- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101311814
作品紹介・あらすじ
「早く死ね、自分で死ね。」2003年、全国で初めて「教師によるいじめ」と認定される体罰事件が福岡で起きた。地元の新聞報道をきっかけに、担当教輸は『史上最悪の殺人教師』と呼ばれ、停職処分になる。児童側はさらに民事裁判を起こし、舞台は法廷へ。正義の鉄槌が下るはずだったが、待ち受けていたのは予想だにしない展開と、驚愕の事実であった。第六回新潮ドキュメント賞受賞。
感想・レビュー・書評
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保護者から裁判を起こされたことはないけれど、似たような狂った主張(狂言)を平然と、何の疑いもなしにしてくる保護者には会ったことがあります。ああいう人たちって一定数いるんだなぁって読んでて空恐ろしくなりました。でも、そういう人たちはもう精神疾患か何かだとして、その明らかにおかしな主張を鵜呑みにして職員を守ろうとしない(面倒だから保護者の言いなりになって職員を悪者にして事を収めようとする)愚かな管理職も同じ数かそれ以上にいるわけで。この本をそっと管理職の机の上に置いておこうと思いました。
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すっごい さくっと読めました
アメリカかぶれで、目立ちたくて、人を言いなりにして、全部人のせいにしたい人ってこうなるんだな、怖いなって思いました -
戦慄のノンフィクション
自分の身に起こったらと思うと寒気のするストーリー
親の思考回路と目的が気になる。何のためにこんな嘘をついて、なぜその嘘をまるで真実のように語れるのか。
通常の論理では全く理解できない人が世の中には存在することがわかる。
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モンスターペアレンツって本当に怖い。原告の弁護団も、二審の対応が姑息で恥ずかしい限り。途中で引っ込みがつかなくなったのでしょうが、もっとちゃんとした事前調査をしてたら、恥をかかずに済んだであろうに。
それにしても文春の記者は、記者としての基礎もできてないのかな...地取りも鑑取りもちゃんとしないなんて。羞恥心は一人前にあるようだけど。 -
まさに、でっち上げ。こんな世の中でなくなることを期待したい。
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久しぶりにノンフィクションドキュメントものを読んだ気がする。
随分前に話題になった『文庫X』(殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―)を読んだ時は衝撃的であったが、それと同様に衝撃があり、あっという間に読み終えてしまった。
今回は、タイトルの通り『でっちあげ』俄かに信じ難い展開で、本当にこんな事があったのかと。仮に小説であれば、そんな展開ないわ〜と思ってしまうくらい。
表面に出ている事だけを信じることの怖さ。集団の怖さ。
きっと今でも、こんな風な事はどこかで起こっているんだろうと思うとやりきれない気持ちになってしまう。
他人事でなく、ちゃんと正しいことを知る。この事がいかに大切かが分かった。 -
映画「怪物」に似ている。本事件からヒントを得たのか?被告(先生)と原告(生徒側)の齟齬は、それぞれの視点から見たら筋が通っているのかと思いきや…被告側両親(特に母親)は、ある種の精神疾患では?
結局、被告は10年もの戦いの日々。よくぞ戦い抜いた。
自分は視野が狭いし、報道や自分視点を信じがちだが、別視点がある事を忘れずにいたい。そして、本作もまた(しっかり取材されただろうけれど)著者のフィルターを通している事を忘れずにいたいものだ。 -
⭐️4.3
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モンスターペアレンツの虚言もさることながら、その嘘本当も確認する事なく垂れ流したマスコミや、その場を丸く収めることしか考えない校長、教頭には呆れるばかりだ。
特に週刊文春は全く読むに値しない本であることを再認識した。
誤報をしても、素知らぬ顔して記者を続けてる奴らが実名でのってるが、ネットニュース並みの取材力を恥じてほしい。 -
『モンスター・マザー』が良かったので同じ著者による本書も読んでみた。事件の推移はほぼ同じ。
『モンスターマザー』を読んだ時は、ずいぶん珍しい悲劇のコンビネーションがあったものだと思ったが、実そんなに珍しくないのではと思わされる意味で憂鬱なルポだった。連続して読んでしまったので、溜飲の下がる展開ではあるものの、個人的に後味は悪い。
モンペの息子がまともに躾もされずに、平気で法廷でも嘘をつけるような、まさにモンペそっくりの反社会的な人間に育てられてゆく所に、何ともいえない無力感がただよう。確かに、彼自身もモンペの犠牲者ではあるのだが、この先親になったら似たような迷惑行為をやらかしそうなのが嫌だった。良くも悪くも、親の背中を見て子は育つものだと改めて思う。
読み物としては繰り返しが多く、あっという間に読める本。ノンフィクションではあるが、ラノベのざまぁ系がお好きな人にもおススメしたい。