ドナウの旅人(下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.63
  • (95)
  • (108)
  • (209)
  • (18)
  • (4)
本棚登録 : 1181
感想 : 94
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101307046

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 宮本輝さんが描く情景が好き。登場人物が皆人間臭が、上品なところも好き

  • 壮大な旅だった。
    絹子の成長がめざましかった。

  • ドナウ河に沿った旅もいよいよ終着。
    道中様々な人と出会い別れる。
    そして突然の死。

    道雄は人生をやり直すことができるのか。
    麻沙子はシギイと国境を越えた愛を成就することはできるのか。
    黒海の港町で物語は終わり、その後の展開は読者に任せられる。
    でも、きっといいことに収まるのだろう。

    久しぶりに読んだ本書。
    記憶していたものとは全然違っていた。
    人の記憶は頼りない…

  • 4人でドナウの先までついにたどり着いた!途中からもしや…と予感していた絹子の死がやはり起こってしまって切なかったが、やはり年齢差や借金や不倫?である2人が結ばれるにはこんな結末しかないのかもしれない。
    それにしても人間のあらゆる感情を見ることができたし、物語は壮大でロマンチックで、読み応えがあった。共産主義圏や普段なかなか行けない国の更に田舎の村の人たち、なぜか皆温かく、人間は世界中同じ生き物なんだなぁなんて当たり前のことを思ったりした。ドナウ河に沿った旅をするなんて、どう考えても金銭面や時間や言葉や…ハードルが多くてなかなか現実にはできないことだけど、そんな美しい旅をいつかしてみたいものだと思う。心の琴線に触れるなにかを感じたい。

  • p.19
    夜のウィーンは、雨のパリに似てる。人間をセンチメンタルにさせるよ。

  • 再生の物語。「悪いことが起こって当たり前。いいことがあったら不思議だと思って、大喜びするのだ」時代や風土や民族が違っても人間はみんな同じ。願わくは幸せになりたいという点において。見栄や自尊心にだまされずに、他人を愛する。長い長い旅の先に何が待ってるのか知りたくて夢中で読んだ。

  • ドナウの如く、読み応えのある小説でした。異国でも、とりわけ共産圏を主な舞台としているため下巻はその社会性に圧倒されながらのめり込むように読んでしまいました。

  • ドラマ観てから読んだので、ひたすら佐久間良子の呪縛から抜けられず。しかも高校生ぐらいだったから、正直良くわからなかった。面白かったのは覚えてるけど。要再読。

  • ドナウ河に沿って長い旅をしている過程で、様々な人と出会い経験を積むことによって成長し、変化していく様子が自然で引き込まれた。
    登場人物たちも個性溢れているし、ヨーロッパの情景が思い浮かぶような文章に浸れました。
    この作品や『深夜特急』のような作品を読むと、自分も長い旅をしたくなってくる。
    とても無理だけど……。
    この作品の頃と、現在では東欧の政治情勢も代わり、ブタペストなんて今では人気の観光地になっているけど、現在に置き換えると少し味気なくなりそう。
    当時の共産圏だからこその味わいもあると思う。

  • 麻沙子が、イケメンで男っぽいシギィと、見た目はともかくも穏やかで問題解決能力の高いペーターとのあいだで、内心揺れてしまう気持ちはよくわかる。

    どちらを選択しても、後悔する人は、無い物ねだりをして後悔するでしょう。

    でも、どちらを選択したとしても、幸せにはなれる気がする。

    読中、海外の作家の翻訳本を読んでいるかのような、不思議な錯覚を覚えて面白く感じた。

著者プロフィール

1947年兵庫生まれ。追手門学院大学文学部卒。「泥の河」で第13回太宰治賞を受賞し、デビュー。「蛍川」で第78回芥川龍之介賞、「優俊」で吉川英治文学賞を、歴代最年少で受賞する。以後「花の降る午後」「草原の椅子」など、数々の作品を執筆する傍ら、芥川賞の選考委員も務める。2000年には紫綬勲章を受章。

「2018年 『螢川』 で使われていた紹介文から引用しています。」

宮本輝の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×