美しい心臓 (新潮文庫)

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著者 : 小手鞠るい
  • 新潮社 (2016年1月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101309774

美しい心臓 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 逢えない時は相手に死を望んでしまうほど苦しい。
    相手に赤ちゃんが生まれたことを知ってしまってからは それまでは意識を避けていたはずの奥さんの存在を異常なほどに思い知らされてしまう。

  • ーー願っていたのは、死だった。
    私の死ではない。私たちの死でもない。
    私が願っていたのは、その人の死だったーー

    相手の死によってしか平穏が得られないほどの愛。好きの無間地獄。
    「美しい心臓を持て!純粋な生を生きよ!」
    とは、覚悟を決めて、とことん本気(マジ)で生きろということか。
    でも、そんな恋愛が本当に幸せをもたらすのだろうか。。。辛すぎる

  • DV夫から逃れてきた地で恋に落ちた相手は、妻子持ちの中年男。
    愛する男の死を願う、それは男の魂を独り占め出来る気がするから?
    究極のエゴイズムだと思えるそんな感情も、
    「かわいそう」な立場から自分を救ってくれた相手への愛?
    短かったけれど濃密な恋愛期間。
    主人公は、最後の最後に、元同僚からの電話で、
    「不倫?」と気づかされる。
    自分たちのしてきたことは恋愛じゃなくて不倫?
    読者は、最初からそんなことはわかっている。
    ふと思ったことだけど、
    恋愛≧不倫、恋愛≦不倫、どちらの不等号が正しいのだろう?
    もちろん、恋愛に正負はないのだろうが、
    彼女たちの恋愛を不倫と言う一括りの言葉にしたくないような気がした。

    おかしいなと思う場面もあった。
    中年男の3週間の海外出張に、仕事を辞めてまで付いて行かれるの?
    中年男は小さい子供がいるのに、1日置きに泊まりに来られるの?
    まぁ、これは、そういうことが出来る立場の人たちもいる、ということで。(苦笑)

    「美しい心臓を持て。純粋な生を生きよ。 」
    2人はこの深い言葉を、出張先の中米で知ることになるが、
    小手鞠るいさんは、本当に外国の描写が素敵。
    行った気分になれる文章だと思う。

    離婚も成立し、中年男と別れる決心をし、
    病床にある別れた男の「生」を願う主人公。
    もう相手の「死」を願うことがない。
    そこに「愛」はないから。

    好き嫌い別れるテーマだと思うが、
    私は、好き。(小手鞠るいさんだからかも?笑)

  • 小中高生の時から恋愛小説はすきで、その中には不倫も出てきたけど、今よりすとんと、恋愛、ということで読めていたように思う。いま、30歳手前まできて、周りの友だちで不倫をしている子や、職場の上司で不倫をしている人もいて、ひとことに恋愛、とは、いかなくなった。自分の中で。いろいろ考えすぎて、読み進めた結果、なんかしんどい、腑に落ちない、作り物のような感じがした。この本。
    ただ、島本理生さんの解説はとても好きだった。もやもやしていた感情を、こっちだよ、と引っ張ってもらえたような感じ。

  • こんな恋愛は、馬鹿馬鹿しい、なんの価値もない、と切ってしまえるだろうか。

    小説は道徳の教科書ではない。
    夫のDVから逃れた「かわいそうな」女が搦め捕られたのは、妻子持ちの中年男性。
    けれど、制約付きの恋は彼女の生そのものだった。

    三週間の旅行のために、せっかくの仕事を辞めることなんて、大抵の人は出来ないでしょう。
    でも、それだけの想いも単純な快感に代わり、やがては自ら終止符を打つような暗闇に入っていく。
    その流れを、一体どれだけの人が嘲笑い、どれだけの人の心に入っていくのだろう。

    それでも。
    「かわいそう」から救い出したのは彼だ。
    そのことは、世間がどれだけ非難しても、変わらないのです。


    「わたしが汚れているのではない。世間がわたしを汚すのだ。」


    島本理生さんが、解説を書いている。
    彼女だからこそ見つけられるものがあって、とても良いまとめだった。

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美しい心臓 (新潮文庫)の作品紹介

DVに憑かれた冷酷な夫から逃げ出したわたしが、職場で偶然知り合った既婚者の彼。その導きで始まった密会のたわむれは、わたしを絶望の淵から救った。甘い官能に溺れるふたつの魂は、秘密の部屋を抜け、やがて緑滴る中米の地を目指す。生命が躍動する新世界で、わたしが望んだのは、しかし、欲して止まない彼の死だった。悪魔的に美しく、愛と見まごうほどに純粋な感情の行方。

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