夢見通りの人々 (新潮文庫)

  • 668人登録
  • 3.45評価
    • (33)
    • (70)
    • (151)
    • (9)
    • (4)
  • 59レビュー
著者 : 宮本輝
  • 新潮社 (1989年4月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101307053

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部 みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印

夢見通りの人々 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 大阪の商店街、夢見通りで起こる10個の出来事。
    まるで、昭和のホームドラマをテレビで観てるような感覚。

    一応、主人公は詩人を目指す春太。良い人なんだけど、なんとも頼りない。そしてウジウジ悩む。

    とにかく、個性派揃いの中にあって、私が一番心惹かれたのは肉屋の竜一。並外れた性欲を持て余していた男。けれども、一番情の深い男に思えてなりません♪

    ハッピーエンドの結末を求めがちですが、たとえそうじゃなくても、前進する強さを人は皆持っている事を教えられました。

  • 再読。
    大阪のうらぶれた商店街、「夢見通り」を舞台にした短編連作集。

    ド昭和の、いかにも宮本輝らしい、
    泥臭く、猥雑な中に温かみが感じられる物語。

    気弱で詩人の春太、太楼軒の父ちゃん母ちゃんに優秀な娘、
    肉屋の竜一と竜二、タバコ屋のトミさん、商魂逞しい時計屋、
    シャレードの痣のあるママなどなど。

    肉屋の竜一と美容院の光子のエピソードが良かったなぁ
    そううまくいかないところもまたね(笑)

    久しぶりに宮本輝を読んだけど、切ないけど、
    身も蓋もないところもあるのにどこか上品なんだよなぁ
    昭和だからなのか、私が昭和の人間だからなのかw

  • 大坂の夢見通りという商店街の1軒に下宿する
    里見春太とその商店街の一癖も二癖もある人々のお話
    少しにがくって、生々しくって、おかしくて、悲しい
    読んでいてすごく思ったのは、宮本輝さんの小説って
    ストーリーも長短編かもテーマも時代も色々と違うけど
    芯はずっとぶれていないんだなぁということ
    やはりこの本も読み終わって元気が、勇気がもらえました
    もう20年以上も前の小説、今読んでも輝いています

  • 商店街の人々の裏の顔を表しながら、人間の裏の感情を上手に表現している作品。ついつい、引き込まれてしまう。

  • 「夢見通り」という商店街に暮らす、ロマンティックな名前にそぐわない、アクの強い人物を描いた群像劇仕立ての連作短編です。

    第1章は、30歳で通信教育の仕事をしながら詩人になることを夢見る里見春太は、美容師の光子にひそかな恋心を抱いていますが、歳の割りに純情な彼は、自分の想いを伝えることができません。その光子は、拾ってしまった宝石箱の処分を、ヤクザ上がりで女好きの噂のある肉屋の辰巳竜一に依頼したことがきっかけで、少しずつ竜一に魅かれていくことになります。古川文房具店の一角でタバコ屋を営む、身寄りのない77歳の伊関トミは、立ち退きを求められて孤独をかみ締めながらも、春太の優しさに触れて、最後は死んでいきます。

    時計店を営む村田英介は、息子の哲太郎の手癖の悪さに手を焼いていましたが、やがて哲太郎は、商店会の組合長を務める吉武権二の一人娘の理恵と駆け落ちします。しかし、理恵が子どもを身ごもったことに哲太郎は戸惑い、春太が仲裁役として、北海道まで2人を迎えに行くことになります。

    スナック「シャレード」の女主人の奈津は、生まれたときから顔に痣があることに、コンプレックスを抱いていました。そんな彼女に魅かれた客の「げえやん」は、痣を隠そうとして苦しむ彼女の心を開こうとします。

    中華料理屋「太楼軒」を営むワンさんの娘の美鈴は、アメリカン・スクールに通い、外交官になることを夢見る才女です。そんな彼女の依頼で、春太はホモのカメラ店主の森雅久のもとを訪れ、美鈴の友人のレスリーというアメリカ人と親密な仲にならないようにいいますが、森の人を見る目の深さになすすべなく、引き返すことになります。

    登場人物たちの泥臭さの中で、春太の純朴さがどうしても浮いてしまっているように感じます。光子と竜一とのやりとりも、いかにも朴訥です。そんな彼が、多くの章で舞台回しの役割を務めることで、他の登場人物たちのアクの強さがいよいよ引き立っているようにも感じるのも事実ですが、ややバランスの危うさも含んでいるように思います。

  • 受験勉強していた時に解いていた国語の問題で読んだのがキッカケ。

  • 長期に渡って読んでいたこともあり、もはや夢見通りにすんでいる気分。うまいなぁーみんなくどいくらいに特徴的なんだけど、それに見合うだけの悲哀を抱えているから、親身で読めるのかな。うん宮本輝は悲哀がうまいと思う。あと女心。第九章白い垢すんごい好きよ。第三章時計屋の息子も面白かった。うーんひさびさに小説っぽい小説読んだ!

  • 十人十色に登場人物をえがき,それぞれの生き様がとても切なくもあり,でもあり得る,そんな物語です。

  • 発刊当時は映画化もされた宮本輝氏の名作。連作短編作品です。

    里見春太という主人公の、素直で優しく真面目で、でも不器用で孤独な部分と、彼を取り巻く夢見通りの人々の心模様や生き方が、表も裏も含めてリアルに描かれています。

    宮本輝氏の作品には「人物」がしっかりと描かれていて、切なさや愛を感じさせてくれます。前を向いて生きる、ということの大事さを考えさせてくれます。

    自分は、肉屋の竜一の印象が読み始めと終わりでガラッと変わったことに驚き、少し愛着が湧きましたね。
    こんな風に自分のお気に入りの人物を見つけて読むのも面白いかも。といっても、ひと癖もふた癖もある人物ばかりで感情移入はできないかもしれませんがw

    昭和後期くらいの時代背景も、この作品の良さを引き出しているんだと思います。
    合理化が進み、人の心が希薄になってきている今の時代からは考えられないですが、あの頃は、まだ近所付き合いもあったんだなあとしみじみ・・・。

  • 主人公の背景になっている人物それぞれに光が当たって物語が進むうち、それぞれの人生の「ままならなさ」が炙り出されてくるようだった。それでいっそう登場人物達を愛おしく感じたし、自分自信も励まされた。

  • 商店街の群像劇をオムニバス形式に。
    いろんな人の心情が絡み合っておもしろい。

  • 宮本輝のすべてが詰まった連作短編集

  • はじめは読みづらかったけど、徐々に良さが出てきました。

  • 宮本輝さんの本を読むと、なんだか安心します。大阪が恋しくなると無性に宮本さんの本が読みたくなります。

  • 人間の愚かさや世の中の皮肉さがそこらじゅうにちりばめられています。

  • すっごい久しぶりの宮本輝さんの本だよ~~。
    やっぱりいいな~~~。

    私としては、『昭和』という時代がこの本のイメージだったんだけど、初版は平成なのね~。
    いろんな個性の持ち主が集まる商店街のお話。
    各章で、いろんな人に的を絞って書かれてるんだけど、その繋ぎに里美春太という人が絡んでくるの。
    なんか、各章に登場してくる人物それぞれ曰くつきなんだけど、でもみんな良いキャラしてるんだなぁ。
    また、関西弁がこの話にとっても合ってて温かさを醸し出してくれる。

    宮本輝さんって、ほんと良い本を書く作家さんだと思う。
    読んでて、すぐその世界に入り込めたし、もっともっと読みたかったって思わせてくれる。
    自分も、その中の一人になった感覚にもさせてくれる。

    これからも、すすんで宮本輝さんの本を読んでいこうと思います。

  • 再読6回目。
    人って面白い。いろんな人のいろんな思惑が絡まり合ってる。人の世の、なんと複雑なことか。

  • 大阪難波の少し南にある夢見通り商店街。そこに住む人々の悲喜こもごもに毎章違った角度からスポットを当てる。
    ドラマの進行の軸となるのは、長期休業中のかまぼこ屋の2階に間借りする里見春太。セールスマンをしながら貯めたお金で詩集を自費出版するのが夢だ。
    途中、春太が「めでたし、めでたしやなァ」とつぶやくところはあるが、基本的にはどこにも「めでたい終わり」が用意されていない。明日も明後日も、夢見通りの人々はこのまま同じようなことを繰り返して行きそうな、そんな終わり方だ。ところで、第一章の春太は人付き合いを億劫がるタイプの人間にみえるのに、読み進めていくと、あちこちで借り出されて妙にいい人になってホイホイ人助けをしている。ちょっと矛盾を感じる。

  • 夢見通りに生きるそれぞれ生き様が切実な重みをもって胸に迫ってくる。深く重い人生観を啓示する宮本先生の技量に心底酔わされる。

  • 珍しく、短編なのに各ストーリーはすべてにおいて関連してて、
    最後には登場人物皆がいとおしく感じれて 本当に良かった(><) 独特な展開も面白かった

  • もはや個性が強すぎるを通り越し、とてもクセのある人が何故か集まっている夢見通り。
    各章ごとに書かれる人々の日常は、それぞれ何らかの問題を抱えているが、夢や希望を持っている。
    しかし、結局思い通りの結果にはならず、とてももどかしい。
    だけど、その上手くいかない感じがやけに人間らしくて、しっくりくる感じもする。
    ある意味、人間クサイお話です^^

    いつも他人の問題に巻き込まれるけど、なんだかんだ言って仲介役を引き受けてしまう里見春太の人柄が好きですね
    彼はそういう運命なんだろう・・・


    宮本輝さんは天才ですね^^

全59件中 1 - 25件を表示

夢見通りの人々 (新潮文庫)に関連する談話室の質問

夢見通りの人々 (新潮文庫)に関連するまとめ

夢見通りの人々 (新潮文庫)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

夢見通りの人々 (新潮文庫)の作品紹介

その名前とはうらはらに、夢見通りの住人たちは、ひと癖もふた癖もある。ホモと噂されているカメラ屋の若い主人。美男のバーテンしか雇わないスナックのママ。性欲を持て余している肉屋の兄弟…。そんな彼らに詩人志望の春太と彼が思いを寄せる美容師の光子を配し、めいめいの秘められた情熱と、彼らがふと垣間見せる愛と孤独の表情を描いて忘れがたい印象を残すオムニバス長編。

夢見通りの人々 (新潮文庫)のKindle版

ツイートする