道頓堀川 (新潮文庫)

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著者 : 宮本輝
  • 新潮社 (1994年12月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101307107

道頓堀川 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 決して恵まれた環境でないながらも、自分の腕や感覚を信じて生きなければならない。そんな人々で溢れている話。
    貧困だからといって終始悩みに埋め尽くされているような悲しい話というわけでもなく、かといって力強く前進していく、という話でもない。ビリヤードの腕だったりコーヒーの腕だったりファンの多いゲイボーイやストリッパーだったりなにかひとつ特技はあるけれど、それでも何かに依らずに生きていけない。それを自堕落的な生活様態を送る者を出さずに表現しているところは見物。

  • キーワードは「貧しさ」でしょうか。
    本書の舞台は大阪道頓堀川。鈍く光る川面で生活する登場人物は、その誰しもが何かしらの「貧しさ」を抱えています。もちろん「貧しさ」とは、金銭的なそれに限りません。離散する宿命を抱えた武内は金銭的には余裕があるのに、とても貧しくみえる人物ではないでしょうか。そんな「貧しさ」を抱えた道頓堀川の住人のなかで、ヌードダンサーのさとみが邦彦の前で一心不乱に踊る姿がやけに印象に残っています。「私なんか、毎日、頭が変になってるわ」というさとみの言葉。この「貧しさ」が小説内に留まるものではなく、普遍的なものとして、いたく心に染み入ります。
    ところで、まったく悲哀に満ちた作品なのかというと、決してそうではなく、「貧しさ」を抱えたなかでも必死に生きていく、そんな住人の姿に活力をもらうのです。
    宮本輝の描く普遍性と前向きな姿勢に心打たれた作品でした。

  • 2016.2
    ブックオフ渋谷

  • やっぱり、昔のいい本は、いい。こういう大阪ミナミの話好き。

  • なかなか、昭和の雰囲気がでてました。

  • 宮本輝はある一時期の大阪の空気を感じられるなあ。

  • なんとのう、切ないのう(涙)

    人生や。

  • 玉突きがやりたくなる。そんな作品。

  • ある男からみた戦後の歓楽街に”寄せ集まった”男と女と仲間と親子の話。特に、男のうちにあるぼんやりとした弱さは個人的にこの一文にすべて、凝縮されているように思う。


    ”相手の心の開け具合を計算して、きっちり開いた分だけしか応じ返していかない哀しい人間の習性を、彼等はとりわけ狡猾に身につけていたが、反面そうした弱さを歓楽街に生きる本物の女たちよりも、一段上手に隠し通す手練に長じていることも武内はよく知っていた。”

  • これは「親子の物語」なのかなぁ。
    道頓堀川にかかるいろいろな橋と、橋から見下ろす川に映し出されるミナミのネオンの模様。それに投影される人間模様。心の機敏が見事だし、せつないねん(笑)。大阪弁を聴きたくて、ぐいぐい読み進めました。

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