でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相 (新潮文庫)

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著者 : 福田ますみ
  • 新潮社 (2009年12月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101311814

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でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • ただひたすら怖い話だ。ノンフィクションだがホラー・サスペンスのジャンルに分類してもおかしくないかもしれない。
    同じクラス・学校の子供も被害者だが、こういう親に育てられた子供はなんて不幸なことかと思う。
    しかし、こんな1組のモンスターペアレントの前に、担任だけでなく学校も無力とは情けない。学校というのはよほど組織力がないものなのだと改めて認識させられた。担任にすべて責任を被せようとしてるのだから、組織力も何もないというのはわかる。日本ではどの学校もこんなものだとしたら悲しすぎる。

  • マスコミって怖いな、冤罪って簡単に作れるんだな、ということが良くわかる。
    読み進めるのが、もどかしく、斜め読みしないと追いつかなかった。

  • 教師が報道されるたびこの本を思い出す。

  • 面白くて一気読み。
    公務員という仕事の性質と些細な言葉がおおごとになってしまうので、普段から言葉に気をつけていかないとと思う。改めて日本語は奥ゆかしいけど、伝わりづらい。
    加害者はゆすりなのか正義感なのか。
    正義をふりかざす奴ほどろくなやついないと再確認できる本です

  • 教員をしていれば、保護者に振り回されることは何度とたく体験する。しかし、この話はもはやサイコ・ホラーの領域ですね。

  • ひどい話...。大人になったら性善説で生きてはダメなのかな。嫌な扱いされたらすぐに抗議示さないといけないのか?新潮45に冤罪かと問いかけた福田 さんすばらしい。

  • これが実話だとは到底思えないが、
    ノンフィクションである以上、虚構ではなく、
    現実に起こった事件である・・・

    虚言癖を有する人がいるのは、なんとなしに、
    理解できるものであるが、ここまで恐ろしく、
    他者に害を為すというのは驚嘆すべきことだ。

    朝日新聞や西日本新聞、毎日新聞、週刊文春など、
    それぞれの取材担当者も“実名”でどんな取材を実施したのか、
    洗い出しているのは、結果として、とても皮肉めいている。

  • 実際に 2003年に全国で初めて小学校教師によるいじめが認定された事件の真相に迫る。
    「恐怖」と「不可解」。
    家庭訪問から始まった、生徒の母親の不可解な言動。話してもいない内容と差別的な言葉を使われ、その後から生徒に対して体罰によるいじめが始まったと、学校に乗り込んでくる。
    校長や教頭に言われるまま、早期解決するためと、体罰ではないが小さな注意についてのことかと謝罪したが、話は大きくなるばかり。
    いずれマスコミにも知れるところとなり、週刊紙やテレビにも一方的に悪者として取り上げられた。
    保護者は民事裁判まで起こし、迫ってくる。
    なんとその弁護についたのは500人にもなる弁護団だった。
    教師側にはなんとか見つけた弁護士が2名。
    不利にみえた裁判だったが、保護者側の証言は全く要領を得ないものばかり。
    一体、どうしてこんなことになったのか?
    話した内容、体罰、それにより子供がPTSDになったという、ありとあらゆる作り話と思われる内容に恐怖を覚える。

    2017.2.20

  • モンスターペアレントにより発生した教師の冤罪事件を扱ったドキュメンタリー。気狂いの手に負えなさとマスコミ報道のいい加減さがよく分かる。

    モンスターペアレントを含む所謂クレーマーというのは、被害妄想が誇大化した精神障害者であると思う。そしてマスコミ記者における問題の1つは、盲目的な正義感の暴走である。記者の盲目的な正義感の暴走によって記事は書かれ、その記事に基づき世論は盲目的な正義感によって暴走する。

  • メディアこわい、という内容ではあるけど、やはり片側からの視点に偏っている感は否めない。中立的な判断は片側の主張だけでは不可能、という気持ちを忘れずにこの本を読むことが重要ではないかと。でもやっぱり世論を誘導してしまうメディアはこわいよね、と個人的には思います。

  • 文春砲、この言葉が巷を賑わせた。
    しかし、その裏取りをしたマスコミがどれほど存在するのだろうか。
    社会で起きる問題は、数ページの週刊誌面で解説可能な要因で成り立つものは殆どない。
    様々な原因でニュースになっている。
    特異な行動を伴う子供を巡って、ある小学校のクラスで、担任が事件をでっちあげられる状態に陥れられた一部始終がこの著書に収められている。
    事件は常に身の回りに存在する。見て見ぬ振りをする自分自身がいつ犯罪者のレッテルを着せられるか分からない時代に生きていることを、この著者は教えてくれた。加えて、間違っていることには、声を上げることの大切さを多くのエピソードが知らしめてくれた。是非とも読んでもらいたい。

  • 単行本刊行時以来の再読。最終的に「濡れ衣」であったことがわかってよかった。今の時代なら、もっと市教委も管理職も対応の仕方が違うと思うのだが。

  • 読む手が止まらなくなるノンフィクション。一番怖いのは人間。

  • 「『死に方教えたろうか』と教え子を恫喝した史上最悪の『殺人教師』」

     週刊文春の見出しである。
     小学六年生の男子生徒に対しホームルームで体罰を行い、
     アメリカ人クォーターであることからアメリカ人の穢れた血と称し、
     そして、早く飛び降りて自殺しろと恫喝した。

     そのセンセーショナルな見出しに、福岡の田舎から全国区のニュースになった。
     日本で初めて、教育委員会が教師によるいじめ認定を行った事件でもある。

     しかし、真相は虚偽で塗り固められていた。
     
     保護者とのトラブルを避けるため、校長から体罰を認めるようにたしなめられてそうしたが、訴えられてからは組織からも見放されて孤独の戦いを教師は進んだ。

     結局、組織は都合が悪くなると個人を切って捨てる。


     普通の生活を送ってきた人が、いきなり訳の分からないモンスターと対峙しなくてはならなくなったとき、どうしたらいいのか。

     突然に暗闇に突き落とされることが無いとは言い切れない。

  • 怖い。冤罪、そして過熱報道をするマスコミの犯罪。

  • 正義と正義感は違うこと、虚構の上に積み上がった正義感の恐ろしさ。この二つを端的に著した本である気がします。

    傍観者だから覚えてないけど、実話ってのが怖いよね。覚えていない自分も少し怖い。
    原告側の手記とかがあったら、それも読みたいなあ。

  • ひところ随分騒がれた事件なので、当初のマスコミ報道は目にしたりしていたが、まさかこのような展開と結果を迎えていたとか思いもよらなかった。無論すべてではないのだろうけれど、マスコミ取材も確たる裏付けもないまま進められていくのかと思うと、明日は我が身と身が縮む思いだ。

  • 一方の言い分を鵜呑みにすることの怖さ。
    やっていないことをやったと認めてしまうことの怖さ。

    モンペも怖いがいざというとき自分を守ってくれない職場もなぁ…

  • 『モンスターマザー:長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い』に続いて。変質的な保護者と保身に走る上司や教委,偏り興味本位のマスコミによって「殺人教師」されてしまった教師の戦いを描く。ここまでひどくなくても,川上先生が言うように「保護者と教師は同等でなない。教師が一歩下がって対処しないとうまくいかない」時代だ。

  • なるほど、その場の「空気」がこうなるとこうなるものか。と逆に感心してしまう本。

    モンスタークレーマーの母親が意味不明すぎて恐ろしい。こういうのがいるのか。子どもの多動は、絶対にこの母親の影響だろう。
    先生は何もやっていない。体罰を加えていない。この、「やっていない証明」(悪魔の証明)の難しさ。
    激しい体罰は加えていないけど、ちょっとの体罰はした。だから、「やっていない」とは学校も言い切れない。
    母親の言う、血が出るような体罰を見た子は誰もいないのに、保護者は誰も裁判で「うちの子は見ていない」と証言してくれない。もしも証言して、あのキ○○○家族のターゲットがうちになったら怖いから。
    学校、医者、マスコミ、保護者、すべてが面倒くさいから、深く関わりたくないから……とその場その場をごまかしていくうちに、モンペは図に乗り、「穢れた血」という言葉に怒った弁護士が頑張って、冤罪が決定してしまう。

    しかしすべての証拠とされてきたのは、「母親の証言」のみ。
    保健室の記録もなければ、病院に行った記録もなし。あるのは、もとから子どもが鼻血体質だったとかいう記録のみ。
    そして、母親が子どもの頃はアメリカの学校に入学したというのが嘘だと明るみに出て、徐々に、この母親おかしいぞ……という雰囲気になっていくんだけど、
    それでも体罰はなかったという結論にはならず、
    今度は学校や病院が、そういうのを鵜呑みにしてきたのがバレると困るから、必死になって、嘘つきの母親の味方をする。
    医者側がとった行動は、滑稽ですらある。
    PTSDの症状が(母親は出ていると言っているけど)出ないから、子どもに学校に行かせて出させよう。それを証拠にしよう。と思って行かせた。出なかった。でも母は「学校に近づくだけで動悸が激しくなり云々…」と証言。でもよくよく訊いてみたら、毎週土日、子どもはサッカーしに学校行ってた。
    学校で毎週サッカーできるのに、なんで学校に近づくだけでPTSDが出るんだよ。
    弁護士は、「絶対に体罰はあった。なぜならPTSD症状が出ているから」と言う。
    しかし、そのPTSD症状を見たものは、医者含め誰もいない。母親が「こうだった」と言っているだけ。子どもにきけば、「うん……あったような気がする……」みたいなことを言うだけ。母親が怖いから。
    PTSD症状を演じれば、誰でも冤罪に落とし込める。

    なんだか慰安婦問題を思い出した。
    犯罪はあった。なぜなら被害者がいるからだ、という理屈。
    証拠は何もないし、被害者の言うことはいつも、コロコロ変わったとしても。
    被害者が、こんなに辛かった大変だったと泣いて叫べば、みんなが同情してしまう。「証拠は?」「二十万人って数字はどこから?」と冷静に問う人間は誰も居ない。
    発端が朝日新聞であることも同じ。

    母親よりも、母親以外の「人権派」弁護士やら、新聞記者やら、医者やらがすごく情けなかった。

    読み物としては、後半の裁判記録がややわかりづらかった。

  • 読んでいて追い詰められ感が辛くなるが、本書の評価としては非常に不満。これで「真相」と謳ってよいのか??

    裁判で公正な審理が行われた結果、原告側の「ほぼでっちあげ」が認定されたのだから、真相はそういうことだろうが、本書は被告の視点からのみで書かれている。冒頭の家庭訪問でのモンペ母の言動は、明らかに「こいつイタイ親だな」との印象を読者に与えることに成功している。だがこれはあくまで被告の教諭側の記録だ。裁判の記録を追う部分ですら、被告視点だ。

    結果的に、読者に与える印象は、芥川龍之介『藪の中』だ。

    裁判で(ある程度)白黒ついているから、まぁこれはモンペだったんだろうと思うし、それにマスコミがのっかった社会的なイジメだったのだろうが。もやもやする。

  • マスコミの暴力、人権派弁護士の底の浅さ、そして司法の優柔不断に胸が痛む。

  • 事実とは何か。

    本来、子どものためを思う学校、管理職、担任、保護者、地域が何がなんだか分からなくなっている。妄想だけで、展開できる母親やマスコミの凄さには、ただただ呆れる。

  • 『でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相』(新潮文庫) 福田ますみ
    2003年6月に起きた、全国で初めて「教師によるいじめ」と認定された事件の真相を描いたノンフィクション作品。『史上最悪の殺人教師』と呼ばれ、停職処分に陥った教師だったが、その真相はモンスターペアレンツの虚偽の告発によるものであったと本書では訴えている。保護者側の訴えをを鵜呑みにし、 大弁護団を組んだ人たち。卑劣な教師として徹底的に叩いたマスコミ。読めば読むほど、不確実な情報に踊らされたマスコミへの怒りが沸々とわいた。
    しかし、読み終えた時、さらなる疑問が浮かんできた。
    果たして、この本書に書かれていることは全て事実なのだろうかと。
    いったい何が真実なのだろうか思う時、重く不安な想いが駆け巡る一冊であった。

  • 平成15年「生徒に日常的に”いじめ”を行って精神的に追い詰め、『死に方教えたろか』とまで恫喝してその生徒をPTSDになるまで追い詰めた酷い教師」との記事がマスコミに踊りました。そしてその生徒の保護者が教師に対して起こした裁判の中で、実はこれがその保護者による”でっちあげ”であり、その教師にとって完全な冤罪であることが判明します。
    いわゆるモンスターペアレンツの恫喝に対して事実の確認をしないまま一方的に平身低頭する校長や教育委員会。自身の発言機会をほとんど得ることがないまま、なすすべなく教壇から追いやられる教師。そのプロセスを克明に追った本書を読むと、教師=悪という思い込みに頼って報道を垂れ流したマスコミが一市民をターゲットにした時の怖さ、一旦「悪徳教師」であるとレッテルを貼られてしまってから、冤罪を証明するまでのあまりに長く辛い日々を思うと、改めて冤罪が奪うものがいかに大きいかを思い知らされます。そして普通に社会生活を送っていても、誰にでも冤罪がふりかかる危険性があり、そのような時こそ曖昧に証言するのではなく毅然と対応することがいかに重要かということを本書は教えてくれる気がします。
    教師本人、保護者、学校関係者の証言が分かりやすく整理され、事件の発端から最後の判決に至るまで一気に引き込まれ、読み進められます。

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でっちあげ―福岡「殺人教師」事件の真相 (新潮文庫)の作品紹介

「早く死ね、自分で死ね。」2003年、全国で初めて「教師によるいじめ」と認定される体罰事件が福岡で起きた。地元の新聞報道をきっかけに、担当教輸は『史上最悪の殺人教師』と呼ばれ、停職処分になる。児童側はさらに民事裁判を起こし、舞台は法廷へ。正義の鉄槌が下るはずだったが、待ち受けていたのは予想だにしない展開と、驚愕の事実であった。第六回新潮ドキュメント賞受賞。

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