河童が覗いたインド (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.00
  • (265)
  • (162)
  • (250)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 1908
感想 : 173
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101311036

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 少年Hで有名な妹尾河童さんがインドへ旅した際の、ノンフィクション。

    本をめくってまず驚かされるのが、字が手書きであることと、本のいたるところに書かれている、緻密な挿絵。文庫本をびっしり埋め尽くすその「手づくり感」は、かなり気にいっています。

    内容としては、インド各地を巡り、妹尾さん自身が体感されたことをありのままに書き連ねています。そこには装飾は一切なく、妹尾さんという人物を通したありのままのインド。

    まだ読み途中ですが、わたしが一番印象的だったエピソードを紹介します。

    とある街で、妹尾さんは日本人のインド旅行者と遭遇し、インドについて語り合います。その旅行者はインド歴が長く、多くの庶民の貧しい暮らしこそがインドであると、ホテルに泊まる妹尾さんをあからさまに批判します。それに対し、妹尾さんは人口の一部が裕福な暮らしをしていることも事実であり、それら全てを含めた、混沌たるものがインドであると反論をする、というシーンです。

    インドのなんたるかを一面的に知ろうとすることは難しく、むしろ知ろうとせず、まずは感じてみることが大切なのかもしれません。若いうちに一度は行きたい、インド。

  • インドのことがよくわかった。
    あんなに緻密な絵がどうやったら描けるのか。

  • インドの 匂いがする。

  • 妹尾河童がインドを見て、興味赴くままありとあらゆるものを書き綴った本。
    一言でいえばそれだけだが。
    彼はなんでもかんでも、気になることを調べて、現地の人に聞いて、そして体験している。
    これを読むと、インドが混沌としていて、深い。
    よく「インドは日本と正反対の国」という人がいるが。それはあながち間違っていないのかもしれない、と思った。

    特にびっくりしたのは、「沈黙の塔」について。
    ゾロアスター教の独特の死者を葬る儀式のことである。
    沈黙の塔とは「鳥葬」のこと。
    世界にはこのような価値観をもつ宗教があるのかと驚いた。
    この本のいいところは、ただ事実を並べているだけでなく根拠も書いてあること。
    ちなみに、鳥葬とは「土地を汚さない」という宗教観にもっとも合致する合理的な埋葬方法なんだとか。。。。

  • 今ではかなり情報は古いですが、ワクワクさせてくれます
    イラストのタッチがGoodです
    インドに行きたくなります

  • 初版が結構前なので、いろいろと変わってしまっている部分はあるかと思います…。
    妹尾さんのコメンタリーとご自身で描いたスケッチが秀逸です。
    インドに行かれる方は是非。

  • 絵も細密画のようですごいけれど、文章も楽しい。少年の視点を感じる(笑)。

  • 画も字もすべて手描きの、ある意味、今まで出逢った中で一番スゴイ本。

  • とっても細かく描かれた絵。
    河童さんの字が可愛い。
    隅々まで見たくなる本。

  • 手書きの本なんてあり得ないし、そんなん読む気しないし、興味無いし・・・と思っていた自分が嫌いです。

    インド行きたくなります!
    インドカレー好きなこともあって、料理本、インド本、旅行本・・・さまざまな資料でインドを見ることがありますが、そのどれよりも魅力的なインドが描かれているように思います。
    筆者による緻密で美しいスケッチと、手書きの丁寧なゴシック体で記された解説及び紀行文、スケッチの中に書きこまれたメモ・・・ページの端々まで魅力的な要素がガッツリ詰まっています!

    残念なのは一昔前の作品であるということ・・・。
    沢木耕太郎の深夜特急を初めて読んだ時、現実のアフガニスタンはテロ直後だったので、作品中に描かれているような雰囲気ではないんだろうなぁ、と思ったものですが、たぶんインドも妹尾さんが旅したころからは想像できないほど変わっているんろうなぁ・・・。

全173件中 71 - 80件を表示

著者プロフィール

妹尾河童
1930年神戸生まれ。グラフィック・デザイナーを経て、1954年、独学で舞台美術家としてデビュー。以来、演劇、オペラ、ミュージカルと幅広く活躍し、「紀伊國屋演劇賞」「サントリー音楽賞」など多数受賞する。また、エッセイストとしても、『河童が覗いたヨーロッパ』『河童が覗いたインド』などの大人気シリーズで知られている。著書多数。『少年H』は、著者初の自伝的小説で、毎日出版文化賞特別賞受賞作である。

「2013年 『少年H(下巻) (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

妹尾河童の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×