得るのに想像もしたことがなかったことにハッとしてしまいました。年齢的にもまだ遠い先のこと。

    なんて一言では言い切れない、多分あっという間に来てしまうだろう59歳の出来事。

    増して突然おきた夫の愛人の発覚や、遺産をめぐっての心無い子供達とのやりとりなど、安穏と生きていた人間にとって大きな荒波を乗り越える、という大冒険に違いありません。

    途中挫折して他の人の言葉に負けそうになる主人公に幾度もハラハラしました。それを頼りない足取りで息切れしながらも乗り越えようとしちゃうんだから。

    女は強し!

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • まだまだ先だけど自分の将来が不安になってきたりした…。登場人物がみんな濃い。敏子と同じ歳になった時にもう1度読むと今と感じる事が違ってきそう。

  • 5/30→5/31読了。上下巻ともに読み応えがあった。もっと年齢を重ねてから再読したい。

  • 結局こう云う話には付いていけませんでした。7年前に映画化もされてたんですね。それも知らなかった。風吹ジュンねえ。そんないい女じゃないよねえ、原作は。

  • さすが新聞連載作品。非の打ちどころがないおもしろさ。

  • 違う意味で女子力や、生命力を宿してく主人公の話。

    桐野さんの作品は、女性の描き方が独特で、なんだかエネルギーを使う。

  • どこにでもありそうで、誰にでもおこりそうなストーリーを個性溢れるメンバーで展開。上巻では世間知らずの敏子が宮元に騙されたのが裏切られた風なのが、最後にな佐和子に話しのネタにされているにも関わらず平常心でいられる強さを身につけている。人間何事かおこると強くなるし成長するもんだな。読み終えてすっきりする小説。

  • 読書期間:2/3~2/9
    わわっ!!
    すっごく真実味のあるお話だった~~~ヽ(´Д`;)ノ


    読みやすくて結構話の展開が気になる構成だったので、これもすっと読めちゃいました。
    映画化、(付属のミニ冊子によるとテレビドラマ化もするらしい?!)ってのも納得です。


    これを読むきっかけになったのは、テレビCMでやってたこの魂萌え!の映画のワンシーン。
    お話は風吹ジュン演じる主人公敏子の夫がなくなるシーンから始まります。
    CMではその愛人だった三田佳子演じる昭子が現れて波乱の予感・・・って感じでした。
    なのでてっきり、この愛人を交えたドロドロのお話かと思ってたんですが・・・。


    実はタイトルを理解するとそれには簡単に気づけたんでしょう。
    その愛人との一幕をも含めた夫の死後に起こる数々の試練を乗り越えていく老人ともまだ呼べない、主婦が奮闘しいまさらながら成長していくっていう爽快なお話でした。


    ちょっと前に『いい女』ってのも似たようなテーマで読んだんですが、こちらはもっと年齢が上がりました。
    還暦前です。ハイ。


    それもなぜすんなり感情移入できたかっていうと、実はちょうど自分の母親世代なんですよね。
    だから中に出てくる娘とか息子とかが同世代っていうわけ。
    でもどちらかというと、その子どもたちよりも主人公である母親のほうを応援してしまいたくなるんですよね。
    他人事とは(って言うか作り話なんですけども・・・)いえ、世間知らずなこういう親たちって自分の親も含めてけっこういると思うんです。
    だから世間では悲痛な詐欺事件が一向に減らないわけで・・・。


    そう。
    ストーリーの中に何度も出てくるのが、敏子のお人好し加減さをアピールするかのような場面。


    その1、自分のものにできる夫の残した財産を子どもたちにあげようとする。

    その2、プチ家出した先のカプセルホテルで老人のお話を聞いてその聞き代としてお金を払う。しかも2度も。

    その3、その老人が倒れてしまい、その入院先で保証金のようなものを立て替えそうになる。

    その4、老人の甥である人がフロント係をしていたカプセルホテルで突然失踪した甥の代わりに働く青年に押し付けられて店番をする。

    その5、息子の嫁である元ヤンの由佳里に100万円も援助する。(最初は20万だったのに。しかもそっちは断ったのに。)

    その6、喫茶店で相席になったというだけの関係の人と電話番号を交換し、まだよく相手をわかってもいない段階から自分の経験談をペラペラと語ってしまう。(相手は雑誌のライターさん)


    などなど・・・。
    細かなところはもっと他にも露出していたかな。

    特に気になったところはざっとこんなところです。
    すっごくハラハラしながら読んでました。
    どうなるのか先を読み急ぎながら。


    まぁ結果的には、万事うまくいって終わるという感じでしたが(小説だからしょうがない)これがホントだったら泣き寝入りで痛い目にあってても仕方ないっていう状況になってたかも。


    特に大金が絡むシーンでは、読みながら心の中で「あっ!敏子ちゃんその決断はダメだよぅ!!」ってツッコミを入れてる自分がいました。



    そういうお人よしの敏子ならではの展開が待ってるんですね~。
    ダンナの友達であった人たちとの交流や敏子の学生時代からの友人とのてんやわんやなど、子どもたちと財産をめぐる争いを交えながら面白おかしく描かれてます。


    中にはこの年でそんなことを・・・!!((((;゚Д゚)))


    って言うシーンもあったり、同じ年頃の子どもたちは、え、そんなに冷たいの?!
    って言うシーンもあ... 続きを読む

  • ダークな作風の印象のある桐野夏生だけど、ファイアボールブルースやこの作品のように、それのない作品も悪くない。
    主役はどこにでもいるような還暦手前の普通の主婦。あまり事件性のない話は苦手な方なのだが、なかなか面白くて退屈せずに読めた。エンディングらしくないエンディングも良かった。

  • 読み終えて、夫婦とは、知らなくていい事は知らないままが幸せだと。相手に求めるものは、みんな違っているから夫婦ですべてが埋めれる訳ではないと感じる一冊。

  • 上巻では主人公の冒険の要素が強いが、下巻では主人公の成長が描かれている。
    次第に登場人物のいやらしさも気にならなくなり、読後感は軽い。
    性別や年齢に関わらず、どんな世界で生きていたって、私たちは戦いを繰り返し、何かを獲得し喪失している。そんなことを改めて思い知り、今日を戦う気力がわいてくるような小説。

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