幻の光 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101307015

感想・レビュー・書評

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  • 『星々の悲しみ』とセットで好みな短編集。
    陰と陽で対になっていると勝手に思っている。

  • やっぱり宮本輝は天才だなあ…生きていくために必要な情念とか生命力についての言葉が重すぎる。これだけの結論を出すには、一体何人の人生と向き合ってきたのかね…

    唯一苦手な点があるとすれば、人が死にすぎる、失いすぎる点かも。でも宮本輝の悲劇って最終的には幸せな方を向いてる気がするので、嫌いにはならない。底なし沼ではない。ただ、その分逆に生々しくて残る傷が深いから、体力のある時に読みたい作家かも…

  • 何の理由もわからないまま、愛する人を自殺という形で失った女の不安定な心情。
    喪失感や虚無感、自責の念・・・
    短編を書ける作家こそ一流作家だと思う、そんな短編集。

  • 初めての宮本輝作品。悪くない。全く悪くない。次々と読んでいこうと思う。

  • 普段あまり読まない純文学も読んでみようと手にした一冊。
    幻の光もよかったが、夜桜、寝台車も、好きな感じ。

  • 四話収録されているうち、『表題作』がしみじみとよかった。主人公と同調しているかのように、潮の香りまでかんじるように思われました。

  • 「人間は、精が抜けると、死にとうなるんじゃけ」前夫の死をずっと忘れられず、たびたびの生死の間を見聞きし経験したことも思い出しつつ、奥能登に生きる女の独白。細密な文章が心のひだに絡んでくる。他3編。2019.11.8

  • 艶と哀愁が漂ってい情景が鮮やかに見える。暗いストーリーに反して登場人物が煌めいていて、心が震えた。「幻の光」と「夜桜」がお気に入り。

  • 短編集。表題作は映画になったらしい。
    子連れで再婚し特に生活に不足はないが、不意に鉄道自殺で亡くした前夫のことや、出奔して生死不明の祖母のことが想いだされる中年女の話「幻の光」。
    息子を亡くし、離婚した夫と再会した豪邸に住む女が、得体の知れない若者に一夜の宿を提供する「夜桜」など、過去に親しい人を喪失した体験を現代から照射する、しかも事件とは関わりにない第三者の介在によって、というかたちがとられている。

    この著者の女性は男性に都合がいいと言えばそれまでなのだが、たくましく勤勉な人が多く好感がもてる。情緒を追うたくみな文体もよい。

    ただし再読したくはない。

  • 錦繍を星5つにしたので、しかたなく星4つ。宮本輝の小説の結末の深さは絶品である。

著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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