優駿〈下〉 (新潮文庫)

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著者 : 宮本輝
  • 新潮社 (1989年11月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (394ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101307077

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優駿〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 競馬ファンにとっては必読

  • 馬主の電機メーカーはついに吸収合併。しかもその遠因はオラシオンの獲得にあった。また、馬主の娘が事実上の馬主となる。その娘も父の隠し子について気づく。さらに父の秘書も。動揺する娘と秘書の危険な逢引、そして寸前での娘の祈り。また、オラシオンの生産者のガンによる他界。オラシオンを追い、新聞記者を辞めて、競馬情報の世界で一山当てようとしている男とその愛人。そして、「オラシオン」に祈りを込めた青年。かれらの「祈り」を込めて、オラシオンは日本ダービーに臨む。しかし、体調は万全ではない。疲れが残っているようだ。その異常に、馬主の娘が気付く。そして、「ゲートオープン」・・・・騎手の不安な気持ち、そして、予想外のレース展開、果たしてオラシオンは、日本ダービーを獲得できるのか? 調教師にとっても、日本ダービー獲得は初めての経験だ。人気馬で倍率が1.1倍。関係者の「思い・祈り」をパワーにオラシオンはターフを走る。「電光掲示板の結果は如何に!!」
     夢を描く青年の「オラシオンがダービーに勝ったら」という決意。そして、その青年を見守る老ばくろうの「何かやるぞ、と決意した時には、必ずそれを『止めよう』とする力が働くんだ。でもそれを、なにくそっ、って撥ね退けてやる時、物はうまく行くんだ。」という、太平洋戦争も生き抜いた老人の何気ない、でも重い言葉。
     「オラシオン」のレース結果は?そして青年の夢は?最後の日本ダービーの結末に集約される。
     読後も、競馬場の歓声が聞こえて来る様なさわやかな本。長い様で、「上・下」巻、一気に読めます。
     また、馬主の娘と秘書が一線を越えようとする時に、「オラシオン」と言う名の意味が分かる。その謎解きも面白い。また対抗馬の名前、その騎手と娘との、嫌な関係。全部、オラシオンを中心とした人間関係に集約される。
     「あとがき」に評されている様に、読後とても「さわやかな」本です。夏の北海道の緑の草原を吹きぬける風を感じる本。そして、乗馬した時の疾走感を感じる本です。

  • 2012.8.21読了。

    中心にいる物言わぬ馬のスピードとあいまって、取り巻くひとびとの人生の凝縮、加速は凄まじい。

  • 最後のダービー戦は燃えました!!!
    オラシオンがスタートボックスに入った時、奈良はいつもとようすが違うことを察知しましたが、読んでいる私まで、大丈夫か?ここでダメになってしまうのか?とハラハラしました。
    オラシオンの内側に入る癖がこんな重要な場面で出てくるなんてと思いましたが、最後は運よく優勝を勝ち取れてほっとしています。
    輝さん、こんなところに種をまきよって・・・!笑

    博正、久美子、平八郎、多田、奈良、そして読者の誰もが、このダービー戦ではオラシオンの勝利を心から<祈った>のではないでしょうか。
    奇跡としか言えないこのサラブレットが、千造という小さな産馬者の夢から生まれ、様々な人の手によって育てられていく。
    そして、オラシオンに関わる人々のヒューマンドラマが幾重も重なり合いながらダービー戦での勝利へと祈りが一つになった。

    輝さんは複数の人のドラマを一つの物語に描くのが上手ですが、優駿ではその構成が秀逸です。
    氏の作品の中でも、久々に興奮する小説に出会ったような気がします。

    唯一、トカイファームの今後や博正と久美子の将来について書かれていないのがの心残りです。
    ですが、きっと博正は平八郎と事業を発足し、手元に多田を置いて新しいスタートを切ったのではなかろうか、と勝手に想像しております。
    また、博正と久美子の関係も相変わらず縮まりそうにないが、いずれ時を経て共にトカイファームを大きな牧場にしていくのではないだろうかと、そんな空想を広げ、私の中で優駿を終わらせたいと思います。

  • 2011/9/24

  • 北海道などを舞台とした作品です。

  • ”生まれる仔馬が牡馬でありますように。風の申し子のように早く、嵐のように烈しく名馬の天命をたずさえて生まれますように。”北海道の小さな牧場で生を受けた一頭のサラブレッドオラシオン。北海道の大自然が育む緑と光の原野の中で育ち、順調に競走馬への道を歩み始める。そして生産者、馬主、騎手、調教師等の命をモチーフにしたそれぞれの物語が、最終章のダービーに向かって一気に駆け抜ける。。特徴は、北海道の雄大な自然から、レース展開や騎手の駆け引きまでをきめ細やかな筆致にて描く。そして各章毎に、登場人物の視点を小気味よく切り替えて、それぞれが抱える人生の悲哀がダービーを駆け抜けるオラシオンの一点に集約されるよう伏線を絶妙にばらまいている事。文字を追う毎に、映像がくっきりと浮かんでくるリズム感の良さは圧巻です。 凛々しさと清冽さを感じる唯一無二の5★作品ですよ〜。

  • 幾つかの死が存在し、それと対比して生が語られる
    人は苦悩の中で生きて死ぬ。 だがオラシオンに挫折は無く
    全てがハッピーエンド、そこは拍子抜け。余生も種牡馬入りが保証され 大金持ち万歳
    ダービーでの敗北を予想していた。ハズレ

  • 馬は夢があるな〜

  • 物語は、牧場、騎手、馬主、社長、秘書と様々なシーンの主人公が、それぞれの想いを胸に精一杯生きた生き様が交錯する展開にグイグイ惹かれた。
    また話の流れも色々人が死んだり予想外の展開に驚きの連続で一気読みでした。

    余談だけど、若い頃、競馬に没頭して、北海道にわたり馬に乗っていた頃を思い出した。物語の時代は物心ついてないけれど、メチャメチャ勉強したので、色んなワードに心踊りました。単枠指定、阪神3歳S、数え年、ノーザンダンサー系が席巻とか、、、

    牧場に行きたくなってきたなぁー

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優駿〈下〉 (新潮文庫)の作品紹介

母の肉は子の肉、子の骨は母の骨なり…。いのちの哀しさ尊さに突き当りながらも、虚無と喧噪のなかで人間の業から逃れられない男たち、女たち。だが、そういう彼らも、いつしかオラシオンの美しさ危うさに魅せられて一体化し、自らの愛と祈り、ついには運命そのものを賭けていった。やがて迎えるダービー決戦-。圧倒的な感動を呼ぶサラブレッド・ロマン。吉川英治文学賞受賞。

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