夢見通りの人々 (新潮文庫)

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著者 : 宮本輝
  • 新潮社 (1989年4月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101307053

夢見通りの人々 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 大阪の商店街、夢見通りで起こる10個の出来事。
    まるで、昭和のホームドラマをテレビで観てるような感覚。

    一応、主人公は詩人を目指す春太。良い人なんだけど、なんとも頼りない。そしてウジウジ悩む。

    とにかく、個性派揃いの中にあって、私が一番心惹かれたのは肉屋の竜一。並外れた性欲を持て余していた男。けれども、一番情の深い男に思えてなりません♪

    ハッピーエンドの結末を求めがちですが、たとえそうじゃなくても、前進する強さを人は皆持っている事を教えられました。

  • 再読。
    大阪のうらぶれた商店街、「夢見通り」を舞台にした短編連作集。

    ド昭和の、いかにも宮本輝らしい、
    泥臭く、猥雑な中に温かみが感じられる物語。

    気弱で詩人の春太、太楼軒の父ちゃん母ちゃんに優秀な娘、
    肉屋の竜一と竜二、タバコ屋のトミさん、商魂逞しい時計屋、
    シャレードの痣のあるママなどなど。

    肉屋の竜一と美容院の光子のエピソードが良かったなぁ
    そううまくいかないところもまたね(笑)

    久しぶりに宮本輝を読んだけど、切ないけど、
    身も蓋もないところもあるのにどこか上品なんだよなぁ
    昭和だからなのか、私が昭和の人間だからなのかw

  • 大坂の夢見通りという商店街の1軒に下宿する
    里見春太とその商店街の一癖も二癖もある人々のお話
    少しにがくって、生々しくって、おかしくて、悲しい
    読んでいてすごく思ったのは、宮本輝さんの小説って
    ストーリーも長短編かもテーマも時代も色々と違うけど
    芯はずっとぶれていないんだなぁということ
    やはりこの本も読み終わって元気が、勇気がもらえました
    もう20年以上も前の小説、今読んでも輝いています

  • 商店街の人々の裏の顔を表しながら、人間の裏の感情を上手に表現している作品。ついつい、引き込まれてしまう。

  • 「夢見通り」という商店街に暮らす、ロマンティックな名前にそぐわない、アクの強い人物を描いた群像劇仕立ての連作短編です。

    第1章は、30歳で通信教育の仕事をしながら詩人になることを夢見る里見春太は、美容師の光子にひそかな恋心を抱いていますが、歳の割りに純情な彼は、自分の想いを伝えることができません。その光子は、拾ってしまった宝石箱の処分を、ヤクザ上がりで女好きの噂のある肉屋の辰巳竜一に依頼したことがきっかけで、少しずつ竜一に魅かれていくことになります。古川文房具店の一角でタバコ屋を営む、身寄りのない77歳の伊関トミは、立ち退きを求められて孤独をかみ締めながらも、春太の優しさに触れて、最後は死んでいきます。

    時計店を営む村田英介は、息子の哲太郎の手癖の悪さに手を焼いていましたが、やがて哲太郎は、商店会の組合長を務める吉武権二の一人娘の理恵と駆け落ちします。しかし、理恵が子どもを身ごもったことに哲太郎は戸惑い、春太が仲裁役として、北海道まで2人を迎えに行くことになります。

    スナック「シャレード」の女主人の奈津は、生まれたときから顔に痣があることに、コンプレックスを抱いていました。そんな彼女に魅かれた客の「げえやん」は、痣を隠そうとして苦しむ彼女の心を開こうとします。

    中華料理屋「太楼軒」を営むワンさんの娘の美鈴は、アメリカン・スクールに通い、外交官になることを夢見る才女です。そんな彼女の依頼で、春太はホモのカメラ店主の森雅久のもとを訪れ、美鈴の友人のレスリーというアメリカ人と親密な仲にならないようにいいますが、森の人を見る目の深さになすすべなく、引き返すことになります。

    登場人物たちの泥臭さの中で、春太の純朴さがどうしても浮いてしまっているように感じます。光子と竜一とのやりとりも、いかにも朴訥です。そんな彼が、多くの章で舞台回しの役割を務めることで、他の登場人物たちのアクの強さがいよいよ引き立っているようにも感じるのも事実ですが、ややバランスの危うさも含んでいるように思います。

  • 受験勉強していた時に解いていた国語の問題で読んだのがキッカケ。

  • 2016.2

  • 長期に渡って読んでいたこともあり、もはや夢見通りにすんでいる気分。うまいなぁーみんなくどいくらいに特徴的なんだけど、それに見合うだけの悲哀を抱えているから、親身で読めるのかな。うん宮本輝は悲哀がうまいと思う。あと女心。第九章白い垢すんごい好きよ。第三章時計屋の息子も面白かった。うーんひさびさに小説っぽい小説読んだ!

  • 十人十色に登場人物をえがき,それぞれの生き様がとても切なくもあり,でもあり得る,そんな物語です。

  • 発刊当時は映画化もされた宮本輝氏の名作。連作短編作品です。

    里見春太という主人公の、素直で優しく真面目で、でも不器用で孤独な部分と、彼を取り巻く夢見通りの人々の心模様や生き方が、表も裏も含めてリアルに描かれています。

    宮本輝氏の作品には「人物」がしっかりと描かれていて、切なさや愛を感じさせてくれます。前を向いて生きる、ということの大事さを考えさせてくれます。

    自分は、肉屋の竜一の印象が読み始めと終わりでガラッと変わったことに驚き、少し愛着が湧きましたね。
    こんな風に自分のお気に入りの人物を見つけて読むのも面白いかも。といっても、ひと癖もふた癖もある人物ばかりで感情移入はできないかもしれませんがw

    昭和後期くらいの時代背景も、この作品の良さを引き出しているんだと思います。
    合理化が進み、人の心が希薄になってきている今の時代からは考えられないですが、あの頃は、まだ近所付き合いもあったんだなあとしみじみ・・・。

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その名前とはうらはらに、夢見通りの住人たちは、ひと癖もふた癖もある。ホモと噂されているカメラ屋の若い主人。美男のバーテンしか雇わないスナックのママ。性欲を持て余している肉屋の兄弟…。そんな彼らに詩人志望の春太と彼が思いを寄せる美容師の光子を配し、めいめいの秘められた情熱と、彼らがふと垣間見せる愛と孤独の表情を描いて忘れがたい印象を残すオムニバス長編。

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