サンカクカンケイ (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101309736

作品紹介・あらすじ

強引で傲慢に、役者になる夢につきすすむ龍也と、どんなときでも、温かな笑顔で見守ってくれる幼なじみの俊輔。初恋を追いかけて、故郷・岡山から京都に向かった大学生の広瀬あかねは、激しさと穏やかさ、ふたつの未来の前で立ち止まる。さよならサンカク、またきてシカク。なつかしい童歌にのせて送る、恋愛3部作第2弾は、過去の恋を乗り越え、現在の愛をキラキラ輝かせる物語。

感想・レビュー・書評

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  • 強引で傲慢に、役者になる夢につきすすむ龍也と、どんなときでも、温かな笑顔で見守ってくれる幼なじみの俊輔。初恋を追いかけて、故郷・岡山から京都に向かった大学生の広瀬あかねは、激しさと穏やかさ、ふたつの未来の前で立ち止まる、恋愛3部作第2弾。

    *****

    小手鞠るいさんの話はじんわり心にしみてくる。
    3部作でどこがつながっているんだろうと思っていたけど、つながっているんだね。
    1部のその後が気になっていたから少しふれていてよかった。


    意外と龍也みたいな性格の人って結構好きだし、女の気持ちをわかろうとしない男の人も私のまわりにいるから、あかねの心の言葉・気持ちに共感した。

    ラストであかねが成長して龍也をふっきったときにはじんわり感動。
    すてきな話でした。

  • 「三角関係」と言われて、勝手に正三角形を思い描いていたけれど、
    そうか、いびつな三角形、二等辺三角形、そしてひとつの辺が透明になってしまった三角形などいろいろな「三角関係」があるのだな…と思った。

    恋にまつわる悲しかったり、残酷だったりする記憶は早く忘れてしまいたいと思う。
    でも、「記憶から消す」だけでなく「思い出にする」ということも忘れることになるんだ…

    小手鞠さんの、すべてが恋愛のコトバに聞こえてくる文章はすごく好き。

  • あの頃、わたしの心には、名前がついていた。
    「恋」という漢字一文字の。
    「来い」という、胸を突かれるような響きを持った。


    小手鞠るいさんの恋愛作品の2作品目。
    うーん。。。
    私は前の『エンキョリレンアイ』のほうが好きだったな。
    個人的に龍也さんみたいな人が好きじゃない。
    なんだろうな。
    でもきっとそれは、この人のためだったら何をしてもいい、どんなものでも捨てられる、というような恋をしてないからかな。
    それくらい心ごと体ごとその人を愛するような恋愛をした人には、すごく通じるものがあるのではないでしょうか。
    頭ではわかっているんだけど、心が止められない。
    そんな状態で出したあーちゃんの気持ちだからこそ、このあとうまくいってほしいな。
    この作品にちょっとだけ前作の登場人物が出てきたから、次の『レンアイケッコン』にも出てくるのかな?
    これも楽しみです。

  • 俊輔が良い男すぎて、でもきっと彼もずっと苦しんできたんだろうなぁと思って、彼の目線でのアナザーストーリーが読みたくなった!龍也は絵に描いたようなクズ男で、あかねは彼に恋していたのではなく恋に恋する、という状態だったんだろうなぁと。

  • 全体的にやわらかい文体で読みやすかったです。ただ幼馴染の俊輔に感情移入しすぎて、主人公が龍也龍也!となっているその激しい感情についていけなかった…。龍也のなにがいいのかわからない。けど理由とかないんだろうな、わからないからこそ好きなんだろうな…と友人の恋愛話を聞くような気分でどこか客観的に読んでしまいました(笑)

  • カタカナ恋愛三部作の第二弾。

    大きさと向き(ベクトル)を併せ持った恋、とでも言おうか、
    三角関係じゃなくて三角関数?これは数学のお話?(笑)
    いえいえ、だからこそカタカナのサンカクカンケイなんですよ。
    数学みたいに正解は無いし、答えを導き出す筋道も無い。
    丸みを帯びたきちんとしてない三角形が織り成す切ない恋のお話でした。

  • 恋愛の多様性という感じ。重たくも取れるし純愛にもとれる。三角関係じゃなくてサンカクカンケイってタイトルが本当に当てはまる作品。
    カタチが決まってない、角だって尖ってたり緩かったり。
    主人公にはこのやろうってなります。

  • 少女漫画が小説になったような感じ。村山由佳さんとか読んでるなら、好きかも?
    とにもかくにも、主人公が気になれず星2つで。

    こんな風にずっと見守ってくれる幼馴染みなんかいないよーとか思いつつページをめくる。羨ましくもあるのだろうね。主人公が恋していた相手みたいな酷い男はいると思う。でも、色々があった後、随分経った後にまた現れるのはなかなか酷さレベルが高い。
    とりあえず、ハッピーエンドで話は終わったけど、うーん、これ主人公また酷い男と会うの再開したりするんだろうな、、、なんて想像をしてしまう。だって、最後会わなかった理由がイマイチ自分の気持ちで決めた感じがみられないから、、、とかとか。どうしても応援できなかったなぁ。

  • 『エンキョリレンアイ』をきっかけにファンになった、小手鞠るいさんの作品。
    本作は『エンキョリ~』に続く、恋愛小説三部作の第二弾!

    最終的にどっちと結ばれるのか、最後の最後まで本当にハラハラさせられた~!ヾ(≧д≦;
    でもこれって、厳密には“三角関係の話”ってわけでもないんじゃ?と思って、あらすじ等を読み返してみたところ…
    なるほど!これは3人の関係だけでなく、それぞれの物理的な距離――京都・岡山・東京――を結ぶ三角の意味でもあったのか~と納得。←私の読解力の乏しさよw

    正直言って、
    龍也を選んだ場合→波瀾万丈の恋に生きる女性。(でも私には彼の良さがまったく分からん!!笑)
    俊輔を選んだ場合→安定の愛に生きる女性。(だけどベタすぎ?)
    …って感じがして、どういう結末にしろ、あんまりいいイメージでは終われないだろうなぁーと思っていたのに、読了後は不思議と後味爽やか~に感じられた作品だった*
    この場合いちばんダメなのは、さんざん期待させといて「どっちも選ばない」っていう答えだと思うんで…そういう意味では、あかねちゃんが最後にちゃんと心を決めてくれたのが良かったのかなと。

    冒頭には前作の主人公である花音ちゃんが登場しているという、『エンキョリ~』ファンには嬉しいサプライズも!ヽ(゚∀゚〃)ノ
    本編を読むのとはまた違った視点から前作を垣間見ることができたような気がして、こういう粋な計らいも良かった♪

    三部作のラスト『レンアイケッコン』も読むつもりなので、楽しみ❤-(^ω^人)

  • 「、」が多くて読みにくかった。
    たまに素敵な表現があってときめいた。主人公の女の子のように私にもずっと優しく見守ってくれる男性がいたらいいなあ~。

  • 『陽だまりの彼女』『天使の卵』と恋愛小説を続けて読んだので、その流れで『サンカクカンケイ』を読んでみた。小手鞠るいさんの作品を読むのは、今年(2014年)の10月に読んだ『エンキョリレンアイ』に続いて2作目で、『エンキョリレンアイ』の主人公であった桜木花音が登場するというサプライズも嬉しかった。花音の人生も、紆余曲折を経るものだったが、『サンカクカンケイ』の主人公である広瀬あかねの人生も負けず劣らず曲がりくねっている。しかし、彼女たちはいずれも、悲しい出来事を糧にして逞しく新しい人生を切り拓いて行く。『エンキョリレンアイ』を再読したい♪と思わせるほど、爽やかな読後感に浸れる作品だった。

  • 恋愛3部作の第2弾『サンカクカンケイ』
    今回も第1弾の『エンキョリレンアイ』同様楽しく読めました。

    龍也の自己中な行動にやきもきしながら、俊輔のあかねをやさしく見守る姿がなんとも切なかった。

    ラストは、キレイにまとまってよかったです。

    話の中でエンキョリレンアイの花音が少し出てきて、おー!となりました。

  • 今まさに龍也のような彼氏と付き合ってます。
    だからあーちゃんの気持ちに共感でき、あっという間に読み終えてしまいました。
    ラストでは、龍也に絶対会うな!!と念じながら読んでました笑


    小手毬さんはエンキョリレンアイがきっかけでファンになりました。
    本当は?、井上海晴さんみたいな男性がタイプなのに、龍也みたいな人を好きになって付き合ってるから不思議です…笑

    この本に出会えたことに感謝します。
    ありがとう(*^_^*)

  • 「エンキョリレンアイ」「レンアイケッコン」と合わせて恋愛3部作とされる一冊。それぞれの主人公がちょこっとだけ関わり合う場面もあり、おまけ的に楽しめる。
    自分を温かく見守ってくれる幼なじみの俊輔、理不尽な持論を押しつけてくる初恋の相手、龍也。それでも20歳のあかねはまっしぐらに龍也に向って行き、傷つき、龍也の口癖である「イエス」の真相を知った時、別れを決めたはずだった…。
    冒頭に置かれた「忘れろよ」というセリフにちょっとひいてしまい、ずっとこの調子だったらどうしようと思ったがどうにか流れが変わってきてよかった。突然の母親の手紙とその裏にある事情など、読めてしまう展開もあり、龍也と再会してからのあかねの逡巡は青臭さがぷんぷんしていたが、たまにこういう平和な感じの恋愛小説を読むと新鮮である。

  • 龍也と俊介どちらに似ているかと聞かれたら間違いなく俊介な自分にとってはホッとしたラストになって良かった。
    実際の恋愛でも幼馴染や友達のような関係でいるのが一番楽しいし気も使わないしで良いと再確認できた。

  • どうしようもないのに、どうしても諦められない恋の経緯や状況描写、心情がとても細かく描かれているので、一瞬、自分がそんな恋をしてるような錯覚に陥りました。だけど、そんな恋よりももっと大きな温かい愛の存在に遅まきながら気づいていく過程がじわっときて、ほっこりしました。

  • 周囲からは、「辞めときなよ」と言われる人に引き寄せられるってことありますよね。絶対幸せになれないとわかっていも、、、

  • なんというか、どこに落ちるのかなーとか思いながら読んでて、
    「へー」
    「ふーん」
    「はぁ…」

    あ、終わった(笑)

    みたいな印象でした。
    私この作家さん合わないのかなぁ…
    文章の柔らかい感じはとっても好みです。

  • 私にも俊介みたいな人がおたらいいのにと思ってしまった
    あかねはずるいなぁ
    でも逃げたわけじゃないから仕方なかったのかな
    帰る場所があるっていいな

    イエスの理由は読んでいて痛かった
    あかねはずっと龍には片思いだったんだなぁ

  • 正直、何回読んでも
    あかねちゃんには
    共感出来ないかなあ。
    自分なら龍也みたいな人
    耐えられない…
    ラストは私的には
    好きです(´ω`*)

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著者プロフィール

1956年岡山県生まれ。同志社大学法学部卒業。ニューヨーク州在住。
『欲しいのは、あなただけ』で島清恋愛文学賞、『ルウとリンデン 旅とおるすばん』(講談社)でボローニャ国際児童図書賞を受賞。主な著書に『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』(講談社)『星ちりばめたる旗』(ポプラ社)ほか、主な児童書に『心の森』(金の星社)『やくそくだよ、ミュウ』(岩崎書店)『シナモンのおやすみ日記』(講談社)など多数。

「2024年 『新装版 まほうの絵本屋さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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