ナニカアル (新潮文庫)

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著者 : 桐野夏生
  • 新潮社 (2012年10月29日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (589ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101306377

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ナニカアル (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 讀賣文学賞小説賞受賞作品
    桐野夏生の並外れた筆力・構成力を感じさせる一冊、感服!
    小説の面白さを、醍醐味を久々に感じることができた。
    林芙美子の戦後の作品・生活を下敷きに、南洋への取材旅行を芙美子の手記という形で書き上げた。

  • 桐野夏生らしい表現を感じさせつつ、ノンフィクションに近い物語。女性を焦点に、生々しく掘り下げる表現力は、やはり桐野夏生らしさだ。

  • 2017.01.24読了。
    今年4冊目。

    岩田書店一万円選書の一冊。

    放浪記の林芙美子の回想録の話。
    放浪記についても林芙美子という作家についても知らない私にとっては回想録自体が本当に存在するのかすらわからず。

    桐野夏生さんの作品も読んだことなかったけど勝手にホラーとかグロテスクなイメージがあり、タイトルがカタカナなのもホラーっぽくてw手に取ることがなかった。
    多分一万円選書に入ってなかったら読まなかっただろうな。

    さて、作品についてですが何の知識もなく読んだので林芙美子の悪評も知らなかったし普通に楽しめた。
    芙美子の奔放な異性関係も特に気持ち悪いとかは思わなかった。
    戦争の酷さが芙美子の恋によってより際立っていたように思った。

    放浪記、浮雲など読んでみたいと思った。

  •  幾何学的な線のカエルのイラストが描かれた表紙と、題名『ナニカアル』って言葉がキャッチーなので読んでみた。何があるんだろうと読み進むが特に何もない。表紙のカエルに意味も特に無さそうだし、林芙美子にも当然興味もない(背表紙解説を読まずに本購入)結局、桐野夏生さんが林芙美子という作家についてこんなに詳しく調べてみましたっていう事につきる。文末にある参考文献の多さがそれを物語る。つまらない。

  • 2015/10/12購入
    2017/9/17読了

  • 放浪記という代表作と故森光子のでんぐり返り。
    林芙美子というとこんなイメージしか思い浮かばない。

    実際に、林芙美子の作品を読んだ事が無いので
    桐野夏生が描く、林芙美子は
    生きるか死ぬか、死が身近のある時も
    年下の愛人のことだけをただひたすら、考えている
    女という女性だった。

    何処までが、ノンフィクションなのか分からない。
    日本が戦時中に作家を、戦地に派遣したということは
    「花子とアン」で知ったけど、現代でも名前の残っている女流作家もたくさん派遣されてたのは意外でしただった。

  • 林芙美子さんの作品はかの有名な「放浪記」すら読んだこともないし、舞台の方も見たことがない。
    それなのに、なんとなく林芙美子という作家のイメージが自分の中でできあがっていて、この作品の芙美子さんが本物であるかのように読めてしまうのが不思議。
    読んでいる最中、私の脳内では芙美子さんは森光子さんのイメージで再生されました。
    実在の人物が多数登場するだけに、何がこのお話を書くきっかけになったのか……とても興味深いです。

  • 劇中劇?フィクション?ノンフィクション?。史実に忠実な部分が多いから、時代がそうさせたのか?と引き込まれる。

  • 桐野夏生。「東京島」「グロテスク」「OUT」の代表作は気になりつつこれまた初物。女流作家はホント読んでないな俺。沢木耕太郎→林芙美子からの流れで手に取った本作、期待以上だった。林が「浮雲」の構想を得るきっかけとなった南方への従軍派遣から内地帰任へかけてを、あくまでも「フィクション」という形で描き上げた小説。これが史実だとは誰も言っていないし、それを裏付ける資料が本当に有ったわけでは無い。それでも、「浮雲」で描き上げられた狂愛は、軍に睨まれる中で書きたいことも書けないまま見てきた戦争の狂気を投影したから、と思う気持ちを裏付けられた気がする。とかく悪評の多い林に興味を持って、徹底的に調べて書いたという作品。他の桐野作品を読んだことが無いので何とも言えないが、期待以上には面白い一作だった。浮雲から立て続けに読んだのも良かったな。

  • 林芙美子の回想録を作者風に小説化したもの

  • ダ・ヴィンチ プラチナ本 2010年5月号

  • 「放浪記」の林芙美子が、戦中、日本兵の強さと日本が勝ち取った国の人々の暮らしを伝えるという、いわゆる「ペン部隊」として、軍の徴用で南方の国々へ出張していたときの話である。
    NHK朝の連ドラ「アンと花子」で、女流作家が決起して軍の広報活動に努めるというシーンが確かあったような…しかし、人気作家を利用して国民の戦闘意欲をあおるとは…とんでもない時代だったんですね。
    旦那様がおりながら、年下の男と恋仲になり、おまけに彼とうまくいかなくなったその不安からか、南方へ向かう船の中で別の男とのアバンチュールも楽しむという、自由奔放な、恋多き女、林芙美子。当時の売れっ子作家は、今のタレントのようにちやほやされていたようなので、言い寄る男もあまたいたんでしょうね。
    そんな彼女の代表作「放浪記」も読んでみたくなった。

  • 戦時中、こんなこともあったのかと驚き。
    芙美子の女っぷりが気持ち悪いと思った。
    話を知らずに選んだのに、妊娠、出産のエピソードがあったことがおもしろかった。産休に入って最初に手にした本。

  • ふるえ本より

    桐野夏生著 ¥750・新潮文庫

    『放浪記』の著者・林芙美子の創作欲と迸る情愛を、戦時下の 闇と共に描いた作品。戦地に赴いたのは作家としてだけでなく 全てを懸けた情事のためでもあった。自分が生きているという 実感を得るために行動する芙美子に、女の逞しさと悲哀を感じ ずにいられない。

  • 林芙美子の夫である手塚緑敏の死後、絵の裏に隠されていた手稿が発見されるところから、この小説は始まる。それは、芙美子が従軍作家として南方に赴いていた間の体験を綴ったものだった・・・。
    文学史に名高い実在の作家に重大な秘密があったというフィクションを小説に仕立てるとは、なんと大胆な。だが、これほど大胆なふるまいをさせているのは、桐野夏生が自身の中に住まわせた林芙美子にほかならない。そう納得させるほど、林芙美子という対象に深く入り込んだことが得心できる小説だ。
    桐野が描く芙美子は、流行作家としてもてはやされているものの、「最下層の自堕落な女」というイメージゆえに文壇では蔑まされていることを自覚させられており、いいものを書いて彼らを見返したい、という野望は強い。そうした心理にうまくすべりこんできたのが、軍からの誘いだった。戦争をこの目で見て実感したいという欲望につき動かされるままに日本軍の中国侵攻に従軍した芙美子は、1937年には南京女流一番乗り、38年には漢口一番乗りを果たして勇名を馳せ、そのルポは国民を熱狂させることになったのだった。
    だが、1943年に南方派遣される芙美子は、軍と作家の関係が変化していることに気づかざるを得ない。用紙配給でメディアの統制を完成させた軍は、もはや作家の「協力」を得る立場ではなく、軍が望むことを望むままに書かせるための道具として、作家を徴発・管理するようになっているのだ。軍に行動を管理されることに不安を抱き、住民虐殺の話におびえながらも、表面上は自由で豊かに見える南方占領地の生活の中で、芙美子はまさかの思いを捨てきれない。朴訥に見えて気味の悪いほど気の回る従卒、実は憲兵の野口が、邪気のない顔で心に入り込み、なかなか尻尾をつかませないように。
    だが、戦争の本質に眼をふさぎ軍に踊らされていた愚かな自分の姿を眼前に突きつけられる時は、恋人との別れとともにやってくる。自分の弱さ愚かさをしたたかに思い知らされる衝撃よりも、この人と二人なら、檻のように圧倒的な戦争の力の中でも生き抜いていけるかもしれないと信じた相手が、自分を「その程度の作家」と軽侮していたという事実に、深く傷ついて呻き声をあげる芙美子は、しかし、恋人の放った言葉によって切り裂かれた傷口からひきずりだされた自分の灰色の腸から目を背けようとしない。戦争の中、もはや作家といえない存在にされてしまった作家の再生は、激しい痛みの中でも手放さないその視線から、すでに始まっているのだった。
    桐野夏生にこのような作品を書かせた動機はどのようなものだったのだろう。「流行女流作家」をもてはやしつつ見下す社会の視線、文章を書く者が迫られる、権力とのあやうい関係、親密な相手の裏切り。おそらく、そのどれも、なのかもしれない。そして、「戦争に閉じ込められる」予感も加わっているのではないか。解釈改憲閣議決定が強行された今、恐怖は格段にリアルさを増している。

  • 戦争中の人の生き様を生生しく描写した一冊
    じっくり時間をかけて読んだ

  • この作家の作品で初めて、読み応えを感じた。
    (タイトルは?)

  • 実在した林芙実子さんという、太平洋戦争中~その後に活躍した作家の一生。

    フィクションではあるが、著者が大胆な仮説を織り込みながらも、実際にあった出来事に沿って、リアルに組み立てられた小説。

    正直、林さんに興味はないけど、むしろ嫌いだけど、この時代にこういう仕事で生きていくことの強さに羨望。

    戦争はただただ酷い。なにもない。
    いまの時代に生きていることを感謝する。

  • じっくり読む感じ。

  • 何も知らずに読んだなら驚いた。けどすごく面白い。文章綺麗。新感覚だった。原作とかモデルがない自身のものを書いて欲しいな。2014.02

  • 桐野夏生さんの小説の中ではかなり読みやすい作品だと思いました。
    短い期間で一気に読めてしまいました。

    いつもの?グロテスクさは全く感じず、スッと頭に入ってくるような心理描写や情景描写はとても心地よく感じました。

  • 2014/02/12読了。『放浪記』が有名な林芙美子の半生を描いた作品です。この小説のなかに出てくる落合の邸宅、いまは林芙美子記念館、の近くに住んでいたことがあり、その雰囲気を思い出しながら読みました。
    第二次世界大戦中に戦線の様子を伝えるために作家が戦地に派遣されていたこと、この小説で初めて知りました。危険な地に赴いて行動も作品内容にも自由はあまりないなか、年下の新聞記者に恋をして強くしたたかに生きる姿がとても濃密に書かれています。
    最後の方、放浪しつづけた母と芙美子の会話がよかった。女性におすすめの作品です。

  • うー読むのが苦手なタイプの文章だったー

    戦争の時の裏側みたいなのを知れたのはよかったです

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ナニカアル (新潮文庫)の作品紹介

昭和十七年、林芙美子は偽装病院船で南方へ向かった。陸軍の嘱託として文章で戦意高揚に努めよ、という命を受けて、ようやく辿り着いたボルネオ島で、新聞記者・斎藤謙太郎と再会する。年下の愛人との逢瀬に心を熱くする芙美子。だが、ここは楽園などではなかった-。戦争に翻弄される女流作家の生を狂おしく描く、桐野夏生の新たな代表作。島清恋愛文学賞、読売文学賞受賞。

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