人柱はミイラと出会う (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101312415

感想・レビュー・書評

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  • 海外留学生が日本の風習について「?」となりそれに答える形で話が進み、読者もそれに引き込まれて「今の日本にはこんな風習があったんだ」と納得してしまいそうになる、設定の妙。

    ・人柱はミイラと出会う
    建設現場において、工事が順調に進むことを祈願してかつては生きた人間が犠牲となっていた「人柱」だが現代においては、個室が設けられそこに人柱が隔離されることで継続されていた、というところから始まる。マンション建設の「人柱」部屋から、寝袋にくるまったミイラ状の遺体が発見された…
    ショートショートの基本は星新一か手塚治虫に有り、感

    ・黒衣は議場から消える
    議員の背後に黒ワイシャツ黒ズボン、顔を隠した「黒衣」が存在して裏方仕事を実施する制度。その中で一人の黒衣の遺体が発見された。
    典型的なミステリ謎解きのパターン連発という印象。

    ・お歯黒は独身に似合わない
    独身女性が若い歯科医と車の中で、白い歯をお歯黒状態に染めている。この謎は。
    安楽椅子探偵パターン。現実にありそう。

    ・厄年は怪我に注意
    厄年休暇制度、いいなー。笑笑
    一番現実味がない話だったかも

    ・鷹は大空に舞う

  • 石持さんらしい、奇抜なアイデア!今の日本にまだ人柱の制度が変わった形で残ってたり、黒衣やお歯黒、参勤交代も現存しているという。さらに厄年を使った、厄年休暇という制度。厄年は不幸にあいやすいので、1年働いてはいけないという…。ぜひとも実際に欲しい!
    けどまあ中途半端な感じの恋愛はいっただろうか…?

  • 設定が面白い。
    かなり久し振りに石持さんの本読んだけど
    あ〜この感じ。って懐かしくなりました。

    一瞬「人柱」ってホントにあるのかと思ったよ。

    オチもキレイ。

  • 人柱・お歯黒・参勤交代等の江戸の風習が残ったパラレル世界の日本で,交換留学生のリリーと,人柱職人の東郷が事件の謎を解く連作短篇集。
    「Rのつく月」や「座間味くん」同様,短編は面白い。

  • 人柱、お歯黒、参勤交代などの文化が残っている、今とはちょっと違う日本の話。
    ライトなミステリでサッと読めちゃう感じ。
    タイトルから想像するおどろおどろしい話ではなく、特に「人柱」のような、ぎょっとする昔の慣習を現代風にアレンジして絡めてあるのが面白かった。

  • ストーリー自体は軽めのミステリーor日常の謎。
    江戸時代の日本の風習が現代に残っているという設定と、主人公が外国人という点が秀逸。
    ラストも良かった。
    普通のミステリーとは違い、独特の感覚を楽しめる作品でした。

  • 読書完了日2013年05月07日。

  • 昔の風習が現代に残っていたら、
    こんなに不思議な、すてきな世界なのかな~

    人柱、黒衣、お歯黒、参勤交代、、、

    アメリカ人のリリーが感じるように、
    私も不思議に思ったり。

    ちょっとしたことから、
    事件をあっさり解決しちゃう東郷はすごすぎるけど。

  • 面白かった。お勧め。
    人柱、厄年、参勤交代など日本の風習や言い伝えみたいなものを扱った連作短編集。
    謎ときは普通だが、着想がユニーク。
    (図書館)

  • 鎌倉旅のお供。ここぞとばかりに石持浅海を読んでやるぜ。連作短編集。非常に軽い感じで読みやすかった。人柱とかお歯黒とか日本の伝統的?なものがちょっと変わった形で実在しているというお話。この人柱制度とか、ほんとにあったらまっとうできる人なんているかいな、と思っちゃう。本とか娯楽を持ち込んじゃいけないってとこがね。この人柱をしていて、探偵役となる東郷直海がかっこよすぎるのだ。リリーとどうして結ばれることになるのかが全く分からん。まぁいいけど。でも、最後のアメリカに行った後の感じじゃ、東郷がホームシックになったり、リリーがもう東郷を尊敬できなくなって別れちゃいそうな感じだ。厄年休暇とか、ほんとにあったらいいなー。警察鷹とかほんとにできてもよさそうだ。

著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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