サヴァイヴ (新潮文庫)

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著者 : 近藤史恵
  • 新潮社 (2014年5月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101312637

サヴァイヴ (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 『サクリファイス』、『エデン』のスピンオフ短編集。
    シリーズを好きな方であれば、グッとのめりこめるかと思います。

    今回収録されているのは全部で6篇。
    白石関係2本、伊庭関係1本、そして、赤城&石尾関係で3本。

    うち何本かは『Story Seller』でも発表されていましたので、
    読んだことがありましたが、、ふむ。

    個人的には赤城&石尾コンビの3連作が嬉しくも。
    本編の前日譚として見るとより面白いのですが、、

    2人の“結末”を知っているだけに、
    劇中でイキイキと描かれているのがなんとも切なくも。

    2人が目指した高みの果ては、、さて。
    シリーズの続きが楽しみにもなってきました。

  • 【サクリファイス】、【エデン】に続く、ロードレースシリーズ第3弾です。
    全く知らなかったロードレースの世界ですが、とても面白い。
    知らず知らず引き込まれてしまいます。

  •  近藤史恵の自転車小説はどれを読んでも素晴らしい。これまでと違ってこれは短編集だけど、底が浅いとか軽いということがまったくない。一編一編がとびきりのできで感心するほかない。主人公が白石だったり伊庭だったり赤城だったり石尾だったり、場所が日本だったりフランスだったりスペインだったりポルトガルだったり、時系列的にも前後していて、お互いの関係はあまりないのだけれど、読んでいて全然違和感がない。自転車競技の魅力ももちろんだけど、それぞれの主人公たちの人間的魅力が大きいせいだろう。今すぐ自転車にまたがってわーっと目いっぱい走り出したくなる。「一秒ごとにゼロに近づいていくのだとしても、まだゼロではない。ゼロではないのだ」”ゴールよりももっと遠く”。これを読んで奮い立たないようでは生きている意味はない。

  • 「サクリファイス」シリーズ第三弾。主人公のモノローグが好きだったんだけど、今回は他の登場人物に焦点をあてた短編集。人に歴史ありという感じで、それぞれの人を知ることで、シリーズ全体さらには自転車競技の深みを感じられる。
    喜び楽しさよりも、苦しさ悲しさの話で、読後にどよんとしてしまう。

  • 自転車ロードレースの世界を舞台とした、青春ミステリ『サクリファイス』シリーズに連なる連作六編。

    老ビプネンの腹の中―白石誓。元チームメイトの死とパリ・ルーベ石畳の過酷なレース。
    フリーライターにムカッと。「本当の目標、大事なのは生き延びること」これが地獄のようなレースの世界に魅入られた者の手段なんだね。

    スピードの果て―伊庭和実の交通事故目撃とロッカー荒らし。
    はっきり言ってくれればいいのに-陰湿なチームメイトも嫌だな。

    プロトンの中の孤独―天才ルーキー石尾豪とベテラン赤城直輝がチーム・オッジに入った年の話。
    石尾と赤城の友情の始まり。蹴るとか酷いな-石尾の戦略には!

    レミング―石尾と赤城のチーム・オッジ三年目、安西が移籍してきた話。沖縄で走りたい。
    これも、直接ではない嫌がらせが苛ッとくるよ-石尾の頑固さには…でもチームの事を考えられる、レースのひっかきまわし方が良いよね。

    ゴールよりももっと遠く―伊庭と白石が新人で、石尾が王者として在った時の話。VS新チーム。
    やり方がいやらしい…けどスターが欲しいのはわかるだけに。

    トウラーダ―白石がリスボンへ越した時の話。闘牛とドーピング疑惑。
    ああ…悲しい。弱さからなのか、疑われてるならとヤケなのか。ミシェルの言の通りなんだけど、彼らにとっては自転車界が全てだからね…。

    さらっと読めます。
    サクリファイスを読んだのが大分前なので、かなり記憶の彼方でしたが…読んでたらぼんやり思い出しました-
    レースの過酷さ、モチベーション保つ難しさと、一部の人間の子どもじみた嫌がらせが目立つかな-
    その中で、自身の目指す高みへと挑戦する姿がグッときます。

  • 近藤史恵さんの「サヴァイヴ」読了。ロードレースを題材にしたシリーズ三作目。前作で起きた出来事がたまに登場しますが、あまり影響なく読めます。全6章「チーム・オッジ」のメンバーが主人公になり、過酷なロードレース生活をいかに「生き抜く」かを描いた作品。協調性ゼロの天才ルーキー石尾、ベテラン赤城、ヨーロッパで戦う白石など、それぞれの思惑を胸にレースに臨む。相変わらず、読みやすくロードレース初心者にも分かりやすく書かれています。この本を読んでロードレースが団体競技ということを知りました。興味のある方は是非♪

  • 再読。『サクリファイス』『エデン』のスピンオフというべき短編集。チカ、伊庭、赤城、石尾、それぞれの自転車に対する生き様が対比的に描かれている。”北の地獄”パリ・ルーベの石畳の悪路、世界選手権のゴール前の狂気のスプリント、北海道ステージレースのまさかのアシスト戦略、沖縄ツアーのまたもやまさかのアシスト戦略、そういったレースの描写がますます競技の面白さを教えてくれる。マジでチカの続編お願いします。

  • 『サクリファイス』『エデン』の登場人物たちの過去と未来を描いた短編6編収録の作品集。

     最近免許を取るため教習所に通っています。車で後部座席に乗っている時は40キロって早く感じませんでしたが、いざ運転席に座り40キロ出してみると意外と早くてびっくりしました。

     で、この本に収録されている『スピードの果て』の記述によると、ロードバイクは70キロも出そうと思えば出せるらしいです。自転車で70キロ、しかもレースは混戦の下り坂で抜け出さないといけない時もあるわけですから、そこで落車したり他の自転車と衝突したりすれば……

     しかし、それでも選手たちは走ります。『スピードの果て』はその恐怖と、その先にあるものを安全運転第一の自分にも少しだけ見せてくれました。

    『サクリファイス』で鮮烈な印象を残した石尾ですが、彼の存在感はこの短編集でもやはり大きいです。不器用なりにチームのため、ロードレースのため行動する彼の姿がかっこよかったです。

     そして改めて団体競技でありながら、個人成績がクローズアップされるロードレースという競技の奥深さ、残酷さを感じさせてもくれる短編集でした。
     
     エースのため犠牲となる赤城の葛藤、彼のエースの石尾への想いというものは、他の団体スポーツではなかなか表現しきれない複雑なものだと思います。しかしその思いが読者の自分にもしっかりと伝わってきました。近藤さんのアシストへの視点の確かさ、そして文章力の鮮やかさが感じられます。

     またドーピングにもこの短編集は切り込んでいます。新聞なんかで、ドーピングのニュースを見ると「なんでこんなことするんだ」と思うことがほとんどなのですが、この本を読んだ後だと、一流選手たちが抱える恐怖や孤独、不安、そしてドーピングに手を出してしまう心理が手にとるように分かります。もちろんドーピングが許されるわけではありませんが、そこまで追い込まれてしまった彼らの内面というものも、考えてみるべきなのかもしれない、と思わされました。

  • 2017/10/16
    あっという間に読み終わり。
    サクリファイスの世界の短編。
    石尾の若いときとか。
    引退後の姿がまったく想像できない石尾。
    想像できない通りレーサーのまま死んでしまった訳だけど、衰えて走れなくなった彼がどうなったか見たかったなと改めて思った。
    ロボットみたいな人だという印象しかなかったけど「ちょっとアタックしてくる」とかなんかかわいかった。
    どんなおっさんになったのかな。
    ずっと変な人であっただろうけど、赤城と一緒に老いを生きてみて欲しかった。

  • 短編集なのにそれぞれ読み応えがある印象。プロの自転車レースの駆け引きや選手の人生観等とても興味深く読めます。このジャンル、なかなかないのでサク者には今後も書いてほしいです。

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サヴァイヴ (新潮文庫)の作品紹介

団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、協調性ゼロの天才ルーキー石尾。ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは――(「プロトンの中の孤独」)。エースの孤独、アシストの犠牲、ドーピングと故障への恐怖。『サクリファイス』シリーズに秘められた感涙必至のストーリー全六編。

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