少年H〈上巻〉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.56
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本棚登録 : 481
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101311067

作品紹介・あらすじ

神戸の海辺の町に「H」と呼ばれた少年がいた。父親は洋服の仕立て職人。母親は熱心なクリスチャン。二つ年下の妹の四人家族。Hが小学五年生のとき、戦争が始まった。父親がスパイ容疑で逮捕され、Hが大好きな映写技師のお兄ちゃんも、召集を逃れて自殺する。戦争の影が不気味に忍びよってくる。Hは何を見て何を感じたか?戦争を子供の視点で描いた感動の超ベストセラー。

感想・レビュー・書評

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  • ちょうど映画が上映されていたので本屋で平積みになっていた本。

    とりあえず上巻読了。
    主人公 Hの小~中(?)学校までのエピソードが中心。
    中?学校と書いたのは、戦時中の学制がよくわからんので・・・。

    ドラマや映画になってるけど、内容は普通。
    実際にあった事(作者の自伝)のように書いてあるけど、当時の事をこんなに覚えている訳がない。
    たぶん、脚色しながら書いている所も多分にあると思われ・・・。

    妹尾河童は昭和5年の生まれ。
    私の父とは3つ違いだけなので、父も同様な体験をしていた事が解る。
    今年亡くなったので、これらの事を聞く事はもうできないが。

    ちなみに、講談社版と新潮社版があり、新潮社版は漢字にフリガナが添えられている。
    作者が子供達にも読んでもらいたいからとの事。
    読書感想文の対象になるような本だもんね。
    これを読んで感想を書けと言われたら、辛いだろうな。
    昔の人は大変でしたね。
    戦争は辛いね。
    戦争はおこしちゃいけないと思います。
    まあ、そんな事しか書けんと思いますよ。
    そもそも、読書感想文なんて嫌いでしたが。

  • 戦争体験を、実体験として語る貴重な資料。全てが事実なら強烈な記憶力だが、それほどの印象がある作品。子供目線で見てるから、都合よく書かれている部分もあるが、それを含めて強烈な印象に残る。コロナ禍で読むと、情報が無く混乱状態なのが、一致していて面白い。

  • レビューは下巻にて。

  • 「少年H(上)」妹尾河童著、新潮文庫、2000.12.01
    479p ¥660 C0193 (2018.08.27読了)(2014.01.19購入)

    【目次】
    赤盤の兄チャン
    タンバリン
    オトコ姉ちゃん
    ナイフとフォーク
    二銭糊
    地図と卵

    海の子
    水害
    『三つの宝』
    アラヒトガミ
    日独伊三国同盟
    軍事機密
    紀元二千六百年
    『不可侵条約』
    十二月八日
    踏み絵
    隣組
    防毒マスクとスパイ
    汽車の旅
    夏休み
    欲しがりません勝つまでは
    神戸二中入学考査
    カミケル号
    田森教官
    少年Hへ、そして私への手紙  しまおまほ

    (「BOOK」データベースより)amazon
    神戸の海辺の町に「H」と呼ばれた少年がいた。父親は洋服の仕立て職人。母親は熱心なクリスチャン。二つ年下の妹の四人家族。Hが小学五年生のとき、戦争が始まった。父親がスパイ容疑で逮捕され、Hが大好きな映写技師のお兄ちゃんも、召集を逃れて自殺する。戦争の影が不気味に忍びよってくる。Hは何を見て何を感じたか?戦争を子供の視点で描いた感動の超ベストセラー。

  • 昭和30年生まれの著者が、神戸で過ごした少年時代を綴った自伝。

    かなりの悪ガキだった著者。多感な少年Hが、当時の風潮や戦争についてどう感じ、どう生き抜いたか、細かく。丹念に綴られている。

    都合よく描かれているように感じなくもないが、当時の暮らしぶりや戦時の暮らしにくい世相が子供の目線で描かれていて分かりやすい。

  • ・・・とおもった。

  • 2016/04/24BookOff購入
    2016/05/15

  • 74
    戦争前後の神戸の街と人の暮らしを子供の目線で記述していく。
    戦争に入るに従い、生活は縛られ、特にキリスト教を信仰し、外国人との取引も多かったHの家には幾多の困難が待ち受けるも、逞しく生きる人たちがそこにいる。

  • テレビで映画が放送されてたので見た。水谷豊が出てるやつね。
    今感想書いてる時ににあえて商品に新潮文庫版を選んだのはこの表紙のイメージがめちゃくちゃ強かったから。少年Hというと俺の中ではこの表紙のイメージ。
    感想は映画版なのでカテゴリは映画。

    言わずと知れた作品で、妹尾肇少年とその家族を中心とした視点で戦時中を生きるお話。
    神戸を舞台に洋服店を営む妹尾家はクリスチャンで、外国人との交流もあるおかげで国際感覚がある。映画を見る限り水谷豊演じるお父さんは当時の戦争に対して非常にまともなことを言っていて、日本が劣勢になるであろうことや新聞が本当のことを言っていないであろうこと、自分たちが生き抜くためには宗教に関わらず町の人に協力しなきゃいけないことなんかを的確に理解している。
    だからそこそこ上手く立ちまわれて、家族も辛かっただろうが不幸はあまり描かれていない。だいたいトラブル起こすのは妹尾少年の余計な一言である…と。

    文庫本を読んだのは確か小学校の最後あたりか中学入りたての頃だったと思うんだけど、赤盤の兄ちゃんやおとこ姉ちゃんなんかの話はツライものがあるものの、家族は皆無事でいれたことで特に悲しい物語の印象はなかったかな。
    読みやすいし時間があれば一読するもよし、映画をみるもよしだと思った。

  • 子供の目から見た戦争。
    理不尽な事だらけです。
    純粋で正直だからこそ見える矛盾が心を打ちます。
    楽天的な子供の目線で書かれていて読みやすいけれども内容的には重い小説です。

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著者プロフィール

妹尾河童
1930年神戸生まれ。グラフィック・デザイナーを経て、1954年、独学で舞台美術家としてデビュー。以来、演劇、オペラ、ミュージカルと幅広く活躍し、「紀伊國屋演劇賞」「サントリー音楽賞」など多数受賞する。また、エッセイストとしても、『河童が覗いたヨーロッパ』『河童が覗いたインド』などの大人気シリーズで知られている。著書多数。『少年H』は、著者初の自伝的小説で、毎日出版文化賞特別賞受賞作である。

「2013年 『少年H(下巻) (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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