ドンナ ビアンカ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 122
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  • Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101308739

感想・レビュー・書評

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  • 誉田さんの作品で痛々しい描写と胸糞悪過ぎる描写が多いのだけど、今回の作品は愛に溢れてたので救われました。
    最初は村瀬の事を瑶子を付け回して、勝手に一人で盛り上がってる奴なのかと思ったのだけど、瑶子との間に愛が芽生えて、偽りの関係を本当の関係にする為に誘拐されて、指を斬り落とされて、なんかもう村瀬の瑶子に対する愛情がすごかった。
    まあ結論は人騒がせな事件だったんだけど、村瀬と瑶子の純愛が守られて良かったなあと思った。
    あと、副島は言う事もする事も全部がクソだった。
    村瀬と瑶子と副島の三角関係がどうなるのか、誘拐犯を捕まえる事はできるのか、どきどきの展開が続いて面白かった。

  • この作品は、泣いた。
    涙止まらなかった。

    誉田さんといえばストロベリーナイトの姫川玲子ですが、魚住刑事は一味違うタイプ。

    捜査一課を経験していながら、部長に昇進した今は所轄を転々としてる。
    前作短編集「ドルチェ」で、わたしは人が死んでしまった事件を解決するのではなく、そうなる前に救うことをしたい。というようなセリフがあったが、この作品でも関係者の心に寄り添う魚住刑事に胸を打たれます。

    誘拐事件の緊迫する捜査状況と、村瀬の語りが、交互に配されて進んでいく。
    マジメで優しく機転も利くのに不運のために底辺の生活をしてきた。なんの楽しみもない生活の中で、ある日出会った楊白瑤に魅かれ、彼女を想うだけでささやかな楽しみと幸せを感じ大切にしてきたが、思わぬ展開が待っていた。

    後半ボロボロ泣けて泣けて困りました。
    魚住刑事のかける言葉にも、一途な二人の想いにも。

    読み終わって、首謀者のアイツが頭悪くてよかったなーと思う。もっと最悪なことだって考えられた。

    あと、峰岸は素晴らしい部下なので、どうにかならないかなと期待!

  • 人生に虚を感じている男の独り言のような始まりの中、ストーカー?強姦?と想像しながら読み始めた。ささやかな幸せを感じ、障害を乗り越え幸せを願い、誘拐の片棒を担がされる。恋愛と警察捜査と両方楽しめました。死者の出ない魚住作品は心温まる場面もありとても良かった。

  • ほんと人騒がせ でも読後感がすごく暖かい
    終わり方がすごく良い

  • 魚住久江シリーズ第二弾。

    警察小説であり純愛小説。
    グロテスクなところがあるのに、なぜかほわっとする不思議な作品でした。
    誉田さんの作品には女刑事主役の作品が他にもありますが、どれも明らかな黒誉田さん。
    このシリーズは黒であり白であり…魚住刑事の人柄が作品をやわらかくしてるのかな。

  • かなり久しぶりに読んだ誉田哲也さんの本。
    パンチが効いていてキャラ立ちが素晴らしい。
    誘拐事件と村瀬編の二本立てが上手い具合に錯綜して
    絶妙なタイミングで重なってはくる辺りはさすが。
    恋愛要素がふんだんに盛り込まれている割に甘々になりすぎなかったり
    魚住さんと金森さん、そして峰岸さんの刑事の絡みも良いスパイスに。何層にも楽しめるお話になっていて
    あっという間に読了。

    魚住さんシリーズのドルチェは過去に読んだけどまるで記憶になく
    ブクログたどるとイマイチだったらしい。
    再読してみるとまた違った感想が持てるような気がする。

  • 大人の恋愛小説と言ってもいいのでは?というくらい、大人たちの恋が溢れています。
    一方は、両想いの二人にどうしようもない大人が横槍を入れるという展開ですが、もう一方は、これから先が気になる状態です。魚住さん、モテ期です。峯岸くんが1番、恋愛上級者で大人な気がします。
    犯罪の部分は、誉田作品なのでもちろんエグい部分あり。
    姫川作品は、憎悪や事件の内容や警察内での力関係の方が際立ってきますが、人を大事にしたいという魚住さんは、人間の物語で話が進んでいく気がします。女刑事でも、性格が違うと、事件の捉え方や考え方も違うのでしょうね。
    スリルのあるミステリーを読みたい方よりは、スリルの間にほっこりしたい時に読みたい作品です。

  • 魚住シリーズ第2弾長編。
    いや〜面白かった!少し読んで止めようと思ったけど止まらず最後まで読んでしまった!いいお話だった。涙
    瑶子が可愛くて、私も守りたくなる!

  • シリーズ一作目のドルチェを2年前に読了していた。 ブクログはそれが直ぐにわかるからよい。過激なものより、本作のようなものの方が書くのは難しいと思う。良かったです。

  • シリーズ物だとは知らず、3作目から読んでしまったけれども面白く読めました。
    近頃読んだものの中では珍しく明るい兆しの見えるラストに心がふわっとする思いでした。
    やっぱり、人間は弱いって思うし、強いとも思う。その分かれ目ってなんなんだろう?きっと小さなことで変わってしまうんだろうなぁ。

著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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