東京島 (新潮文庫)

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著者 : 桐野夏生
  • 新潮社 (2010年4月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101306360

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東京島 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 漂流モノは好きなジャンルです。

    【主人公について】主人公の清子には嫌悪感しかありません。自分が唯一の島の女という優越感から島に君臨しているというか・・・最後の最後まで嫌な女でした。

    【ストーリー】無人島に最初、清子夫婦が漂着します。次に日本のフリーター達、そして中国人達。村に漂着した人達が其々コミュニティを作り生活し何時か誰かが助けてくれるのではと只々待ち続ける・・・何人かが狂ったり問題を起こしたりという話

    【見所】村八分のワタナベの思考と行動、中国人のバイタリティ、清子の変わり身


    私がこの島に流れ着いたら中国人のグループと行動を共にしたい。


    木村タエや窪塚洋介が出演している映画があります。昔見た映画のイメージが最後まで抜けませんでした。

  • 好きになれなかった。生々しい性欲とか、男たちの醜い争いとか、女の強かさとか、、そういう部分がとても如実に描かれていて、うまいなぁと思うところはあったけど、私は好きじゃない。

  • 面白い。

    設定もさることながら、ひとりひとりの人物がもつ、人間の深み、浅はかさ、情動の移ろいが、激しく描かれている。
    文明・文化の根付いていない無人島という地で、それに縋るか、それを捨てるか。黒い線を引き、絡ませた落書きが鼓動するように生きる、登場人物の姿は、心のどこかに、ずしりとした重みを感じさせた。

  • 映画化すると聞いたときはやるじゃん!って思ったんですが、清子役が木村多江さんって聞いてマジかよ!?ってなりました。40代も後半になったデブの中年オバサン役が木村多江さんなんて……結局映画は見てないけど、この作品の魅力は清子が女という性別を持っているだけの生き物にあると思うので、綺麗な女優さんが演じるのになんか違和感ありました。
    無人島に31人の男と1人の女。男が団結するか分裂するかによって女の立場は変わってきそうですが、どちらにしろ事実だけを文にするとエロっぽい展開になりそうな感じです。安っぽいB級な雰囲気。
    それが全く性的なものを感じさせない作品でした。
    それは一重に清子のせいです。性別こそ女ですが清子は女である前に清子なんです。隆の日記で最後の一人になるのは清子かワタナベかとありましたが、あたしは間違いなく清子だと思いました。
    清子は生への執着が強いです。女独特の狡猾さをもって今自分にとって何がベストかということにのみ嗅覚を集中させてる。失うことより得ることに全力を注ぐ者はポジティブといえなくもないんだと思いました。
    島でただ一人の女だと散々女を主張しておきながら、我が子に対する母性が感じられないのです。有人島の章を読んで、改めて清子はすごい生き物だと思いました。

  • うーん。残念。がっかり。
    というのが正直な感想。

    どの辺りが評価されたのだろうか
    平凡な女性・清子の内的な“覚醒(変化)”の描写を解説者は称賛してるがどうもピンとこないし的外れに聞こえてしまう。

    結末もなんとも言えないオチで期待外れ。。

  • 47歳になる清子は、夫の隆とともに暴風雨に巻き込まれて孤島に流れ着きます。そこへ、日本の若者たちや、置き去りにされた中国人が流れ着き、共同生活が始まります。31人の男たちに囲まれて、たった一人の女性である清子は、自分を求める男たちの視線に喜びを覚えます。

    しかし、彼女のそんな思いは、自分の夫を2年に一度くじ引きで決めるという制度が作られ、彼女の誇りは傷つけられます。ドラム缶を使って筏を作成した中国人グループは、清子だけを連れ出して島から脱出を図ります。日本人の男たちを捨てて中国人とともに島を脱出しようとした清子ですが、ヤンというリーダーの男に犯され、しかもふたたび悪天候のために島に流れ着きます。

    そんな彼女を迎え入れたのは、彼女の3番目の夫となった「ユタカ」と呼ばれていた男が「森軍司」という本名を思い出し、男たちのリーダーになっていたという事実でした。彼の登場によって、島の女神として君臨していた清子の地位は脅かされます。しかし清子は、中国人によって孕まされたことを逆手にとって、お腹にいるのは「ユタカ」の子どもだと言い張り、彼と渡り合おうとします。

    さまざまな登場人物の視点から物語が語られていくのですが、島民たちから疎外されたワタナベという男が、隆の日記を盗み出すことで彼の精神を受け継いだような気になっていく描写に、奇妙なリアリティがあります。そのほかにも、突拍子もない舞台設定の中の人びとの心情というかえげつなさが描かれていて、小説家の想像力というのはすごいものだなと感心させられました。

  • 設定が面白く、ストーリー展開も現実味があって各章毎に次は、次はと読みたくなる展開であった。無人島生活という体験し得ないであろう環境で、様々な人間性がドラマとなって描かれている。ラストは、やはり、ハッピーエンドを望んでしまったけれど、東京島のその後についてミステリーを少し感じるラストとなっているのかなと思った。解説の、これ以外にベストなラストはないだろう、という感想で、確かに、と腑に落ちた感じ。

  • 桐野夏生の本はなんかナマナマしくて好きじゃないんだけど、設定に惹かれて読んでみました。
    結果、私は読んで良かったです。

    無人島に大勢の男性と女性が一人だけ。
    普通に考えればセクシャルな話なんだけど、さすがこの作者はそうはならず。
    限定された環境のなかで自分が持つ特性をどう使って生き残るかの(このシチュエーションでは文字通りですね)話かと受け止めました。
    というか、男31人に女1人というのは「多」のなかの「個」という例え話にすぎない気さえしました。
    この集団の中で「女」というのは強みでもあり弱みでもあり。
    無人島という中で、体力が劣るのは弱み。
    「多」である男性の性的欲求(含・繁殖)に対しては限定的な強み。
    あとは刻々と変わる状況をいかに読み、そのとき自分の特性を最大限どう活かすかの判断力が大切。
    あまりこだわらず物事に対応できる柔軟性、いざというときの決断力、人脈と情報が大事で、運が結果を左右することもあるなど、私はビジネスシーンと重ね合わせて読んでました。
    合理的とはいえ、やりすぎると嫌われるところも同じ。
    弱い立場の者(残留組)はいつまでも仲間だと思っているけど、上の立場(脱出組)になってしまったら関係ない人になっちゃうところも同じ。
    ワタナベみたいに高みから嘲笑う人もごくたまにいるかもしれないし。
    ガツガツする人、手近なところで満足する人、じたばたする割に結果が出せない人などなど、すごくえげつない社会の縮図を描いてるんだと思いました。
    実際のビジネスシーンではここまで卑しくはならないけど「無人島」という設定だから、このくらいまでやっていいのかな。

    ラストも「えっ?」と思ったけど、これ以外のラストは思いつかないくらい秀逸かと。
    二人の置かれた環境から、2極化した感じがうまく表わされていると思います。
    「トウキョウジマ」の住民は、いまの日本みたいですね。
    マイナスを隠して、満足しているふりをして、でも明らかに満足じゃないし、肝心なところで見ないふりをしてるけど、常に不満を抱えてる。

    物語としては、短期間に遭難してくる人が多すぎること、その割に救助が来ないこと、ドラム缶を捨てに来る人が13年以上来ないこと、がご都合主義ですかね。
    あと、それが対比の表現とわかっていても、いくらなんでも日本人男性が草食過ぎるかなー。
    映画のほうは、木村多江では「限定された環境の中なら普段は需要がない太ったおばさんが高価値となる」という要素がなくなっちゃうと思うんですけど、どうでしょう?

    最後に、チータを命綱だと思って握りしめてるのを「甘いな(哂 って思わせるのが、うまいところですね。
    だからダメなやつはダメなんだよ。。。みたいな。

  • 設定からすればいくらでもヒューマニズム溢れる壮大な物語を紡げるはずなのに、よくぞ頓着なくぶっこわしてくれました。非日常にムリヤリ日常を押し込めることによる破綻、それゆえ人間性があらわになりゆく様子がえげつなくグロテスクで可笑しみすら感じます。エログロナンセンス!矛盾の上にも共同体は築かれますが似非ですからいずれ壊滅することでしょう。だってそこでは希望すら胡散臭いんだもの。この物語に現実人間社会の縮図を見つけるのは容易いけれど、せっかくの放埒文学を型に嵌めてしまってはつまらないので慎みます。面白かったです。

  • 女の本能とか、本質というか、無人島で女一人で生き抜くには、
    サバイバル能力発揮のたくましさとか、男を出し抜くずるがしこさとか、
    どんな人間でも清子みたいに変貌するしかないんじゃないかって思った。
    今まで流産ばっかりしてきたのに妊娠したのも、
    本能?っていうんか、ホルモンの関係?っていうんか、
    体が島に順応するためというか、
    子孫を残さなければっていう窮地に立たされて体が順応した?
    みたいな風に感じた。
    ううーん、なんか自分のボキャブラリーが乏しすぎて悲しいw
    うまく説明できなくてもどかしいww

    清子は最後の最後までずる賢く生きてて、ほんと図太い。
    島に残された住民は、女が増えたおかげで均整が取れたなってことで、
    うまく生きてるけど、最後に一番物事を悟っているのはヤンさんだなって思った!

    チキとチータはほんとにいい子に育っててもう泣きたくなったよw

  • まあ面白かった、という感じ。
    元の案は面白いし、いくつかのキャラが狂っていく過程も面白いし、文章も悪くない。食べ物についての文はこっちまでも涎が出るくらい。

    でも読み終わってもイマイチこの作品で何を伝えたかったのかがわからない。エンターテインメントにしてはヘビーなのに、感情が動くかといったらそうでもない。
    都合の良すぎる展開が多いし、ラストに意外性は感じない。解説では女性の強さを描いていると書かれているが、これも都合よく女性の立場が弱いシーンを省いているだけのように感じた。

    途中まではワクワクしながら読んでいただけに、終盤の展開が残念です。
    でもつまらないわけではないので、☆三つで。

  • 無人島に漂流した男達と1人の女性の物語。
    最後、こういう結末が来るか~とちょっと驚きました。
    これはフィクションですが、世界のどこかにこれと同じような体験をしている人がいるかもしれないと思うと・・・ちょっと怖くなりました。

  • 映画も面白かったけど、本も良かった。みんなの本性とか変貌ぶりが、ありうる!って感じ。

  • 無人島に流れ着いた人間群衆が、1人の女性を巡って揺れ動く。極限まで追い込まれた人間が陥る不可解な行動や、本能的な衝動がエグみをもって描かれているのは、女性作家ならではなのかもしれない。
    女性の持つ「芯の強さ」が伺える生々しい長編。

  • 思ったよりラストはふーんって感じだったかな。物語自体も設定は面白いのに終始もたついてるというかスピード感がないというか。実際あったお話をベースにしているらしいけど、せっかく小説にするんだからもっと盛り上がりが欲しかった気もする。桐野夏生の小説ってもっと小気味よかったような・・・

  • 「何かを失い、何かを得て、世界が動いている」

    自分の人生でも今がかなり重要な局面で、取捨選択の決断を迫られている時期なのでこの一文の読んだだけでグッときてしまった。

    別に無人島じゃなくたってみんな生きるのに必死だし、腹黒いし、裏切りもする。俺も裸で生活したい。

  • ジメッドロッとした無人島ものでした。
    最初短編だったのを継ぎ足してった感がいまいちー

  • 桐野夏生は初めて読みましたが、なんだろう、やっぱり女性作家さんだけあって、女の利己的でドロドロした所を見せ付けられて心が抉られるようです。

    読んでいて辛くなるのは、私にもそういった嫌な面があるのだと強調されるようで…今の気持ちのせいなのでしょうか…、あんまり心地よくありません。
    そうまで感じさせる表現というのは凄いですよね。

    誰に感情移入して読むかにもよるのかもしれませんが、私は誰にもできませんでした。
    唯一の女性の清子も40オーバーで考え方が余り理解を超えているというか…でも無人島生活は強いものにすがったり、狡猾でしたたかであらねば生き抜けないのでしょうね…。

  • うーん・・・
    やはり、私には合わない。
    きっと作者が好きな人には面白い内容なのではないでしょうか?
    ただ、個人的にはOUTや柔らかな頬よりは好きです。

  • 木村多江さん主演で映画化された東京島、、、。
    やけど、全然、木村多江さんじゃないし、、、。

    確かに、女の強かさとかは旨く表現できてるんやけど、何か物足りひん感じ。
    ラストも、「えぇ~(´Д`)」って感じながらも主人公・清子の悪運の良さと図太さには感心した( ´艸`)

  • 桐野さん作品2作目。
    以前読んだOUTは猛烈な不快感が残る小説だったので、今作はあまり期待せずに読みました。

    小説ってすごい、どんなシチュエーションでも心情でも現わせちゃう、って初読の感想。
    この作品自体にはあまり感想は持たず。

    私が清子に求めていた女性像と結構隔たりがあって、しっくりきませんでした、OUTの主人公のような強さや洞察力を求めてました。

    清子のように運命や男に身を任せられるのも女性の強さ。
    って言いたいんでしょうか、それ自体は納得できますが、このシチュエーション下では違和感が残ります。

  •  時に、その性を剥き出しにし、生きる……その島で命を繋ぐ。
    女という生き物の奥底に隠された残酷な部分がとても出ている作品。

    グロテスクな表現もそこでの生活を想像させるのには、最適なのかもしれない。

    もし、私だったら、どうするのだろうと少し考えた。

  • 面白そうな設定なので期待していましたが、完全に期待外れでした。
    何も面白くない。
    中盤は惹きつけられる場面が何もなく、
    登場人物も魅力ない人ばかり。
    読むのがひたすらだるい。
    最後どうなるのかだけを知りたくて読んだ感じ。
    しかし、結末もまたなんかしょぼい。

    「OUT」(★★★☆☆)とこれしか桐生夏生は読んでいませんが、
    しばらく読まないと思う。

  • ううううーーーーーーん・・・・
    とても話題になって、映画化もされた、この小説なのだけど。

    どうにも、作り話だからと、共感できるものも
    夢もなく。
    そこに、自分がいるような移入も、まったくできず。

    なんせ、漂着した島に、30人の男と一人の女っていう設定は
    すごく面白いんだけど、
    その残された男性たちに、あまり魅力がなさすぎる。
    弱っていたとしても、もっと人間味あふれるような描写があっても良いのに。って。

    また、独特の言葉を使っているのだけど
    シブヤだのオダイバだの、
    固有名詞だけでなく、ほかにも。
    それも、なんだか、共感できなくて、面白くないし。

    たった一人、残された女性は、46歳の女性なんだけど、
    どうしても、木村多江さんの顔が、やっぱり浮かんできちゃうし。
    そこに描かれている女性像と、木村多江さんとは、あまりにかけ離れているし。

    その、残されたたった一人の女性にも、
    あまり共感できるものや、魅力も感じられない。

    最後、いったいどうなるのか。
    なんで、そうなったのか。
    で、結局、なんだったのか。

    あまり私は好きなストーリーでは、なかったかな。
    エロを描くのなら、もっと徹底的に、そこを描ききってもほしかった気がするし。
    ガッカリだった

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東京島 (新潮文庫)の作品紹介

清子は、暴風雨により、孤島に流れついた。夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。その後、日本の若者、謎めいた中国人が漂着する。三十一人、その全てが男だ。救出の見込みは依然なく、夫・隆も喪った。だが、たったひとりの女には違いない。求められ争われ、清子は女王の悦びに震える-。東京島と名づけられた小宇宙に産み落とされた、新たな創世紀。谷崎潤一郎賞受賞作。

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